女子テニス史上、例を見ない破壊力! これがゴールデンスラマー、グラフのフォアハンドだ!【レジェンドFILE13】

女子テニス史上、例を見ない破壊力! これがゴールデンスラマー、グラフのフォアハンドだ!【レジェンドFILE13】

グラフは一撃必殺のフォアを武器に、長く女王の座に君臨した。写真:スマッシュ写真部

1980年代終盤、エバート&ナブラチロワ時代に終止符を打ち、ステフィ・グラフが女王の座に就いた。84年のロサンゼルス・オリンピックの金メダルを獲得した時の彼女は15歳。いずれは世界の女王になることがわかっていたとはいえ、その戦績は恐ろしいほどである。

 当然のように88年のソウル・オリンピックでも金メダルを獲得し、全盛期には負けるのは年間に数試合だけ。優勝したことではなく、敗戦したことがニュースになる希有な選手だった。

 彼女の最大の武器は、空前絶後の破壊力を持つフォアハンド。従来のテニスの基本では、ジャンプして打つのはタブーとされていたが、グラフはその常識を覆した。分解写真を見てほしい。足のキックを運動連鎖の初期動作とすることで、腕をより鋭く振り出し、ボールを厚く叩くことを可能にしたのだ。
  また、グラフはこの細かなステップにより、フォアに回り込んで逆クロスに叩くという戦術も取り入れ、相手選手のバックを容赦なく攻撃した。以降、グラフの強打をどう封じるかが女子テニスのテーマとなる。

 今、グラフのフォームを見返してみると、グリップ自体は厚くない。前に入り、早めのタイミングで、高い打点からフラット系のボールを打ち出す――それは現代の最新の攻撃テニスと共通する部分だ。彼女は時代の先を行くテニスをしていたのだと気付かされる。

【プロフィール】スフティ・グラフ/Steffi Graf(GER)
1969年生まれ。WTAランキング最高位1位(87年8月)。グランドスラム通算22勝(AUS:88〜90・94年、RG:87・88・93・95・96・99年、WIM:88・89・91〜93・95・96年、US:88・89・93・95・96年)。80〜90年代にわたり、幾多の偉業を成し遂げた女子テニス界のレジェンド。強烈なフォアハンドと鋭く滑るバックハンドスライスを武器に、オープン化以降2位となるGS22勝を挙げた。男女を通じて史上唯一の年間ゴールデンスラマー(五輪とGS全制覇)で、No.1在位377週は史上1位。引退後は男子テニスのレジェンド、アガシと結婚した。

編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部

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