19歳とは思えない行動力を発揮するヤストレムスカ。新型コロナウイルスの感染予防をまとめたアニメを制作【女子テニス】

19歳とは思えない行動力を発揮するヤストレムスカ。新型コロナウイルスの感染予防をまとめたアニメを制作【女子テニス】

すでに3タイトルを獲得しているウクライナの新星、ヤストレムスカ。自身の基金も設立しており社会貢献に積極的だ。(C)Getty Images

実力、人気ともに上昇中の若手テニスプレーヤーのダヤナ・ヤストレムスカが、新型コロナウイルスに立ち向かう世界に向け、感染予防策をまとめたPSA(公共広告)としてのアニメーション動画を公表した。

 世界ランキング25位のヤストレムスカは、来月の誕生日で20歳になるウクライナの期待の星だ。5歳からテニスを始め、2018年全米オープンでグランドスラム本戦初出場を果たし、WTAツアーのタイトルをすでに3つ獲得している。その彼女が、今オフコートで最大の敵である新型コロナウイルスを倒すために、様々な活動を行なっている。そのひとつが今回のアニメーション動画である。

 60秒のこのPSA(公共広告)動画は、新型コロナウイルスに立ち向かうヤストレムスカ本人がヒロインになり視聴者へ向け、「できるだけ在宅」で、「手洗いの徹底」、そして「高齢者やウイルスに最もぜい弱な人たちのお世話をする時は、絶対に社会的距離を保つ事」と伝えている。我々も各メディア始め世間のあちこちで毎日メッセージを受けているが、彼女の動画はシンプルだが強いインパクトで効果的に訴求している。

「アニメにしたのは名案でした。子どもから大人まで全ての世代に、全体のコンセプトを明確にわかりやすく伝えられますから」と、ヤストレムスカはWTAのサイトでアニメ制作の理由を語っている。「声はウクライナの俳優が吹き替えています。8日で完成させました。適切に伝えるためにも迅速に作業しました。このウイルスの危険性を理解する必要が急務なのです」
  18歳の誕生日のプレゼントに受け取った彼女を描いた漫画に触発され、今回アニメ動画を制作したヤストレムスカは、「チームで作成しました。アニメーターが彼のイメージを提示してくれるまで私が実際に自分自身を描いていました。彼のイメージの方が間違いなかったわ。私は脚本家向きみたい。ひらめきはあるし、それが楽しいの。新進の劇作家だと思うわ。優秀な脚本家になれるとまで思っています」と自身も制作に加わっていることを明らかにしている。

 10代らしい瑞々しい感性を感じさせる彼女だが、社会貢献へ活動とその実行力は素晴らしい。すでに、ウクライナ議会のアレクサンドル・ゴレヌーク議員と自らの名を冠した慈善基金が協力し新型コロナ感染蔓延の封じ込めについての情報を発信している。また慈善基金のリソースを利用し、彼女の街で必要としている人々に食物を届ける手助けをしている。
  彼女がこの様な社会貢献活動を活発に行なうきっかけになったのは、2019年全豪オープン期間中に母親が交通事故で左目を負傷したことだった。その時に目が見えない子どもたちが1回手術をすることで見えるようになることを知り、視力回復手術をサポートできる基金を立ち上げることを決めたのだ。

 この母親の交通事故では彼女の優しさと同時に、しなやかな強さも見せた。いつもツアーに帯同してくれる母親が入院している中、彼女はホアヒンの大会に出場。母親を心配する気持ちが強く大会に集中できない中で決勝まで進出するも、決勝のファイナルで2−5まで追い込まれた。

 その時に、「母は今、病院で治療を受けている。自分は今、コートですべきことをする。彼女にトロフィーを持ち帰る」と気持ちを切り替え、逆転で自身2つ目のツアータイトルを獲得している。
  WTAのビデオエッセイで、彼女は家族、子供時代、テニスのキャリア、今後の目標を語っている。「子どもの頃からテニス、水泳、ダンス、体操、歌などしていましたが、有り余るエネルギーを消化できるものが好きでした」とテニスを選んだことを告白。彼女の両親も、彼女の溢れるエネルギーを発散させるために様々な挑戦を応援し、彼女の成長を大きく支えた。

 ヤストレムスカは、両親はもちろん祖父母たち、プロテニス選手を目指す妹がいる彼女の家族とできるだけ多くの時間を過ごすようにしている。「今の目標は、コートでもコート外でも完璧な自分になり、トップ20を獲得してグランドスラムを勝ち取ること!」と言う。「夢は、自分の人生で幸せになることです」。情熱的で行動力があり、家族が力強くサポートしている彼女の快進撃はまだまだ続くどころか、これからなのかもしれない。

文●東真奈美

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