「ドミニクは多くのことをしている」下位支援否定で批判を受けるティームを、同胞の元トッププロが擁護

「ドミニクは多くのことをしている」下位支援否定で批判を受けるティームを、同胞の元トッププロが擁護

「仲間のプレーヤーよりも緊急に助けを必要としている人たちが他にいるはず」と主張するティーム(C)GettyImages

男子テニス世界ランク3位のドミニク・ティームの、下位選手支援についての主張が海外を中心に議論の的になっている。

 ノバク・ジョコビッチら、ビッグ3の発案で始まった下位選手支援プロジェクトは、トップ100選手、ATP(男子プロテニス協会)、グランドスラム運営組織などから合計400万ドル超(約4億3200万円)を拠出し、ツアー中断により収入を失った下位選手(250位〜700位台)に対しての支援金に充てるというもの。

 ティームは、この案に対して「下位選手にはプロフェッショナルだと感じられない選手が多すぎる。そのような選手に金銭的援助をする理由がわからない」と主張。さらに「たとえランキングでは下位にいようとも、飢えて倒れるほどの危機に瀕しているプレーヤーはいない。むしろ、本当にぎりぎりの状況にいる人たちに届くよう、適切な人や機関に寄付したい」とした。この発言が『下位選手に対するリスペクトを欠く』として、海外のテニスファンから取り沙汰されているのだ。
  また、先日は下位選手のひとりであるアルジェリアのイネス・イブーが、ティームに対する反論動画をネットで公開し、SNSを中心に称賛を集めた。これには女子テニス元世界ランク1位のビーナス・ウィリアムズや、ニック・キリオスらトップ選手からも賛同の声が寄せられている。

 ただ、真に困っている人を助けたいというティームの主張も理解できる。テニスを人生の最優先事項としてトレーニングに励んできたからこそ、今の地位を築けているトップ選手たちに対し、向上心が薄く、中途半端な姿勢で下部大会を周る選手がいるということも確かだろう。現にティームはそういった選手たちを目にしてきたと過去に語っている。
 『彼にはチャリティー精神がない』などという批判もあるが、これも間違いだ。オーストリアの地元紙『Der Standard』によると、ティームは以前から、母国の若手選手へ無償の支援を行なってきたという。同紙の取材に答えたオーストリアの元トッププロ、アレクサンダー・アントニッチさんは「ドミニクは多くのこと(支援)をしている」と語った。

「新型コロナウイルス流行前にも、彼はオーストリアの有望なジュニア選手を支援していた。だが、そういったことを公にしないため、知る人は少ないんだ」という。そのジュニア選手とは、現在ジュニアランキング144位のマルコ・アンドレイッチだ。この才能豊かな17歳は、ティームから経済的なサポートを受け、テニスコーチでもあるティームの父親、ヴォルフガングさんから指導を受けている。
  さらにアンドレイッチは、5月下旬に開催されるオーストリア国内のエキジビション大会『ゼネラリ・オーストリア・プロ・シリーズ』にも出場予定で、ティームの他、世界ランク85位のデニス・ノバク、元トップ10のユルゲン・メルツァーら強豪選手と対戦する稀有なチャンスも与えられているという。

「下位選手にはプロフェッショナルとは言えない選手が多い」という発言ばかりが独り歩きし、過剰に批判を受けているティーム。イブーの反論動画によりその熱は加速しつつある状況だが、ヒートアップする海外のテニスファンには、頭ごなしに批判するだけではなく、今一度、彼の発言をしっかり読み解き、その真意を理解する努力をしてほしいものだ。

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】どんなボールも打ち返す、プロの超絶フットワーク集!

 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Preseason 2019??

Marko Andrejic(@marko_andrejic)がシェアした投稿 -

関連記事(外部サイト)