さらなる飛躍を狙う綿貫陽介ら“挑戦者”が国内外から集結する男子テニス「横浜慶應チャレンジャー」開幕<SMASH>
2023年11月20日 16時17分THE DIGEST

1年前の慶應チャレンジャーで準優勝した綿貫陽介(写真)は、その後のチャレンジャーで2連勝を達成して躍進の2023年へとつなげた(写真は昨年の同大会参戦時)。写真:THE DIGEST 写真部
11月19日にイタリア・トリノで決勝戦が行なわれた「Nitto ATPファイナルズ」をもって、今季の男子テニスツアーは、文字通りのファイナルを迎えた。
ただ、ツアー定着を目指す挑戦者たちにとっては、ここからが正念場とも言える。「ATPチャレンジャー」は、ATPツアーの下部に属するグレードの大会群。参戦選手は、世界ランキング100位前後から300位前後の選手が中心となる。
100位台の選手にとっては、来年1月の全豪オープン本戦の地位を、そして200位台の選手にとっては、全豪予選出場をかけた戦い。目指す地点の明確さゆえに選手のモチベーションも高く、国内外からもランキング以上の実力と勢いを有するチャレンジャーたちが多く集う。
その筆頭が、綿貫陽介だ。昨年の「横浜慶應チャレンジャー」で準優勝した綿貫は、その後も日本開催のATPチャレンジャー2大会で優勝。11月から年末までのわずかな期間に、ランキングを227位から145位にまで大きくジャンプアップさせた。この一連の快進撃により今年1月の全豪オープン予選に出場した綿貫は、予選を突破し全豪本戦でも2回戦へ。その後はウインブルドン、そして全米でも本戦出場を果たしている。
その躍進の起点でもある昨年の慶應チャレンジャーから、1年――。数々の大舞台を踏破した彼は、世界の98位として、日吉キャンパスへと戻ってきた。
ただいかにランキングを上げようとも、1年後には獲得ポイントが失効してしまうのが、テニスのツアーシステムの過酷さだ。昨年、好結果を残した良い思い出の残る地は、守るべきポイントも多いという現実と表裏。
今季の綿貫は、戦いのステージが上がったため、常に強大な相手に立ち向かってきた。そのチャレンジャー魂こそが、好プレーの源泉でもあっただろう。
それから1年が経ち、今回の「横浜慶應チャレンジャー国際テニストーナメント2023 supported by 三田興産」(11月20日~26日/神奈川県・慶應大学日吉/ハードコート/チャレンジャー75)での彼は、第1シードとして皆から標的とされる地位に立つ。内外から掛かるその重圧を、跳ね除けることができるか? 綿貫にとって、今大会は新たな挑戦の始まりだ。
昨年、綿貫が駆け抜けたその道に続こうと闘志を高ぶらせるのが、清水悠太だろう。現在のランキングは246位。今年7月にキャリア最高位の203位に達し、8月の全米オープン予選に初出場。163センチの小柄な身体でコートを縦横無尽に駆け、ボレーやスマッシュも豪快に叩き込むスリリングなプレーで、ニューヨークの観衆を沸かせた。
その高揚感を再び味わうためにも、今大会の清水は、全豪オープン予選出場圏内を目指す。ただ本人は、「いつもこの時期は、調子が良くないんです」と少しばかりまつげを伏せた。清水のコーチ陣曰く、地元日本での戦いが続くこの時期には、応援してくれる人たちに良いプレーを見せたいとの思いが高まる。その強い思い入れが、どこかで自分を縛ってしまうとういうのだ。
ただ今の清水は、その先に、いかに素晴らしい世界が開けているかを知る。テニス選手なら誰もが夢見る舞台に再び戻るためにも、この大会で結果を残したい気持ちは誰よりも強いだろう。
そのほかの日本勢では、ワイルドカードを得て出場の坂本怜も注目すべき選手。現在17歳。米国のIMGテニスアカデミーで腕を磨く、期待の大型新人だ。190センチを越える長身に、泰然自若としたキャラクターは大物感十分。プレースタイルは、本人曰く「意外にシコれる(粘り強い)のが坂本怜」だが、最近はサービスから重圧を掛けネットに出るなど、攻撃的スタイルを標榜中だ。まだフィジカル不足は否めないが、上位勢相手に自信や勢いをつければ、台風の目となるかもしれない。
大会全体に目を向ければ、ジュニア時代から将来を嘱望されたマイケル・モーや、イタリア次世代の一角を担う20歳のルカ・ナルディ、そして昨年43位に至った22歳の日系アメリカ人のブランドン・ナカシマら、近い未来のスター候補が名を連ねる。シーズン終盤のこの時期に、北米や欧州から海を渡り日本で戦う者たちのモチベーションの高さは、想像に難くない。
各々のキャリアの異なる地点に立つ者たちが、目に映すターゲットは様々。ただ一つ共通するのは、全ての選手が目の色を変えて勝利をつかみに行く、チャレンジャーだということだ。
取材・文●内田暁
※なお、同大会のシングルス準決勝と決勝が「BS松竹東急」で放送されることが決定。
これを記念して今大会にエントリ―している綿貫陽介選手のサイン入り大会Tシャツほかをプレゼント。
【プレゼント応募フォーム】
慶應チャレンジャー放送予定
【男子シングルス】
■準決勝 11/25(土)夜9時~11時(ディレイ放送)
■決勝生中継 11/26(日)午前11時59分~14時(最大延長15時)
※「BS松竹東急」(BS260ch/無料放送)
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ただ、ツアー定着を目指す挑戦者たちにとっては、ここからが正念場とも言える。「ATPチャレンジャー」は、ATPツアーの下部に属するグレードの大会群。参戦選手は、世界ランキング100位前後から300位前後の選手が中心となる。
100位台の選手にとっては、来年1月の全豪オープン本戦の地位を、そして200位台の選手にとっては、全豪予選出場をかけた戦い。目指す地点の明確さゆえに選手のモチベーションも高く、国内外からもランキング以上の実力と勢いを有するチャレンジャーたちが多く集う。
その筆頭が、綿貫陽介だ。昨年の「横浜慶應チャレンジャー」で準優勝した綿貫は、その後も日本開催のATPチャレンジャー2大会で優勝。11月から年末までのわずかな期間に、ランキングを227位から145位にまで大きくジャンプアップさせた。この一連の快進撃により今年1月の全豪オープン予選に出場した綿貫は、予選を突破し全豪本戦でも2回戦へ。その後はウインブルドン、そして全米でも本戦出場を果たしている。
その躍進の起点でもある昨年の慶應チャレンジャーから、1年――。数々の大舞台を踏破した彼は、世界の98位として、日吉キャンパスへと戻ってきた。
ただいかにランキングを上げようとも、1年後には獲得ポイントが失効してしまうのが、テニスのツアーシステムの過酷さだ。昨年、好結果を残した良い思い出の残る地は、守るべきポイントも多いという現実と表裏。
今季の綿貫は、戦いのステージが上がったため、常に強大な相手に立ち向かってきた。そのチャレンジャー魂こそが、好プレーの源泉でもあっただろう。
それから1年が経ち、今回の「横浜慶應チャレンジャー国際テニストーナメント2023 supported by 三田興産」(11月20日~26日/神奈川県・慶應大学日吉/ハードコート/チャレンジャー75)での彼は、第1シードとして皆から標的とされる地位に立つ。内外から掛かるその重圧を、跳ね除けることができるか? 綿貫にとって、今大会は新たな挑戦の始まりだ。
昨年、綿貫が駆け抜けたその道に続こうと闘志を高ぶらせるのが、清水悠太だろう。現在のランキングは246位。今年7月にキャリア最高位の203位に達し、8月の全米オープン予選に初出場。163センチの小柄な身体でコートを縦横無尽に駆け、ボレーやスマッシュも豪快に叩き込むスリリングなプレーで、ニューヨークの観衆を沸かせた。
その高揚感を再び味わうためにも、今大会の清水は、全豪オープン予選出場圏内を目指す。ただ本人は、「いつもこの時期は、調子が良くないんです」と少しばかりまつげを伏せた。清水のコーチ陣曰く、地元日本での戦いが続くこの時期には、応援してくれる人たちに良いプレーを見せたいとの思いが高まる。その強い思い入れが、どこかで自分を縛ってしまうとういうのだ。
ただ今の清水は、その先に、いかに素晴らしい世界が開けているかを知る。テニス選手なら誰もが夢見る舞台に再び戻るためにも、この大会で結果を残したい気持ちは誰よりも強いだろう。
そのほかの日本勢では、ワイルドカードを得て出場の坂本怜も注目すべき選手。現在17歳。米国のIMGテニスアカデミーで腕を磨く、期待の大型新人だ。190センチを越える長身に、泰然自若としたキャラクターは大物感十分。プレースタイルは、本人曰く「意外にシコれる(粘り強い)のが坂本怜」だが、最近はサービスから重圧を掛けネットに出るなど、攻撃的スタイルを標榜中だ。まだフィジカル不足は否めないが、上位勢相手に自信や勢いをつければ、台風の目となるかもしれない。
大会全体に目を向ければ、ジュニア時代から将来を嘱望されたマイケル・モーや、イタリア次世代の一角を担う20歳のルカ・ナルディ、そして昨年43位に至った22歳の日系アメリカ人のブランドン・ナカシマら、近い未来のスター候補が名を連ねる。シーズン終盤のこの時期に、北米や欧州から海を渡り日本で戦う者たちのモチベーションの高さは、想像に難くない。
各々のキャリアの異なる地点に立つ者たちが、目に映すターゲットは様々。ただ一つ共通するのは、全ての選手が目の色を変えて勝利をつかみに行く、チャレンジャーだということだ。
取材・文●内田暁
※なお、同大会のシングルス準決勝と決勝が「BS松竹東急」で放送されることが決定。
これを記念して今大会にエントリ―している綿貫陽介選手のサイン入り大会Tシャツほかをプレゼント。
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慶應チャレンジャー放送予定
【男子シングルス】
■準決勝 11/25(土)夜9時~11時(ディレイ放送)
■決勝生中継 11/26(日)午前11時59分~14時(最大延長15時)
※「BS松竹東急」(BS260ch/無料放送)
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