「足」で打ちにいけ! 最年長ATPランカー、松井俊英が代名詞のサーブ&ボレーを解説【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

「足」で打ちにいけ! 最年長ATPランカー、松井俊英が代名詞のサーブ&ボレーを解説【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

サービスは身体が早く開かないように意識しているという松井選手(3コマ目)。スプリットステップはリターンに応じて行なうため、速いボールだとかなり後方になる(7コマ目)。写真:THE DIGEST写真部

プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は現役最年長ATPランカーである松井俊英選手に、代名詞であるサーブ&ボレーについてたっぷりと自己解説してもらった。

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 僕は15~16歳まで後ろで粘るスタイルでしたが、南米のクレーコーターなどと戦うと太刀打ちできず、サーブ&ボレーを目指すようになりました。だからもう25年以上やってます!

 サーブ&ボレーのサービスは、ステイする場合よりも難しいですね。後ろにいるなら甘くなってもいいですが、ネットに出るサービスが甘くなると一発でやられるので、メンタル的に焦りやすいんです。先走らないようにサービスとボレーをきちんと分け、サービスはサービスでしっかり打つ意識が大切になります。

 焦り気味の時は、トスが前に行き過ぎないように、やや左手前に上げて、少しスピンをかけます。右前方だとスイングを巻き込みやすく、身体が早く開いてしまうからです。この写真のサービスはフラット系で、打点はちょっと右(自分から見て)になっていますが、身体がうまく閉じているのは、左手によるブロックが無意識に効いているからだと思います(写真3コマ目)。
  ネットへの出方で心掛けているのは、急ぎすぎないこと。昔は、1stボレーをなるべく高い打点で打つために、サービス後はすぐにダッシュし、サービスラインぐらいまで詰めるように言われていました。でも最近はリターンのレベルが上がり、返球が速くなっているので、急いで出ると出合い頭になりやすい。だったら、相手やボールの状況を見ながら詰めていった方が、スーパーリターンが来ても落ち着いて対応できます。

 この写真でも全力でダッシュはしておらず、ボールに意識を向けながら出ていっていますね。そしてリターンが速いと判断したので、サービスラインよりもかなり手前で早めにスプリットステップしています(7コマ目)。

 ステップの位置はサービスの球種やリターンによって変わるので、僕はどことは決めていません。一般プレーヤーは必ずこことか、何歩目とか決めがちなので、臨機応変に考えた方がいいでしょう。
  続いて1stボレーですが、これは何といっても準備が大事です。ラケットを手にした右ヒジを身体の前に置いて、ほとんどテイクバックしていないのがいいですね(3コマ目)。そしてコンパクトなラケットセットから、顔と面の位置関係を変えずにボレーしています(4~5コマ目)。

 一般の方はボールを手で捉えに行きがちですが、このように手はあまり動かさず、足で前に行くことで、上体が倒れず、目線を一定に保つことができます。右足にしっかり乗っかって、左足をステップインするのですが、その右足の準備を「リーディングレッグ」と呼び、姿勢を安定させる上で非常に重要です。
  もう1つ意識しているのは左手です。打つ時に左手をクローズドにし、右手に近付けるようにすると、ビシッとボレーできます(5コマ目)。左手が流れるのは“アジの開き”といってNG動作です。そうならないように注意しましょう!

【プロフィール】松井俊英/まついとしひで
1978年4月19日、千葉県生まれ。179cm、77kg、右利き。2000年にプロ転向し、ダイナミックなサーブ&ボレーを武器に今なお現役で活躍。デビスカップ・ATPカップ日本代表、チャレンジャーダブルス9勝などの実績を持つ。シングルスの現役最年長ATPランカーでもある。ASIA PARTNERSHIP FUND所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年6月号より再編集

【PHOTO】松井俊英のサーブ&ボレー『30コマの長回し連続写真』
 

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