「恨みはない。また全豪に戻りたい」ジョコビッチが退去騒動について心中を吐露。収監中のベッカーへの思いも語る<SMASH>

「恨みはない。また全豪に戻りたい」ジョコビッチが退去騒動について心中を吐露。収監中のベッカーへの思いも語る<SMASH>

記者会見で、再び全豪でプレーしたいと希望を語ったジョコビッチ(右)。恩師ベッカー(左)の収監については「胸が張り裂けそうだ」と嘆いた。(C)Getty Images

現地5月27日に行なわれたテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/5月22日~6月5日/クレーコート/グランドスラム)の男子シングルス3回戦でアリアス・ベデネ(スロベニア/195位)を6-3、6-3、6-2のストレートで下し、同大会13年連続となるベスト16入りを決めた世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。35歳の鉄人が今年1月に新型コロナウイルスのワクチン接種免除をめぐる裁判の結果、オーストラリアからの国外退去を余儀なくされ、世界規模の騒動となったのは記憶に新しい。

 現時点で豪政府はジョコビッチに対し、「今後3年間はオーストラリアへの入国を禁止する」と通告している。その理由として、内務大臣を務めるカレン・アンドリュース氏は「やむを得ない事情がない限り、入国拒否やビザ取り消しとなった人が再びオーストラリアに入国するのは簡単なことでない」と説明していた。

 すなわちジョコビッチは3年にわたって過去9度の優勝を誇る全豪オープン(オーストラリア・メルボルン/ハードコート/グランドスラム)に参戦できないどころか、そもそもオーストラリアに足を踏み入れることさえも許されない見込みなのだ。

 それでも3回戦後の記者会見でオーストラリア入国問題について問われたジョコビッチは、思い出したくもないような苦い経験を味わったにもかかわらず「(オーストラリアに)恨みはない」と回答。「また全豪オープンに出たい」とも考えているそうだ。
 「オーストラリアで政権交代が起こったというニュースを聞いた。僕のビザが復活してオーストラリアに戻れるどうかは何もわからないけど、可能なら戻りたいと思っている。現地まで行って、全豪オープンに出たい。恨みっこなしだ。起きてしまったことは仕方がない。でももしオーストラリアという自分のキャリアの中で最大の成功を収めた場所でプレーする機会があれば、絶対に戻りたい」

 また会見でジョコビッチは、破産宣告をめぐるイギリスでの裁判で実刑判決を受け、現在は同国の刑務所に収監されている元コーチのボリス・ベッカー氏についても言及。2013年から約3年間指導してくれた恩師が監獄の中で過ごさなければならないことへの悲痛な思いを口にした。

「彼がこんな目に遭わなければならないなんて、胸が張り裂けそうだ。僕たちは長年にわたって素晴らしい関係を築いてきたし、ボリスのことを友人であり家族だと思っている。彼はいつも僕や僕の家族に良くしてくれていた。僕たちは特に3年間一緒に仕事をして、素晴らしい成果を上げてきた。契約を解消した後も良好な関係が続いていた。ひどい話で、僕も何と言ったらいいかわからない。僕がよく知っていて、何よりもこのスポーツのレジェンドである人が、このような目に遭うのは悲しいことだ。強く生きていってほしい」

 全仏連覇を狙うジョコビッチは現地29日に予定されている4回戦で第15シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/16位)と対戦する。厳しい相手ではあるが、次戦でも絶対王者の貫禄を見せつけられるか注目だ。

文●中村光佑

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