「なにもかも悲観的に思え…」2010年には引退を考えたというジョコビッチが、当時の心境を明かす

「なにもかも悲観的に思え…」2010年には引退を考えたというジョコビッチが、当時の心境を明かす

今年の全豪で17勝目のグランドスラムタイトルを獲得したジョコビッチが、意外な過去を語った。(C)Getty Images

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、現在はツアー中断中のテニス。男子世界1位のノバク・ジョコビッチが、イタリアの衛星放送『スカイ・スポーツ』のインタビュー企画で驚きの告白をして話題になっている。

 家族とともに滞在中のスペインの自宅から生配信で出演したジョコビッチは、、「メンタル的に少し無気力になっていて困惑もしていた」とロックダウン当初の心境をコメント。現在は落ち着きを取り戻し、毎日のトレーニングは欠かさずに続けていると言う。

 話題は、2連覇で5度目の優勝を飾った昨シーズンのウインブルドン選手権へ。ジョコビッチは、2度のマッチポイントを握られながらフルセットで制したロジャー・フェデラーとの決勝について、「あの試合は、自分にとって6時間に及んだ2012年全豪オープン決勝のナダル戦と並ぶベストマッチだ」とコメントした。

「技術面ではロジャーが上回っていた。最初から最後のポイントまでロジャーのクオリティはベストだった。僕は大事な場面で良いプレーをしたと思う。3度のタイブレークで1ショットもミスをしなかったからね。最高のパフォーマンスができた試合だよ。あのような試合を経験できるのは、キャリアを通じて1度か2度だけなんだ。栄誉ある大舞台、ウインブルドンのセンターコートでの決勝、そこでロジャーのような最高に素晴らしい選手と対戦できたことに感謝している」と名勝負を振り返った。
  メンタルの強さに定評があるジョコビッチ。だが、順調に見えるキャリアの中で忘れられない試合があると言い、驚きの告白をしている。「2010年全仏オープン準々決勝でユルゲン・メルツァーに敗れた時は、精神的に厳しいものがあった。かなり泣いたんだ」と言う。第3シードで出場していたジョコビッチは第22シードのメルツァー相手に2セットを先取するも、6-3、6-2、2-6、6-7、4-6で逆転負けに終わった試合だ。

 ジョコビッチは、「自分の人生、そしてキャリアの中でいろいろなことが重なり、ネガティブになっている時期だった。テニスを続ける理由が見つからず、なにもかもが悲観的に思えてテニスをやめてしまいたかった」と語り、意外にも引退を考えた時期があったことを明かした。
  2020年全豪オープンの覇者は、「あれは人生とキャリアにおけるターニングポイントだった」とコメント。

「大きな期待が向けられて常にプレッシャーを抱えていた。2008年全豪オープン優勝から3年後、当時の僕は世界ランク3位だった。もちろん満足はしていた。けれど幸福感はなかった。世界1位獲得が可能だとわかっていた。それに対する義務感とグランドスラムでのさらなる勝利への思いもあった。けれど、全豪を制覇した後の3シーズンは、数多くの準決勝と決勝を戦いながら全くものにできなかった。もっとできるはずなのに、重要なフェデラー戦とナダル戦では負ける。そして、さらにプレッシャーは大きくなっていった。プレーに支障をきたし、楽しくなかった。けれど、あの敗戦(対メルツァー)が、僕を重圧から解放してくれ、本来のスタイルである攻撃的なプレーを取り戻すことができた」
  この大きな敗退で重圧から解放されたジョコビッチは、全米オープンで厚い壁として立ちはだかっていたフェデラーを破り決勝進出。年末のデ杯では、セルビアチームを初優勝へ導く。同じくして「グルテンアレルギー」が発覚し、体質改善を図るとともに、細かいフォームなどの技術を見直し、王者への階段を駆け上がった。

 5カ国語を操り語学堪能なこと知られるジョコビッチは、このインタビューにも完璧なイタリア語で対応。長期間の滞在経験があるイタリアで新型コロナウィルスと戦う医療機関へ寄付も行なっている。

 ATPはツアー現時点では再開を7月13日に予定。大会が集中する米国の状況次第では、クレーコートで秋に再開する代替案も挙がっている模様だ。

構成●THE DIGEST編集部

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