国民栄誉賞の車いすテニス国枝慎吾氏が語学、指導者留学で渡米へ「テニスは国際的なスポーツなので...」

国民栄誉賞の車いすテニス国枝慎吾氏が語学、指導者留学で渡米へ「テニスは国際的なスポーツなので...」

米国留学を明かした国枝慎吾さん。写真:北野正樹

車いすテニスの第一人者で、東京2020パラリンピックで金メダルを獲得し、現役引退後、国民栄誉賞を受賞した国枝慎吾さん(39)が、語学と指導者の勉強のため渡米を計画していることが分かった。7月30日に大阪市内で行われたイベント後、国枝さんが明かした。
  イベントは、吉本興業が「エディオンアリーナ大阪」で開催した「YOSHIMOTO SPORTS FESTIVAL 23」。

 子供たちがスポーツと触れ合い「もっとスポーツを好きに」「今後もスポーツを続けたくなる」という気持ちを創り出すきっかけとなり、大人も「健康増進・健康寿命の延伸」を図り、健康寿命が長くなる社会を実現していく狙いで始まったイベント。サッカーやラグビー、バレーボール、バスケット、ハンドボール、体操、陸上、車いすテニス、車いすバスケットなどの教室が開かれ、各教室に約30人の小学生が参加した。

 グランドスラム車いす部門で男子歴代最多となる50回の優勝を誇り、21年東京パラリンピックでも金メダルを獲得し、今年1月に現役を引退。3月に国民栄誉章を受賞した国枝さん。

 お笑いコンビ・ココリコや、マヂカルラブリー、とにかく明るい安村らとのトークショー後、今後の活動について「のんびりと、次の道を探っているところです。語学とコーチングのための留学も含めて考えています」と語った。

 関係者によると、留学先は全米テニス協会のナショナルテニスキャンパスがあるフロリダ州オーランドが有力で、現地視察を済ませており、現在はビザ取得の準備を進めている段階だという。

 国枝さんは「テニスは国際的なスポーツなので、国際的に自分自身の活動の幅を広げるためには英語が必要と考えています。また、指導者の勉強も必要だと思っています」と、留学の狙いを説明。

 トークショーでは、英国の人気公開オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」の決勝に出場した、とにかく明るい安村に「海外で堂々と活躍している姿は胸に響くものがありました。ウルウルして勇気もらえました」と感動したことも明かした。その一方で、「言葉が分からない時は笑顔でごまかすという、勢いが大事です」と強心臓ぶりをほめていたが、英語力の重要性も再認識した様子だった。
  また、トークショーでは「メンタルトレーニングをやっていましたが、心が強いとは一度も思ったことはありません。東京パラの時は『オレは最強だ!』と鏡を見て100回は言いました」といい、「弱気になった時の対処法を知っているだけです」と吐露。
 
 スポーツに挑戦する子供たちには「自分自身、週1回の趣味から始めて世界一になりましたが、まずは楽しむことが何よりも大事。テニスだけではなく、自分が一番、楽しいことをやってほしい」とエールを送った。

 トークショー後には、予定になかった車いすテニスの体験教室に飛び入りで参加。車いすのスラロームを実演したほか、車いすに乗った子供たちとネットを挟んで対戦し「ちょうどいいタイミングで教室があり、自分も参加したかったのでお手伝いをさせていただきました。多くの子供たちに車いすテニスを楽しんでもらえてよかった」と笑顔だった。

文●北野正樹(フリーライター)

【著者プロフィール】
きたの・まさき/2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。
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