得意のバックハンドを生かしてラリー。浅くなったら3つのオプションを考えておく【西岡良仁が自ら語る、戦略・パターン/4】

得意のバックハンドを生かしてラリー。浅くなったら3つのオプションを考えておく【西岡良仁が自ら語る、戦略・パターン/4】

西岡良仁がクロスラリーからのパターンを教えてくれた。写真:THE DIGEST写真部

現在、自己最高ランキング48位につけ、錦織圭に次ぐ堂々の日本ナンバー2の西岡良仁。170センチの小柄な西岡は、人一倍考えてテニスをしている。どんなことを考えて試合を展開しているのか。戦略と得意なパターンについて教えてもらった。

 最後となる4回目は、左利きの西岡が得意なバックハンドのラリーからのポイントパターンについてだ。

「僕はバックが得意なので、相手のフォアとのクロスラリーも苦にはなりません。フォアと違ってバックはフラット系です。クロスラリーでは、あまり深くは狙わず、少し浅めの丸の部分に打っています(※写真コート図の赤部分)。バックは確率良くここに打てるんです。調子が良い時は ほとんどミスしません」

「僕のバックが浅めなので、相手は少し動きながらちょっと角度を付けて返球してくる場合が多いです。そのショットが来ると、僕はバックで、ダウンザライン(※写真コート図の2)、アングル(※写真コート図の2´)、ドロップショット(※写真コート図の2”)を打つことができるので、ラリーの主導権を握れます。フォアよりもバックの展開の方が好きなので、自信を持っているパターンです。相手が返球してきても、相手を動かすか、自分がフォアのクロスラリーを展開(※以前紹介したパターン1)すれば、結果的に長いラリーになります」
  相手のボールが短くなったら、前述した3つのオプションから選ぶが、最も多く使うのはダウンザライン。もちろん、その後の展開も考えている。

「バックは得意なので、クロスラリーを長く続けることなく自分から前に入って展開していくことができます。その際、相手の状況によって打つショットを前述した3つの中から選択していきます。基本的にはダウンザラインが多いですね。ダウンザラインに打った後は、相手が走って返球してきますから、次の手はストレートに打ってまた相手を走らせること。または、フォアでクロスに打って、相手にバックの高い打点で取らせるようにすることです。このラリーを続けていると、相手はだんだん疲れてきます」(※写真コート図のPOINT1)
  ダウンザラインに打つ時の注意点は「エースを狙わない」こと。

「相手にもよりますが基本的に僕はエースを狙っていません。やはりダウンザラインなのでリスクはあります。それに、最近はみんな動きが良く大体取られるので、リスクを負ってまでギリギリの場所を狙ってエースを取ろうとはしません。それよりも次の展開に持って行くための1本だと考えています。僕の場合、相手を走らせてロングラリーになれば十分勝機はあるので、安全な場所(※写真コート図の赤い場所)に打っています」(※写真コート図のPOINT3)
  このパターンを成功させるには、先手を取ることが重要のようだ。

「クロスラリーをする時、相手は僕の身長を考えて高めに打ってきたりします。僕はバックだと合わせるのも得意なので、 そのボールは結構返球できるんです。すると相手は深い所に打ち始めます(※写真コート図の黄色い三角部分)。ここに来ると結構厳しくて、自然とアングル気味になるので、相手にダウンザラインを打たれやすくなります」(※写真コート図のPOINT2)

「僕が意識していることは、相手に黄色い部分に打たれるよりも先に、前に入って自分か ら展開すること。バックに関してはコーチからもよく「(前への)入りがいい」と言われるので、先手を取るように心掛けています」

 西岡良仁による戦略・パターン紹介は今回で最終回。どれほど考えて試合を進めているかわかってもらえただろうか。まず、ポイントを取れる戦略があり、それを実行できるような組み立てを考えていく。強みを生かして、自分のポイントパターンを作っていこう。

【プロフィール】
西岡良仁 Yoshihito Nishioka(ミキハウス)
1995年9月27日三重県生まれ。170センチ、64キロ左利き。4歳からテニスを始める。2011年に盛田正明テニスファンドのサポートでIMGアカデミーに留学。13年にフューチャーズ優勝、14年にチャレンジャー優勝と順調に成長。高田充コーチとツアーを転戦し17年3月20日に58位をマーク。直後に故障しツアーを離脱。リハビリ中はYouTube(Yoshi’sチャンネル)など様々なことに挑戦。復帰後ツアー初優勝を果たした。2020年2月4日に自己最高48位にランクイン。父親はテニスコーチでスクールを運営、兄もテニスコーチ。

構成●スマッシュ編集部、取材協力●HEAT JAPAN
※スマッシュ2016年4月号から抜粋・再編集

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