データで判明!ナダルは第2セットで減少し、フェデラーは増加する。走行距離から見る試合の流れ【男子テニス】

データで判明!ナダルは第2セットで減少し、フェデラーは増加する。走行距離から見る試合の流れ【男子テニス】

第2セットで走る距離が短くなることがデータでわかったナダル。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

テニスの1試合で選手が走る距離は、グランドスラムのフルセットマッチで5キロ弱程度に達する。球技のなかで走行距離の長いサッカーでは11キロ程度だから、距離そのものは長くないが、走行の多くがスプリントという過酷な内容だ。

 その走行距離のセット毎の変化に着目すると、選手の戦い方のパターンが見える。そんな興味深い分析がATP公式サイトでなされている。

 2018年から2020年までホークアイコートで計測された走行距離の分析によると、現在のランキングトップ10選手のほとんどが、第1セットよりも第2セットの方が走行距離を短くしているという。
  第2セットで走行距離が減少した割合の順番に並べると、トップはラファエル・ナダルで10%超。ダニール・メドベージェフ、ダビド・ゴファン、ノバク・ジョコビッチらも大きく減らし、ほぼ変化のないチチパスやモンフィスが続く。そして唯一ロジャー・フェデラーだけが、第2セットで、より長く走っているのである。

【2018-20トップ10選手の走行距離】
選手名(ランク)     第1セット/第2セット[変化率]
ナダル(2)     1070.5m/960.12m [89.7%]
メドベージェフ(5) 999.74m/897.33m [89.8%]
ゴファン(10)   1017.4m/919.28m [90.4%]
ジョコビッチ(1)  977.19m/897.64m [91.9%]
ティーム(3)    892.76m/822.66m [92.1%]
ズベレフ(7)    930.55m/865.33m [93%]
ベレッティーニ(8) 755.29m/720.24m [95.4%]
チチパス(6)    903.73m/894.28m [99%]
モンフィス(9)     1030.2m/1028.4m [99.8%]
フェデラー(4)     768.40m/801.01m [104.2%]

 まず、ナダルの走行距離が大きく減った要因はなにか。第1セットで相手を消耗させ、第2セットでは相手がスタミナ切れを起こしたのではないか。あるいは、第1セットの巧みな戦略が後に実を結んだのではないか。またあるいは、第1セットで身体がほぐれ、支配力を増したのではないか、と公式サイトでは指摘している。
  逆に、フェデラーが走行距離を伸ばしたのはどう解釈できるのか。単に第1セットの距離が短すぎて、そうならざるを得なかったのかもしれない。あるいは第2セットでは、相手がフェデラーの得意なネットゲームを回避する戦略をとり、ベースラインでの打ち合いにより多く持ち込めるようになった可能性もあるだろう。

 ちなみに、対象をトップ10から広げると第1セット、第2セットともに最も長い距離を走ったのはジル・シモンで1269.5メートルと1189.9メートル。同じく最も短かったのはニック・キリオスでわずか634.29メートルと616.92メートルだという。
  セット毎の走行距離の変化が意味するところは――。ATPサイトでは、これらは選手のスタイルを浮き彫りにしていて、早い段階で仕掛けるのか、肉体的・精神的に相手を消耗させてから仕留めるのか、選手の狙いを示している、と結んでいる。

構成●スマッシュ編集部

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