自分のフォアと相手のバックのクロスラリーからのパターン【西岡良仁が自ら語る、戦略・パターン/2】

自分のフォアと相手のバックのクロスラリーからのパターン【西岡良仁が自ら語る、戦略・パターン/2】

西岡良仁がよくあるクロスラリーからの展開を教えてくれた。写真:THE DIGEST写真部

現在、自己最高ランキング48位につけ、錦織圭に次ぐ堂々の日本ナンバー2の西岡良仁。170センチの小柄な西岡は、人一倍考えてテニスをしている。どんなことを考えて試合を展開しているのか。戦略と得意なパターンについて教えてもらった。

 2回目からはパターンについて。自分のフォアと相手のバックのクロスラリーから、ポイントを取る方法を話してくれた。

「左利きを生かしたパターンです。僕がフォアでクロスに打つと、相手にとってはバックになります。僕のフォアはスピン系で軌道が高いので、相手は高い打点で捉えることになります。このフォアのクロスを正確に打ち続けることができれば、相手はかなり苦しくなります。早いタイミングで捉えられる人や、バックの高い打点からアングルを狙える人には効果的ではありませんが、それを簡単にできる人はあまりいないと思います」(※写真コート図の1)
  クロスラリーで優位に立った後の展開は、2通り考えている。

「相手がストレートに展開してきたら、バックは得意なので、コート内に入ってクロスへ(※写真コート図の2)。相手のボールが浅くなったらフォアでストレートに展開します(※写真コート図の2´)。最近はフォアでも早いタイミングで打てるようになってきたので、浅くなったらパッと入れるようになりました。そのため、このラリーに持ち込めたら、ポイントが取れる確率が高くなっています」

 クロスラリーでの注意点は、スピンをかけて相手に高い打点で打たせること。(※写真コート図のPOINT1)

「クロスラリーでは基本的に軌道を高くしています。相手にとってはバックの高い場所は打ちづらいので、そこからエースはなかなか取れません。逆にこのラリーで軌道の低いフラット系を多用すると、相手は腰の付近でボールを捉えられるので打ちやすくなってしまいます。自分に置き換えて考えても、腰付近のボールなら力が入りますが、ずっとバックの高い打点で打たされるとキツイです」

「左利きにとっては、一番安心してラリーができる場所ですね。クロスなのでダウンザラインよりもミスの確率が低いですし、スピンもかけるので安定します。自分が7、8割の力で打てて、相手をキツイ状況に追い込めるお薦めのパターンです」
  試合を通して、このパターンを成功させる秘訣は、時々ストレートにも打ち相手を動かして疲れさせること。(※写真コート図のPOINT2)

「クロスラリーだけでなく、ストレートも時々ミックスしています。コートの端から端まで走らせることになるので、相手のポジションはどんどん下がり、コート内に入れなくなりますし、ハードヒットも困難です。この段階で、すでに長いラリーが成立しているので、僕のペースのポイントになっています」
 「クロスラリーと言っても、選手はずっとクロスを打つ場所にいるわけではありません。毎回センター付近まで戻っています。ロングラリーになるとその移動の蓄積が疲労となり、試合序盤は入っていた相手のボールも後半には徐々に入らなくなります」

 フットワークと体力に自信がある西岡ならではのポイントパターン。スタミナに自信のある選手は挑戦してみるといいだろう。

【プロフィール】
西岡良仁 Yoshihito Nishioka(ミキハウス)
1995年9月27日三重県生まれ。170センチ、64キロ左利き。4歳からテニスを始める。2011年に盛田正明テニスファンドのサポートでIMGアカデミーに留学。13年にフューチャーズ優勝、14年にチャレンジャー優勝と順調に成長。高田充コーチとツアーを転戦し17年3月20日に58位をマーク。直後に故障しツアーを離脱。リハビリ中はYouTube(Yoshi’sチャンネル)など様々なことに挑戦。復帰後ツアー初優勝を果たした。2020年2月4日に自己最高48位にランクイン。父親はテニスコーチでスクールを運営、兄もテニスコーチ。

構成●スマッシュ編集部、取材協力●HEAT JAPAN
※スマッシュ2016年4月号から抜粋・再編集

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