本当に好きなのかわからなくなったら、辞めるという選択肢もある【テニスメンタルアドバイス8】

本当に好きなのかわからなくなったら、辞めるという選択肢もある【テニスメンタルアドバイス8】

自らの経験からアドバイスしてくれた吉備雄也。写真:THE DIGEST写真部

「何となく続けているだけ」、なんてことはないだろうか? そんな時に結果が出ないと、気持ちも前向きにならない。でも、辞めるほど強い意志があるわけでもない。そんな状況に陥ったら、どうするといいのだろうか? 

 経験者の吉備雄也は「極端な意見ですが、一回辞めてもいいと思います」と大胆なことを言う。しかし、それには理由があるのだ。

「実際、僕は1回引退しています(笑)。僕の場合は親も厳しく、中学、高校(柳川)、大学(早稲田)とテニスが厳しいところで、ちょっとやらされていた感じがあったかな。ケガや他の問題もあって試合に勝てなくなり、テニスが心の底から好きかどうかわからないと思ったので、引退を決めました」

 テニスの才能にも体格にも恵まれた吉備だったが、周囲の期待ほどの結果を出すことなく、1回目の引退を決意した。その後のことを振り返る。「辞めた後も、気付いたらテニスの情報や試合を見ていたので、テニス自体は好きなんだなと思いました。少し太ってきて身体を動かし始めると、気付いたらテニスの素振りをしている(笑)。そこで、やらされていたのではなく、やっぱり好きだったんだと自覚して、再開しました」
 「好き」ということを自覚した後の吉備は、どんどん強くなっていく。「まず、テニスの取り組み自体がまったく変わりました。やらされていると感じている時は、自分で考えることをしません。でも、テニスが好きだからやりたいと思ってからは、もっとこう打った方がいいかとか、テニスを研究するようになりました」。気持ち次第で、行動まで変わってくる良い例である。

「自分からやるか、やらされているかで、その後の伸びは大きく変わってくると思います。だから、もやもやした状態でやっている期間はもったいない。ジュニアの場合ならまだ若いですし、本当にテニスが好きかわからなくなったのであれば、1回辞めて気持ちをはっきりさせて、自分が戻りたいと思えば戻ればいいし、例えば他のスポーツがすごく楽しくなったのなら、その世界でやってもいいと思います」

『好きこそ物の上手なれ』ということわざ通りである。「好き」という気持ちがあるからこそ、早く上達するし、強くなれるのだ。実際吉備は、復活後に目標としていたグランドスラム予選出場を果たしている。1度辞めて見つめ直す時間が必要だと感じたら、それも間違いではない。

構成●スマッシュ編集部、取材協力●HEAT JAPAN
※スマッシュ2017年4月号から抜粋・再編集

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