元世界5位のツォンガが今年の全仏オープン限りでの引退を発表「もう自分の身体が成長する力はない」<SMASH>

元世界5位のツォンガが今年の全仏オープン限りでの引退を発表「もう自分の身体が成長する力はない」<SMASH>

プロになって18年、躍動感あふれるプレーでファンを魅了してきたツォンガだが、ついにラケットを置く決意をした。今年の全仏オープンが見納めとなる。(C)Getty Images

長らくケガに悩まされていた男子テニス元世界ランク5位のジョー‐ウィルフリード・ツォンガ(フランス/現220位)が現地4月6日に自身の公式SNSを更新。今年5月に母国で開催される「全仏オープン」(5月22日〜6月5日/フランス・パリ/クレーコート/グランドスラム)を最後に、現役を引退する意向を示した。

 四大大会に次ぐマスターズ1000での2度の優勝を含め、ATPツアーで通算18勝をマークしている36歳のツォンガは、強力なフォアハンドとサービスを武器に数々の強敵を打ち破ってきた。2008年の全豪オープンでは1回戦で「ビッグ4」の一角だったアンディ・マリー(イギリス/現84位)をフルセットで破ると、準決勝では第2シードのラファエル・ナダル(スペイン/現4位)にストレートで勝利。

 迎えた決勝では現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れてあと一歩のところでグランドスラム初優勝を逃したものの、1大会でビッグ4のうち2人から勝利を挙げ、「ツォンガ旋風」を巻き起こしたことで大きな話題となった。

 また錦織圭(現54位)との対戦も多かったことから、日本でも名の知れたプレーヤーの一人だった。15年全仏オープン準々決勝ではツォンガが3時間50分にも及ぶフルセットの激闘の末に錦織を撃破。試合後には喜びをあらわにしながら足でコートに「ROLAND JE ’AIME」と書き、自身を「T」の文字に見立てて「JE」と「’」の間に大の字で寝そべった。こうしてコート上にできた「ROLAND JE T’AIME(ローランギャロスを愛している)」のサインはテニスファンの間でも印象深い名シーンの1つとして語り継がれている。
  最近は度重なるケガでツアー離脱と復帰を繰り返していたツォンガは、このほど更新した公式SNSで「大きな感動と共に、次の全仏オープンでプロとしてのキャリアを終える決断をしたことを発表します」と報告。そして「僕はたくさんの素晴らしい瞬間と喜びを、僕に多くのことを与えてくれた人々と分かち合ってきました。皆さんと最後に感動を味わえることを願っています。詳しくは(ワイルドカードで出場する)モンテカルロ大会の今週末の記者会見で話します」と綴った。

 また母国フランスでテニスアカデミー「All in Tennis Academy」を運営しているツォンガは、同アカデミーがYouTubeに公開した自身のインタビュー動画も掲載。その中で現役引退を決意した経緯について次のように語った。

「自分の身体がもう成長する力はないと思い知らされている。身体が『もうこれ以上はやれないんだよ』と言っていたんだ。『自分は何をやっているんだろう、なぜこんなふうに自分を痛めつけているんだろう? こんなに苦しむ理由がまだあるのか?』と自分に問いかけていた」

 それでもキャリア最後の大会となる全仏へ向け、「良いプレーがしたい。いつも通りの自分でいられるようにしたい。僕はいつも、自分にできることを成し遂げたいと高い目標を掲げてきた。僕にとっては、それをするための最後のチャンスになる」と意気込みを示したツォンガ。

 輝かしい功績を残してきた彼の引退は非常に寂しい限りだが、母国ファンの前で花道を飾る姿をしっかりと見届けたいものだ。

文●中村光佑

【PHOTO】全仏オープン2021で活躍した男子選手たちの厳選写真集
 

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