「終わる時間がわからない」「うかつに声が出せない」テニス観戦のハードルを一気に下げた新しい試合が誕生!

「終わる時間がわからない」「うかつに声が出せない」テニス観戦のハードルを一気に下げた新しい試合が誕生!

新しいテニスの形を提案する、プロテニスリーグの発起人の1人でもある江原弘泰。写真:THE DIGEST

試合の終わり時間が見えない、静かに見るのが当たり前、こういった“テニスならでは”の問題を解消した新しい大会が提案された。

 2月21日、一般社団法人プロテニスリーグ機構が主催する『プロテニスリーグ(PTL)』の第1回プレイベントが、そのスタートとなる。

 サッカーや野球、バスケに卓球等、国内のプロリーグが存在し、それぞれに盛り上がりを見せる中、テニスには日本テニス協会が主催するアマチュアも含めた「テニス日本リーグ」があるのみ。選手への認知度をアップさせるとともに、エンターテインメント性のある大会を開き、テニス観戦へのハードルを下げる。さらには地域に根差した活動でテニス人口を増やしていくことが、発足の主な目的だ。

 開催にあたってはクラウドファンディングで支援を募ったところ、開始から約2週間で目標金額を突破しており、テニス愛好家たちの関心の高さもうかがわせる。

 試合はプロが男女2名ずつ、計4名が1チームとなり、女子ダブルス、男子シングルス、混合ダブルス、女子シングルス、男子ダブルスの計5試合を戦った。形式は10ポイント先取のタイブレークで、セットオールとなったら7ポイントタイブレークで決着をつける。普通のテニスの試合なら1試合1時間半を目安として、5試合で7時間半ほどを見積もるところ、試合全体で約2時間だ。
  この日は「GYODA(行田)EREK」と「FUJISAWA(藤沢)GYME」の対戦で、行田市出身の江原弘泰、藤沢市出身の添田豪の両プロがチームリーダーを務めた。

 短いポイント数で決着がつくため、1ポイントも無駄にできない緊張感の中、プロたちは楽しみつつもスピード感ある白熱したラリーを繰り広げる。ラリー中も実況と解説があり、大事なポイントでプロが大きなリアクションで喜ぶと、呼応して観客が拍手をおくるなど、終始楽し気な雰囲気で進行した。

 PTLの理事の1人であり、選手の立場からこのイベントを盛り上げる役割を担う江原弘泰は「テニスの試合は時間が長いというのは、僕自身も以前からすごく思っていて、放送のことや色々なことを考えると、時間がある程度決められていたほうが、見てる人も飽きがないと思いました。現役選手の僕が感じていたことを、変えられる場所があれば変えてみてもいいんじゃないかと思ったし、選手もこういう経験をすることでギアの上げかたなど、3セットの試合にも生きるのではないか」と、新しい試みに意欲をみせる。
  選手の間でも「テニスをどうやって盛り上げていくか」と話す機会がよくあるそうで、「静かな試合でももちろんいいけど、もっとファイトしたいし、何より“応援されたい”という声を聞く」という。この日は観戦慣れした人が多かったためか、サービス時に声を発する観客はいなかったが、それさえも無くしたいそうだ。

「バレーボールみたいにサーブのとき『そーれ!』という掛け声があってもいいし、そういう雰囲気も今後は僕たちで作っていけたらいいと思っています」

 プレイベントを今年あと2大会行ない、2022年の春から正式にプロリーグを開催していきたいという方向性だが、チーム作りやスポンサー探しといったところが今後の課題となってくる。
 「まだまだやらなければならないことは多くありますが、スポーツで地域に貢献をしていきたいですし、人との交流を深めていきたい。そして誰か1人のファンではなく、チームのファン、テニス選手全体のファンを増やしていきたい。高校生や大学生が部活の一環として試合を見にくるような、そういう文化に変えていければ、日本のテニス界はもっと良くなると思う」

 道は平坦ではないかもしれない。しかし大きなうねりへと変化する可能性のある新しい一歩を踏み出せたことは、テニス界にとって価値あるものとなるだろう。

<参加プロ>
■GYODA(行田)EREK
江原弘泰
片山翔
穂積絵莉
澤柳璃子

■FUJISAWA(藤沢)GYME
添田豪
望月勇希
美濃越舞
林恵里奈

〇GYODA(行田)EREK 5−0 FUJISAWA(藤沢)GYME●

一般社団法人プロテニスリーグ機構 Webサイト
構成●THE DIGEST編集部

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