世界王者メドベージェフが男子ツアーで試験導入中のオフコートコーチングについて「役立つのかわからない」<SMASH>

世界王者メドベージェフが男子ツアーで試験導入中のオフコートコーチングについて「役立つのかわからない」<SMASH>

現在男子ツアーで試験導入されているオフコートコーチングだが、世界王者メドベージェフ「役立つのかわからない」と懐疑的だ。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「ウェスタン&サザン・オープン」(8月14日~21日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート/ATP1000)に出場している世界ランク1位のダニール・メドベージェフ(ロシア)が、現在試験的に導入されているオフコートコーチングについて私見を述べた。

 男子では今年の7月11日からトライアルという形で、ツアー大会の予選および本戦における試合中のコーチ席からのコーチングが許可されている。これはコーチが指定された席に座り、「プレーヤーが同じエンドにいること」を前提とした口頭での指示や非言語(ハンドシグナル等)でのコーチングを認めるというものだ。

 同トライアルは11月に開催されるシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」まで行なわれることになっており、年内最後のグランドスラムとなる「全米オープン」(8月29日~9月11日)でも実施される予定だ。

 ただこれまでグランドスラムを含め男子では一切認められていなかったコーチングの効果について、今回のシンシナティでベスト4に進出したメドベージェフは懐疑的な見方を示している。現地8月18日に行なわれたデニス・シャポバロフ(カナダ/21位)との3回戦後の会見で26歳の世界王者は「オフコートコーチングに反対したことはない」としつつも、「試合中のコーチの指示がどのように役に立つのかはわからないよ」と発言。

「テニスの試合ではコーチが外から見た時に『リターンの位置を変えろ』とか、『もっと相手のバックハンドを攻めろ』とか言うような試合は、5試合中1試合あるかないかだと思う」ともコメントした。
  実はコーチング導入を快く思わない選手は非常に多い。現地19日に実施されたシンシナティ準々決勝でメドベージェフにストレートで敗れたテイラー・フリッツ(アメリカ/13位)は、大会期間中の会見で「馬鹿げたルールだ。テニスの大部分はフィジカルと同じくらいメンタルが占める。コート上では自分自身で解決していくことが重要だ」とオフコートコーチングを痛烈に批判。

 また以前にはニック・キリオス(オーストラリア/28位)も「テニスにしかない特徴と美徳を損なうことになる」と主張した上で、「経済的な理由でコーチを雇う余裕のない選手はどうなるのか?」と疑問を呈していた。

 なお今回のコーチングのトライアルについてATP(男子プロテニス協会)は「22年シーズンが終了した段階でトライアルの結果を評価し、来年度以降正式にオフコートコーチングを取り入れるかどうかを判断する」と公表している。

文●中村光佑

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