全米オープン出場を巡り、決断を迫られる日本人テニスプレーヤーたち 【#コロナとどう暮らす】

全米オープン出場を巡り、決断を迫られる日本人テニスプレーヤーたち 【#コロナとどう暮らす】

エキジビションマッチ「+POWWER CUP」にて、全米に向けて順調な仕上がりを見せた内山靖崇は、出場の意向を示す。写真:スマッシュ編集部

8月31日から開幕を予定している全米オープンテニス。新型コロナウイルスの感染リスクがある中、大会に出場するか欠場するか、選手たちは選択を迫られている。ランキングや年齢も決断する時には大きな要素となる中、海外ツアーを戦いの場としている日本の4選手、西岡良仁(48位/24歳)、内山靖崇(90位/27歳)、添田豪(117位/35歳)、伊藤竜馬(155位/31歳)は、現在どのように考えているのだろうか。

 気持ちとプレーの準備ができていたのは内山だった。「行くつもりです。少しでもランキングを上げたいし、(ランキング算出の改定で)自分のポイントが減らなくても、他の選手が上がれば落ちていくので、出ないというのは難しい」。来年にオリンピックがあることを考えれば、90位のランキングを少しでも上げたいという気持ちのようだ。

 現段階では、全米オープン出場後、2週間の隔離なしでフランスに入国し、全仏オープンの出場が可能になるのか明確になっていない。その点も選手の決断を難しくしている要素のひとつだが、内山は、「ハードコートの方が得意なので」と、全米を優先しようと考えている。

(出場か否かは)「50:50です」と言うのは西岡。全米の前週に同会場で開催されるマスターズに出場できるかどうか、入出国の問題や新型コロナなどの状況を、ギリギリまで見て判断することにしている。「全世界から人(選手)が集まるので不安です」という気持ちもあることと、48位というランキングを確保していることもあり、様子を見て動ける余裕がある。
  今回は予選がなく、本戦出場のカットラインが120位になっていることもあり、117位の添田は出場を決めている。「全米は本戦から出られるのが大きいので決めました。これだけ期間が空いて、いきなり5セットとなると開き直るしかない。うまくやろうとは考えていません。出られるだけでもありがたいと思っています」

 35歳という年齢を考えれば、確かにケガのリスクはあるが、「恐れていたらもっと危ないので、なったらなったでいい」と腹をくくる。ただし、予選からの出場となる全仏については、無理をしてケガや感染につながるリスクを避けて帰国することも考えている。

 最も悩んでいるのは155位の伊藤だ。多くの選手が欠場すれば出場できるが、それがわかるのは大会直前になる。全米に出られたとしても、他に出場する大会がツアーではなく、一つ下部のチャレンジャーレベルになった場合、新型コロナ対策がしっかり行なわれているのかという点も危惧される。

「家族もいますし、もしかかったらという心配はあります。危険が高い中で大会を回らないといけないなら、日本で身体をケアしたほうがいいかとも思うし…」と考える一方で、年齢的にこの1、2年が重要だということも承知している。「モヤモヤしています」と、悩んでいる。

 この新型コロナ禍で抱く思いはそれぞれある。多くの選択肢がある中、選手たちは自分の状況を考え、最善と思える道を選んでいくしかない。

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

【PHOTO】内山、西岡、添田、伊藤が出場。プロと学生が「+POWER CUP」でともに戦う
 

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