ロシア・ベラルーシ選手除外を巡る波紋。ウクライナのコスチュクは「沈黙は殺人の継続につながる」と制裁強化を要求<SMASH>

ロシア・ベラルーシ選手除外を巡る波紋。ウクライナのコスチュクは「沈黙は殺人の継続につながる」と制裁強化を要求<SMASH>

ウクライナのコスチュクは、ロシア・ベラルーシ選手が軍事侵攻を支持する姿勢であれば、全ての大会から締め出すよう要求した。(C)Getty Images

ロシアと同国を支援するベラルーシのウクライナ侵攻はスポーツ界にも大きな影響を与えており、すでに様々な競技で国際大会からの「ロシア・ベラルーシ外し」が加速している。ところがテニス界ではまもなく開催される「ウインブルドン」(6月27日〜7月10日/イギリス・ロンドン/芝/グランドスラム)でロシア・ベラルーシ人選手の除外が正式に発表されたものの、その他のツアー大会では国旗や国名の使用を禁じる代わりに、現在も中立の立場での出場を認めている。

 これを受け、かねてから反戦の意を示すとともに各統括団体が講じてきた措置を痛烈に批判してきた女子テニスのマルタ・コスチュク(ウクライナ/52位)が、現地4月20日に更新した自身の公式ツイッター(@marta_kostyuk)でロシアとベラルーシに対する怒りのメッセージを投稿。

 再び母国ウクライナが悲惨な状況に陥っていることを強調した上で、2国の選手に対して長らく抱いていた違和感を明かした。

「2022年2月24日にロシアはベラルーシの支援の下でウクライナを軍事攻撃しました。今私たちの国では戦争が行なわれていて、全てのウクライナ人は国を離れることを余儀なくされ、人命を守るために戦っています。ロシア軍は50日以上前から我々の都市を爆撃し、市民を殺しています。また、ベラルーシの領土を利用する形で、西と北からウクライナを爆撃しています。数百万人が家を失い、何百万人もの子どもたちが爆発、恐怖、死がどのようなものかを知ってしまいました。それが今ヨーロッパの中心で起きていることです」
 「危機に瀕している時、沈黙は今起こっていることへの同意を意味します。私たちはロシアとベラルーシの選手たちが、ある時点で漠然と戦争に言及しながらも、決してウクライナの領土で戦争を始めたとは明言していないことに気付きました。今まさにこのような状況を選択する人々の沈黙は、我々の祖国での殺人の継続につながるものであり、耐え難いものです」

 その上でコスチュクはATP(男子プロテニス協会)、WTA(女子テニス協会)、ITF(国際テニス連盟)に向けて以下の「3つの質問」を投げかけ、最後には各統括団体へロシア・ベラルーシ人選手をあらゆる国際大会から締め出すよう強く求めた。

1=ロシアとベラルーシがウクライナ領土への軍事攻撃を行ない、その結果それらの国によって戦争が起こることを支持しているのか?
2=ロシアとベラルーシの軍事活動を支持しているのか?
3=プーチンとルカシェンコの独裁政権を支持しているのか?

「これらに当てはまる場合、ウインブルドンがすでに行なったように、ロシアとベラルーシの選手をいかなる国際大会にも参加させないことを要求します」

 そして現在国の予備軍として戦場に赴いている元男子31位のセルゲイ・スタコフスキ氏、女子世界25位のエリーナ・スビトリーナは、自身のSNSでコスチュクのメッセージ画像を公開。スタコフスキ氏は「今こそ立ち上がる時だ」と綴り、スビトリーナはハートやウクライナ国旗を添えて共に賛同の声を上げた。

 ウインブルドンを皮切りに、今後は他の大会でもロシア・ベラルーシ人選手に何らかの制裁を課すこともあり得る。一方でATPやWTAは、ウインブルドンの除外決定を不公平だとして批判しており、立場によって様々な意見が交錯している。本当に一刻も早く平穏な世界が戻ってくることを祈るばかりである。

文●中村光佑

【PHOTO】コスチュクら、全豪オープン2022で活躍した女子選手たち
 

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