【伊達公子】ナイトセッションに女子の試合をもっと入れるべき。一方で選手の負担になる夜の試合には工夫も<SMASH>

【伊達公子】ナイトセッションに女子の試合をもっと入れるべき。一方で選手の負担になる夜の試合には工夫も<SMASH>

「女子テニスには女子なりの面白さがある」と言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

ウインブルドンではデイセッションとナイトセッションを分けていませんが、他のグランドスラムではナイトセッションがあります。観客やテレビの視聴者にとって、平日ならば夜の試合の方が見やすいため、ナイトセッションには、その日の注目試合が入ります。これはツアー大会も同様で、夕方や夜の試合に注目カードが組まれます。

 全仏オープンでは、ナイトセッションの10試合の内、女子の試合が1試合しか入りませんでした。女子テニスには女子なりの面白さがあるので、ナイトセッションに女子の試合もフェアに入れるべきだと思っています。

 例えば、女子のテニスは男子のようなサービス力がないぶん、リターン力が確実に上がっています。サービスを予測し、相手の傾向を読んで、どのように仕掛けていっているのかを見ると面白いですし、そういう考えは一般プレーヤー自身が試合をする時の参考にもなるでしょう。

 全仏オープンのナイトセッションの課題は、8時45分から始まる時間の遅さもあったと思います。ヨーロッパは9時でも明るいですが、開始時間を早めてナイトセッションに1日2試合入れるなどの工夫は必要でしょう。
  大会ディレクターのモーレスモさんに話を聞いた際、2023年にはスザンヌランランにも屋根を付けると言っていたので、ナイトセッションができるコートが2つになります。それをどうコントロールしていくのか。大変になると思います。なぜなら、選手にとってはナイトセッションでプレーするのは負担ではあるのです。

 選手は試合が終わってすぐに寝られるわけではありません。クールダウン、メディア対応、身体のケア、食事をしたりと数時間かかります。ナイトセッションの試合が24時を過ぎて終わった場合、寝られるのは明け方近くになるわけです。

 グランドスラムの場合は、ダブルスに出ていなければ1日空きますが、それでも次の試合がデイセッションだと想定して、調整しなくてはいけません。回復時間が短くしか取れないのは、年齢が上がるほど大きな負担になってきます。

 また、昼と夜では温度や湿度も変わります。でも、ナイトセッションの環境で必ずしも練習ができるわけではないので、対応するのは簡単ではありません。一番プレーしやすいのは、ずっとデイセッションに組まれることなのです。

 しかし、ナイトセッションで試合をするのは、だいたいトップ選手か地元の選手です。調整が難しい気持ちと矛盾しているようですが、大きなスタジアムで満員の観客の前でプレーできるのは、プロテニス選手として魅力的なことでもあります。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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