「負けることも好き」世界No.1のジョコビッチがプロ選手として活動するモチベーションを語る<SMASH>

「負けることも好き」世界No.1のジョコビッチがプロ選手として活動するモチベーションを語る<SMASH>

まだまだ若手に負ける気はない様子のジョコビッチ。(C)Getty images

現在開催中の男子テニスツアー「セルビア・オープン」(4月18日〜24日/セルビア・ベオグラード/クレーコート/ATP250)に出場している世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、長らく男子テニス界の頂点として活躍を続けるその原動力について明かした。

 現在34歳のジョコビッチは、ランキングトップ20の中でラファエル・ナダル(スペイン/世界4位)に次ぐ2番目の年長選手だ。またトップ100の中で見ると、彼より年上の選手はヒザの故障で離脱中のロジャー・フェデラー(スイス/同42位)など6名。この数字は、プロテニス選手の寿命が増加傾向にあることを示している。事実として、今から10年前の2012年4月のトップ100選手の中には、35歳以上のプレーヤーは一人もいなかった。

 5月には35歳の誕生日を迎えるジョコビッチ自身も、まだまだ現役続行の意思は固い。「年齢は単なる数字でしかないよ」。セルビア・オープン準々決勝で、同郷の後輩であるミオミル・ケツマノビッチを下したジョコビッチは、試合後の会見で記者団にそう語った。

「この10年間で僕の人生は大きく変わり、身体も大きく変化した。だからそれに適応して変化を理解し、経験していることを理解し、物事の実態を把握しないといけない。僕は常にチームを組織化し、戦略を練って計画を立ててきた。そうすることで、適切なタイミングで調子のピークを迎え、若い選手とも渡り合うことができるんだ」

「年齢は単なる数字」―――。いついかなる時にも、憎らしいほどの絶対的強さを見せてきたジョコビッチほど、この言葉に説得力を持たせられる選手は他にいないだろう。
  そんなジョコビッチにとっても今季は今までにない苦境のシーズンとなっている。ワクチン未接種によっていくつかの大会から出場禁止を言い渡された彼は、今大会がまだ今季3戦目。2戦目のモンテカルロ・マスターズは、約2カ月ぶりの公式戦ということもあってか、初戦で世界ランク46位だった22歳のアレハンドロ・ダビドビッチフォキナ(スペイン)に苦杯を喫した。

 会見ではこの敗戦を振り返り、「みんな常に99%の勝利を期待しているけど、それは明らかに不可能なことだよ」と明かしたジョコビッチ。「負けること、調子が出ないこと、そして調子を取り戻すために非常に時間がかかることを受け入れなければならないんだ」と冷静に語った。

 ただ、そういった悔しい敗戦も彼にとっては原動力のひとつのようだ。

「変に聞こえるかもしれないけれど、ビッグマッチで負けて打ちひしがれることも好きなんだ。それは僕が勝つことを、世界のベストプレーヤーと渡り合っていくことを何よりも大切にしているんだと実感できるからね」

 大会準決勝で、第3シードのカレン・ハチャノフ(ロシア/同26位)をフルセットで下したジョコビッチは、現地24日の決勝で第2シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/同8位)と対戦する。地元の大きな声援の下、若手の精鋭にベテランの意地を見せつけることはできるのか注目だ。

構成●スマッシュ編集部

【連続写真】股関節の柔軟性がパワーを生む、ジョコビッチのバックハンド

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