データが明かす「回転数」と「球速」を両立させた、驚異の18歳・シナーが放つ“次世代最強バックハンド”とは?【男子テニス】

データが明かす「回転数」と「球速」を両立させた、驚異の18歳・シナーが放つ“次世代最強バックハンド”とは?【男子テニス】

18歳ながら両手打ちバックハンドの破壊力は世界トップレベルと認められる、イタリアの超新星ヤニック・シナー。(C)GettyImages

ツアーでもっとも強力なバックハンドを持つのは誰か? 先日、ノバク・ジョコビッチとアンディ・マリーが行なったインスタライブでお互いの名前を挙げていたように、この2人を双璧とみなすのが一般的だろう。

 だが、昨シーズン末に脚光を浴びたイタリア人が、近いうちに彼らを凌ぐかもしれない。2019年ネクストジェンATPファイナルズ覇者の18歳、ヤニック・シナーだ。

 同大会では、188センチ・76キロの細い身体から目の覚めるような鋭いバックハンドを繰り出し、いとも簡単にウイナーを量産していた。あのバックハンドのどこがどうすごいのだろう。

 ATP公式サイトによると、ある優位性がデータから明らかになっているという。それはスピンとパワー。彼のバックハンドは、トップスピンの回転数がツアーでもっとも多く、なおかつスピードも速いというのだ。(データの対象は、2018年から2020年までにATPのホークアイ設備のあるコートで10試合以上戦ったすべての選手)
  トップスピンの平均回転数/分の上位5選手は次のとおりだ。

1. ヤニック・シナー 1858回転
2. マーティン・クリザン 1840回転
3. フェリックス・オジェ-アリアシム 1825回転
4. パブロ・クエバス 1735回転
5. ジョン・ミルマン 1680回転

 他にトップ10では、ガエル・モンフィスが1551回転で最多、ステファノス・チチパスが1280回転で続いた。ビッグ3では、ラファエル・ナダルが最も多くて1252回転、ジョコビッチは1148回転。逆回転のスライスを比較的多く使うロジャー・フェデラーは548回転だった。

 続いて、平均時速の上位5選手はこのようになっている。

1. ニコロズ・バシラシビリ 時速71.2マイル(約114.6キロ)
2. ジョン・ミルマン 時速70.2マイル(約112.9キロ)
3. ラファエル・ナダル 時速69.8マイル(約112.3キロ)
4. ウーゴ・アンベール 時速69.2マイル(約111.4キロ)
5. ヤニック・シナー 時速69.1マイル(約111.2キロ)

 他にトップ10では、ドミニク・ティームが時速約108.5キロで最速、ジョコビッチが約108.3キロ、アレクサンダー・ズベレフが約107.8キロで続いている。

 ボールの回転数が上がれば余裕をもってネット上を通過させることが可能になり、より多くの力を加えて重さも実現できる。しかし、それと球速を両立させるのは特別な能力だ。
  シナーがこの「重くて速い」バックハンドを生かすことで、アレックス・デミノーらを下し優勝したのがネクストジェンATPファイナルズだったわけだが、同大会のバックハンドを分析したデータも面白い。

 まず、彼の全5試合での平均時速は約121.2キロで、5人の対戦相手の約109.8キロとは実に約11.4キロもの差。なかでも、マイケル・イーマ―戦では約129.1キロという驚異的な平均速度を叩き出していた。
  さらに、バックハンドを放ったポジションも驚きだ。5人の対戦相手が、バックハンドの31%をベースラインの2メートル以上後方で打っているのに対し、シナーはわずか13%。反対にベースラインの内側から打った割合は、対戦相手のほぼ倍に当たる23%に達している。

 相手より前に入り、相手よりも重くて速いボールを打てる。昨年4月にツアーデビューしたばかりの18歳が、すでにツアー屈指の武器を持っているのは間違いなさそうだ。

ヤニック・シナー/Jannik Sinner
2001年8月16日生まれ。国籍:イタリア。身長188cm/体重76kg。右利き、両手バックハンド。ランキング:73位(2020年3月16日付)。自己最高ランキング68位(2020年2月17日)。主な戦績:2020年=全豪2回戦、2019年=全米1回戦、ネクストジェンATPファイナルズ(シーズン終盤に行なう21歳以下を対象とした大会。ポイント上位7名と主催者推薦1名計8名で行なう)優勝。2019年ATP年間最優秀新人賞受賞。

構成●スマッシュ編集部

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