女子テニスツアーでウクライナ国旗を持った観客に退去命令。大会側は旗のサイズが問題と説明<SMASH>

女子テニスツアーでウクライナ国旗を持った観客に退去命令。大会側は旗のサイズが問題と説明<SMASH>

ウェスタン&サザン・オープンの会場で、ウクライナ国旗所持に関するトラブルが発生。(C)Getty Images

現在行なわれている女子テニスツアー「ウェスタン&サザン・オープン」(8月15日〜21日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート/WTA1000)の予選を観戦していたある女性ファンが、試合会場から追い出されそうになるという事態が発生した。

 事の発端は、現地時間8月14日に行なわれたアンナ・カリンスカヤ(ロシア/69位)とアナスタシア・ポタポワ(ロシア/54位)による女子シングルス予選決勝での一幕だ。ウズベキスタン出身でアメリカ在住の女性ファンがロシア勢対決となったこの試合を観戦中、突如主審から退場を命じられてしまったのだ。

 テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、この女性は大きなウクライナの国旗を会場に持ち込み、その国旗で身体を覆うようにしながら観客席に座っていた。これを見たカリンスカヤかポタポワのどちらかが主審に抗議し、主審が直接その女性に客席から立ち退くように告げたという。

 これに納得がいかなかった女性が主審と口論になり、試合は2度にわたって中断された。その時の様子を捉えた映像はSNS上でも拡散されている。

 試合後に急遽、開催地シンシナティのニュースメディア『Local 12 News』のインタビューに応じた女性は当時の状況をこう説明した。
 「主審から『あなたはロシアの選手を煽っている。いい加減にしなさい。すぐに旗を片付けなさい』と言われたの。私は『旗を片付けない』と言って、彼女たちは1〜2分ほどプレーを続けた。その後再び試合が中断され、警備員が私のところに来て、『出て行かないなら警察を呼ぶ』と言われたわ」

 一方で大会主催側は公式声明を通じて「女性が持ち込んだ国旗が規定のサイズを超えていたために退場を求めた」とのコメントを発表した。実際のところウェスタン&サザン・オープンでは18インチ×18インチ(46cm×46cm)以上の旗やバナーの持ち込みを禁止している。

 女性は「会場を出るように言われてから15分後にその規定を知らされた」と釈明。「車に旗を置いた後、会場に戻ることを許された」と話している。

 主審の「ロシアの選手を煽っている」という言葉は、スポーツ界に多大な影響を与えているロシアのウクライナ侵攻を踏まえたものだと思われる。問題の女性は同国の惨状に心を痛め、ロシア人選手に対して厳しい措置を講じようとしないテニス界の現状に憤りを覚えたのかもしれない。

文●中村光佑

【PHOTO】ポタポワ、カリンスカヤら、コートを彩る華やかな女子プレーヤーたち
 

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