【プロの観戦眼23】崩れなくなったキリオスのバックハンドを見よ!~加藤季温<SMASH>

【プロの観戦眼23】崩れなくなったキリオスのバックハンドを見よ!~加藤季温<SMASH>

キリオスの「メンタルとバックハンドが成長しました」と言う加藤季温プロ(右上)。写真:Getty Images、金子拓弥(THE DIGEST写真部)

このシリーズでは、多くのテニスの試合を見ているプロや解説者に、「この選手のここがすごい」という着眼点を教えてもらう。試合観戦をより楽しむためのヒントにしてほしい。

 第23回は、現役引退後にスクールなどを運営し裾野を広げる活動や、企業のブランディングなど様々なビジネスを展開している加藤季温プロ。注目しているのは、最近の活躍が目覚ましいニック・キリオスだ。

 キリオスは以前から才能は高く評価されていたが、メンタルの浮き沈みが激しく結果がともなっていなかった。しかし今年のウインブルドンでは、自身初となるグランドスラム決勝に進出。その1大会だけで終わるのではなく、次に出場したハードコートの大会では見事優勝を果たしている。

 なぜ、これほど急成長したのか。加藤プロは「メンタルとバックハンドが成長しました」と言う。「メンタル面では試合中に切れず、諦めず、我慢できるようになりました」と変化した部分を挙げる。今までは切れることで試合から逃げていた部分があったが、それがなくなったことが結果につながっている。
  技術面での変化はバックハンド。「以前は合わせるだけでしたが、今はボールを引き付けてカウンターでエースも取れるようになりました。加えて、クロスコートへきっちりと返すこともできます。以前なら対戦相手はキリオスのバック側を狙い、そこから崩すことができていましたが、今はそこから崩れません。逆にバックで相手を差し込んで、フォアハンドで決めるというパターンができています」と、驚くほどの成長を見せているという。

「サービスとフォアハンドは一撃でエースが取れるほどのヒット能力がある」ことは、誰もが認めるところ。それに、バックハンドとメンタルの安定が加われば、結果が出るのも当然というところだろう。

 ウインブルドンの活躍だけで終わらずに、結果を出し続けているだけに、我慢ができるメンタルを持続できれば、これからもっと活躍しそうだ。まずは、今日から開幕する楽天オープンでのプレーを期待しよう。

◆Nick Kyrgios/ニック・キリオス(オーストラリア)
1995年4月27日、オーストラリア生まれ。193センチ、85キロ、右利き、両手BH。ポテンシャルが高く大きい舞台が好きで、大物を倒すことが多い。ナダル、フェデラー、ジョコビッチに初対戦で勝利している。悪童と呼ばれ言動が問題視されることも。2022年全豪オープンでは親友のコキナキスと組んで男子ダブルス優勝、ウインブルドンではシングルス準優勝。キャリアハイは13位(2016年10月24日付け)

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

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