世界90位の内山靖崇が“料理男子”に豹変。「ほとんどしない」初心者が、驚きの腕前に!【男子テニス】

世界90位の内山靖崇が“料理男子”に豹変。「ほとんどしない」初心者が、驚きの腕前に!【男子テニス】

テニス同様のこだわりで料理を探求する内山靖崇。写真左:内田暁、写真右:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

その時に内山は、「ほとんどしないですね」と即答した。

 3月上旬、デビスカップを終えてインディアンウェルズ・マスターズ出場のため北米に急行するも、大会がキャンセルとなり帰国したばかりのころ。

「ほとんどしない」というのは料理のこと。一人暮らしとはいえ、遠征に出ている時間が長いために、キッチンに立つことはさほどない。自宅に居ても、食事は「外食かウーバーイーツ」が中心だったという。そんな彼が、今では日本テニス界きっての“料理男子”へと豹変した。

「意外と好評だったので……」

手料理に精を出す訳を、彼はそう説明する。

「家に居る時間が長いというか、ほぼ家にいるので料理も始めてみました。男性であまり料理しない人にも、俺にもできるんじゃないか、俺もやってみようかなと思ってもらえる切っ掛けになろうかなと」
  そんなチャレンジ精神に端を発する男料理の、デビュー作はエッグベネディクト。もとより海外に行くと「必ず食べる」ほど好きで、同時に、自分でも作れるのではとの淡い思いも抱いていた好物だ。そこで、この機に実際に作ってみると……「思っていたより、簡単だなって」とさらりと笑う。

「今はネットにレシピもたくさん上がっているし、言われたとおり事を進めれば意外とおいしくできるんだなと」

 かくして出来上がったエッグベネディクトは、完璧なアングルと色合いで撮影され、内山のSNSを鮮やかに彩る。「美味しそう!」「すごい!!」等々の反響は、内山に自信を与えさらなるモチベーションをも生んだ。

「本当に自分で作ってるの?」

 そんな疑念への対抗心と自己証明への欲求も、彼をキッチンへと向かわせた要因だ。

 自分で料理をすることで、改めて気を付けているのは栄養バランスだという。炭水化物にタンパク質、乳製品に野菜やフルーツ…だが内山は幼少期から野菜が苦手で、食べるように言われても「嫌いすぎて食べられなかった。特にトマトとピーマンは無理」というほどだった。

 成長し、特にプロになってからは野菜もかなり克服したが、それでもピーマンやほうれん草は今も苦手。栄養士に食事をチェックしてもらう時も、やはり「野菜が少ない」と指摘されることが多いという。
  その時はサプリメントなどでも補うが、最大の「救世主」は、お手製のスムージーだ。味が苦手な野菜を入れても、バナナなどの果物を加えればおいしく飲むことができる。また内山は朝の食が細いのだが、そこでも活躍するのがミキサー。いつからかミキサーは、遠征に欠かせぬ友となった。

 なお内山のお気に入りレシピは、「ほうれん草といちご、バナナ、ヨーグルト、そこにオレンジジュースを少し」。本当はブルーベリーなども入れたいところだが、日本ではあまり手に入らない。ただブルーベリーがなくても、「メッチャおいしいです」と内山は太鼓判を押した。
  会心のエッグベネディクトを作ってから1か月以上経った今も、料理への探究は継続中。餃子や唐揚げなどレパートリーを広げてきたが、今リベンジしたいのは「ドレス・ド・オムライス」だという。オムレツがドレスのように美しいひだを重ねるこの洋食は、テレビでジャニーズの面々が作るのを見て、「自分もやってみよう!」と思い立った一品。

 本人いわく「味は十分おいしかった」が、悔いを残したのが「見た目」。「映えが大事」との信念を持つ彼は、写真撮影にかなりの時間を費やすことも珍しくないという。そのため肝心の料理が冷めてしまうこともあるが、料理熱が冷めることはない。

「テニス選手はとことんこだわるし、たぶんコツつかむのも早いと思います」

 味と見た目、そして栄養のバランスを取りながら、料理探求の旅は続く。

文●内田暁

【PHOTO】世界で戦う熱き日本人プレーヤーたち!
 

関連記事(外部サイト)