【テニスギア講座】テニスボールの寿命はどのくらい? 封を開けたら使わなくても使えなくなる!

【テニスギア講座】テニスボールの寿命はどのくらい? 封を開けたら使わなくても使えなくなる!

プロの試合では数ゲームごとに交換されるほど、ボールの消耗は激しい。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

テニスボールには大別して2種類あります。一般的に試合などで使われる「プレッシャーライズドボール」と、主に練習用とされる「プレッシャーレスボール」です。ここでは広く浸透している前者に絞ってお話しします。

 プレッシャーライズドボールは、内部に約1.8気圧の窒素系ガスが封じ込められており、それとゴム球自体の弾力性が合わさって、反発力を生みます。金属製の缶か、ペットボトルに密封されて販売されていますが、その理由は、ボール内の気圧を保つために、ボールの外からもほぼ同じ気圧をかけることにあります。簡単に言えば「ボールの空気が抜けないようにするため」です。

 テニスボールの寿命には2つの要素が関わっており、1つはこの「ボール内圧の低下」です。これは缶の封を開けた瞬間から始まります。つまり、たとえ見た目は新品でも、封を開けてからずっと使わずに置いておいたボールは、もう劣化しているということです。

 また、実は高気圧で密閉された缶の中の空気も、時間の経過とともに少しずつ抜けていきますから、「缶さえ開けなければいつまでも使える」ということではありません。缶詰食品にも消費期限があるように、缶入りボールにも寿命があると思ってください。
  寿命を左右するもう1つの要素は「表面のメルトンの摩耗」です。テニスボールは、ゴム製のコアボールの表面にフェルトを張った構造になっており、そのフェルトを「メルトン」と呼びます。素材は種類によって違いますが、ウールやナイロン、コットン、ポリエステルなどで作られていて、ボールの性能を維持する上で合理的に機能するものなのです。

 メルトンは、1打ごとに表面の繊維がちぎれ飛びます。これが摩耗の原因ですが、もしも繊維がちぎれ飛ばない強靭なものだったら、ボールは毛羽立ってボワボワになり、肥大化したボールは空気抵抗が増大。飛びが遅くなり、打感も悪くなってしまうのです。

 ですから、あれはちぎれるべくしてちぎれるわけです。ただそれにも限界があり、ちぎれすぎて表面がツルツルになってしまったボールは、打球感も打球音も悪く、スピンもかからず、真っすぐ飛びにくくなります。

 問題は、どの状態で見切りをつけるかですが、「1日プレーしたら捨てて帰る!」という人もいれば、「3カ月は使うぞ!」という人もいます。ですから人それぞれなのですが、「最近、ボールの飛びが悪いな」と感じたら、ラケットよりもストリングよりも、まずボールの交換を検討してみてください。

文●松尾高司(KAI project)

※『スマッシュ』2015年10月号より抜粋・再編集

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