ダニエル太郎や日比野菜緒ら男女トップ選手が久々に真剣勝負!『BEAT COVID-19 OPEN』開幕【国内テニス】

ダニエル太郎や日比野菜緒ら男女トップ選手が久々に真剣勝負!『BEAT COVID-19 OPEN』開幕【国内テニス】

ダニエル太郎は「20歳前後の良い選手たちが集まっているので要注意の3日間になる」と気を引き締めた。写真:内田暁

「ツアーが中断している今、なんとか選手たちに真剣勝負の場を与えたい」――。

 日比野菜緒のコーチである竹内映ニ氏と、かつて竹内に師事しプロを志したサンワカンパニーの山根太郎社長が立ち上げた『BEAT COVID-19 OPEN』(7月1日〜3日)。「ファンも一体となって作る大会」を標榜したクラウドファンディングによる賞金大会が開幕した。

 オープンエントリーで確定した参戦選手は、男子はダニエル太郎、女子は日比野菜緒を筆頭とする、各10名。総当たりのラウンドロビンを勝ち上がった4選手が、トーナメント形式の準決勝と決勝を戦い、頂点を決するフォーマットだ。

 試合ルールは公式戦と大きな差はないが、ラウンドロビンの2日間は全ての選手がダブルヘッダーで戦うため、1セットは4ゲーム先取となっている。

 また、大会の運営サイドが何よりも心を砕いているのが、新型コロナウイルス防疫対策だ。選手全員に施行されたPCR検査や、選手とそれ以外の人々の接触軽減を基本目的としたゾーニングの徹底。入場者全員への検温やボールパーソンのゴム手袋着用義務など、種々のテストケースを走らせながらの幕開けでもあった。

 それら厳しい制約下での実施ではあるが、同時に運営者たちが配慮したのが、「選手にストレスをかけない」こと。その甲斐あり、選手たちは久々の大会ではあるものの、いずれもこの3〜4カ月間の練習やトレーニングの成果を見せつけるかのように、コートを精力的に駆け回った。
  また、ランキングポイント等はつかないながらも、多くの選手や関係者が感じたのは、真剣勝負の場特有の緊張感やプレッシャー。

 初日で2勝した本玉真唯のコーチの神尾米は、「普段の練習ではずっといい感じにできていたのに、昨日(大会開幕前日)の会場での練習はひどかったんです、ガッチガチになっちゃって」と苦笑い。

 あるいは、先週末に自らが企画したエキジビションマッチ『チャレンジテニス』を戦ったばかりのダニエル太郎も、「週末とは違ったプレッシャー。20歳前後の良い選手たちが集まっているので、要注意の3日間になる」と、参戦選手中1位の重圧を認めていた。

 そのダニエルは初日連勝ながら、18歳の山中太陽の伸びやかなプレーの前に、マッチポイントも握られる大苦戦。自身のミスや、時に判定に苛立ちを見せる場面もあったが、「イライラする感覚も忘れかけていたこと」と、これもツアー再開に向けたある種のリハビリと捉えていた様子だ。
  そのように選手個々がそれぞれのテーマと向き合うなか、ひときわ光を放ったのが、こちらも18歳の佐藤久真莉である。幼少期から「天才少女」と呼ばれ関係者の期待を集めてきた佐藤だが、15〜16歳の頃は、ジュニアの国際大会や、一般のITF大会でも結果の出ない時期を過ごす。本人はプレッシャーを否定したが、ジュニアで上を目指すか、あるいは早い段階でシニアの大会に出ていくかの迷いもあったのだろう。

 その逡巡が、昨年プロに転向したのを機に「切り替わった」。

「プロでトップを目指そう」

 そう明確な目標設定ができた中で遭遇した今回のコロナ禍も、「練習期やトレーニング期を作りたいと思っていたので、それができた良い時間」だとポジティブに受け止めたという。事実、ジムが使えない時期でも「器具などを買って、公園でトレーニングをしていた」という成果は、自分でも自信を持って「身体が大きくなったと思います」と笑みをこぼすフィジカルに反映されていた。
  この日は第1試合で華谷和生との2時間20分の死闘を制すると、短い休憩を挟んで世界ランク72位の日比野と対戦。それでも疲労を感じさせぬ佐藤は、失うもののない強みで伸び伸びとラケットを振り抜き、互いにセットポイントを手にする接戦を制して第1セットを奪取。第2セットは、肩に痛みを抱える日比野のサービスゲームを早々にブレークすると、手にした主導権を手放すことなくゴールへと駆け込んだ。

 公式戦ではないとはいえ、この日の勝利は佐藤のキャリアにとって、最大級の金星の1つ。それでも「今のプレーができていれば、(今日のような勝利は)そんなに難しいことではないかなと思っていた」と、過度に喜ぶ様子はない。

 10代前半から絶賛されてきた、柔らかなタッチやクリーンヒットの能力に加え、フィジカルの強さも体得しつつある18歳。今大会の台風の目になりそうな気配だ。

取材・文●内田暁

BEAT COVID-19 OPEN
【開催期間】7月1日(水)〜3日(金)
【会場】ブルボンビーンズドーム(兵庫県三木市)
【種目】男女シングルス(男女各10名)
【競技方法】
1)予選は各リーグ5名によるラウンドロビン方式
2)決勝トーナメントは上位1位2位によるトーナメント方式
3)ショートセット(4ゲームマッチ)の3セットマッチ 決勝戦のみ3セットマッチ
4)試合は主審のみ。主審が全てのジャッジを行う。
【賞金】総額1,000万〜2,000万円
※クラウドファンディングにて集まった額に応じて決定
【出場選手】
■男子
Beat1=ダニエル太郎、山中太陽、清水悠太、小ノ澤新、野口莉央
Beat2=伊藤竜馬、望月勇希、田沼諒太、斉藤貴史、松井俊英
■女子
Beat1=日比野菜緒、本玉真唯、牛島里咲、華谷和生、佐藤久真莉
Beat2=大前綾希子、岡村恭香、今西美晴、加藤未唯、清水綾乃

【PHOTO】日比野菜緒ら世界で戦う熱き日本人プレーヤーたち!

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