「後ろを振り返るのではなく前を見る」グランドスラム19勝の鉄人ナダルが放つプライベートでも役立つ言葉【海外テニス】

「後ろを振り返るのではなく前を見る」グランドスラム19勝の鉄人ナダルが放つプライベートでも役立つ言葉【海外テニス】

闘争心あふれるプレーで数々の栄冠を勝ち取ったナダル。その言葉からはテニス以外のシーンでも役立つエッセンスが含まれている。(C)Getty Images

テニス界で長きにわたりトップランキングを維持する選手たち。そんな彼らが発する言葉には、テニスの上達はもちろんだが、仕事やプライベートでも役立つヒントが隠されている。

 ラファエル・ナダル(スペイン)。どんな窮地に陥ろうとも決して諦めずに戦い抜き、最後はその手に勝利を引き寄せる男だ。世界4大大会(グランドラム)優勝は実に19回。33歳を迎えてより強さを増した印象さえ抱かせる“クレーコート・キング”は、なぜ長きにわたりテニス界のトップシーンで輝き続けられるのか。その理由をナダルの言葉から考えてみよう。

「僕の能力や試合内容が劣っていたからでなく、しっかりと考えていなかったために負けた…、ロジャーに負けたのではなく、自分に負けたのだ」

 この言葉は、2007年のウインブルドン決勝でロジャー・フェデラーに敗れた後の言葉である。この試合は第5セットにもつれ込む大接戦だったが、試合後、更衣室で30分間泣き続けるほどナダルの落ち込みは大きかった。しかし、この試合の教訓として、

「たとえどんな苦境に立たされても頭だけは冷静に保とうと心に決めた」

 と彼は決意を新たにした。
  では、ナダルはゲーム中にどんなことを考えているのか?
 
「最初のゲームで彼のサービスをブレークしようなんて思わなくていい。第2ゲームでサービスをキープすることに集中しろ」

 この言葉は、翌2008年、再びウインブルドン決勝でフェデラーと対戦したナダルが、第4セットを落としてファイナルセットを迎えた時の言葉。セットを落とした原因がダブルフォールトだったので、

「ダブルフォールトは終わったことだから忘れた。我慢とは受け入れることだ。物事を思い通りにしようとせず、あるがままに受け入れる。そして、後ろを振り返るのではなく、前を見る。つまり、自分の置かれている状況を把握し、冷静に考えることだ」

 とも考えていた。そして遂にナダルはフェデラーを破って初ウインブルドン優勝を遂げ、さらには翌09年の全豪オープン、10年には全米オープンを制覇し、キャリアグランドスラムを達成することになる。
  テニスの試合に勝つためには、考えることが重要だが、そのためには自分の冷静さを保つ必要もある。ナダルはそのことについてこう語っている。

「テニスは瞬時に多くの情報を処理しなければならないゲームだから、勝つために相手よりよく考えなければならず、理路整然と考えるためには、冷静さを保たなければいけない」
  そして、テニスで必要な思考として、

「プレーの仕方をよく知っているというのは、ボールをうまく打てるだけでなく、いつドロップショットを打ち、いつハードヒットし、いつロブを上げ、いつ深いボールを打つかを的確に判断し、バックスピンやトップスピンやフラットをうまく使い分け、狙いを定めて打てることだ」

 と語る。誰でも試合になればゲームプランを考えるはず。しかし、それを徹底しているかどうかと問われれば、自信のない人が多いと思う。ぜひ、“頭に汗をかくテニス”に挑戦してほしい。

文●中山和義

※『スマッシュ』2018年8月号より再編集・再掲載

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