【雑草プロの世界転戦記1】下部ツアーはこんなところ! コロナを機にヨーロッパに集結した日本選手<SMASH>

【雑草プロの世界転戦記1】下部ツアーはこんなところ! コロナを機にヨーロッパに集結した日本選手<SMASH>

海外の下部ツアーは、テニスコートを持つリゾートホテルが集客の手段として開催することが多い。写真はチュニジアの試合会場(左下は著者の市川誠一郎選手)。写真:本人提供

25歳でテニスを始め、32歳でプロになった市川誠一郎選手は、夢を追って海外のITF大会に挑み続ける。雑草プレーヤーが知られざる下部ツアーの実情を綴る転戦記。

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「下部ツアー」とは、男子でいうとATPツアーやチャレンジャー大会よりも下のカテゴリー、国際テニス連盟が管轄する「ITFツアー」のことです。

 この2年間で、ヨーロッパの下部ツアーを転戦する日本人プロは一気に増えました。同じ大会に20人以上出場していた時もあるほど、ヨーロッパでも日本人選手は大きな集団の一つになっています。その理由は、コロナ禍によりアジアでの国際大会が軒並み中止になったためです。

 アジアの大会がなかなか再開されないなか、ヨーロッパでは早々に再開されていきました。これまで日本人プロの多くはアジアを中心に試合を回っていましたが、これを機にヨーロッパに遠征する選手が急増したのです。

 ヨーロッパの大会は遠くて費用がかかる上に、レベルが高くポイントを取りづらいと考えられていました。しかしコロナ禍でヨーロッパに行かざるを得ない状況になったことで、日本人プロがヨーロッパの選手とプレーする機会が増えました。

 彼らはヨーロッパの様々なスタイルのプレーヤーと戦うことの面白さ、ひいては世界のテニスを知り、選手としての考え方や視野が広がったと思います。「あの人がやれるなら自分も行こう」という選手も続きました。

 また一方で、ヨーロッパに日本人選手の技術の高さを認知させるきっかけにもなりました。
  世界には数か所、毎週のようにITFツアーが開催される場所があります。現状では、チュニジア、トルコ、エジプト、メキシコなどです。

 なぜそこで? と思う国々ばかりですが、これらの開催地の特徴は、ヨーロッパ周辺国のリゾート地ということです。

 こうした大会は、テニスコートを持つリゾートホテルが集客するビジネスとして行なっています。オフィシャルホテルに選手を泊めることでビジネスを成立させているのです。そのため、多くの大会は海辺のビーチがある場所で行なわれています。

 通常ITF大会は1週間で終わり、選手は次の会場に移動する必要がありますが、これらの大会は毎週同じ場所で開催されます。選手は移動なく試合に出続けられますし、行きたいと思った時に必ず大会があります。

 移動費がかからず割安で上がり、特に現地で練習しながら世界で戦う力を付けていくには最適な環境です。

 こうした場所がコロナをきっかけにアジア人選手にも認知されるようになりました。特にコロナ禍では別の国に移動することが困難だったため、これらの大会に選手が殺到するようになったわけです。

文●市川誠一郎

〈PROFILE〉
1984年生まれ。開成高、東大を卒業後ゼロからテニスを始め、32歳でプロ活動スタート。36歳からヨーロッパに移り、各地を放浪しながらITFツアーに挑んでいる。Amebaトップブロガー「夢中に生きる」配信中。ケイズハウス/HCA法律事務所所属。

【PHOTO】雑草プロの世界転戦記・チュニジアのITFツアーはこんなところ!
 

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