スマートウォッチの血中酸素濃度センサーで、SpO2(酸素飽和度)は検知できるのか?

スマートウォッチの血中酸素濃度センサーで、SpO2(酸素飽和度)は検知できるのか?

酸素飽和度測る端末の選び方

引用:Apple Watch Series 6 の血中酸素ウェルネス App で、血中に取り込まれた酸素のレベルを測定する ? Apple サポート

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が感染拡大を受けて、2021年1月8日に首都圏の1都3県に対して、緊急事態宣言が発布され、さらに2021年1月14日には栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県も拡大しました。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景に、ヘルスケア用ウェアラブルデバイスの進化が加速しています。

スマートウォッチの中でも、Appleから発売されたApple Watch(アップルウォッチ)は、最新のSeries 6(シリーズ シックス)から、血中酸素濃度を測定できることが特徴です。

PCR検査で新型コロナウイルス感染症の陽性と診断されても、自覚症状がなかったり軽症の場合、自宅療養になることはご存知でしょうか?

陽性の診断を受けたとしても、入院する準備が必要とされていない人や、医師に症状が悪化するまで家で安静にしてくださいと言われた場合、症状を測る目安は体温計以外あまりないのが現状です。

スマートウォッチを血中酸素濃度センサー(パルスオキシメーター)として活用できれば、重症化を防げる可能性があるかも知れません。

この記事では、Apple WatchやFitbit(フィットビット)などのスマートウォッチで医療用として新型コロナウイルス感染症の検知が可能かどうか、血中酸素濃度センサーとはどういったものなのかなど詳しくわかりやすく解説していきます。

◆スマートウォッチとは?

Apple Watchのイメージ

スマートウォッチとは、時計型のウェアラブル端末です。実はコロナ禍で健康面の意識が高くなり、スマートウォッチの需要が高まっています。

スマートウォッチは通常の時計としての機能だけではなく、運動する際にデータを取ってくれたり、通学中や通勤中、仕事中や移動中も、スマホを取り出さずにメールやLINEなどのチェックできます。

スマートウォッチで代表的なものはAppleから発売されたApple Watchです。Apple Watch Seriesの中でも唯一「血中酸素濃度センサー」を搭載しており、SpO2を測れるのは、Apple Watch Series 6のみです。

では、Apple Watchではどのように計測できるのでしょうか。

◆SpO2とは?

赤血球のイメージ

Apple Watchの計測の前に、まずは測れる数値を知っておく必要があります。

Apple WatchではSpO2が測れます。SpO2とは、血中酸素濃度センサー(パルスオキシメーター)で測定される数値のことをいいます。

日本語の正式名称は、「経皮的動脈血酸素飽和度(けいひてきどうみゃくけつさんそほうわど)」といいます。

医療でも呼吸不全の診断や肺炎の治療方針の指標として用いられます。

◇SpO2を分解して解説

みなさんも学校で習ったと思いますが、O2とは酸素の分子式を指します。

oxygen(オクシジェン):酸素(の)
saturation(サチュレーション):飽和度(を)
percutaneous(パキューテーニーアス):経皮的(皮膚の上から)

測定する数値です。

つまり、皮膚の上から調べた(動脈の中を通っている)酸素飽和度を示します。

◇酸素飽和度(さんそほうわど)とは?

酸素飽和度とは

ヒトは呼吸により酸素が肺に取り込まれます。酸素はヘモグロビンによって全身に運ばれます。

ヘモグロビンとは主に鉄を含む「ヘム」と、「グロビン」というたんぱく質によってできています。

酸素が全身に運ばれるのは、ヘモグロビンが鉄を含んでいるため結合して運ぶことができます。

酸素飽和度とは、動脈の血液の主成分にあたる赤血球中のヘモグロビン酸素と結合している割合を%で表したものです。

一般的には、標準とされる血中酸素濃度が96〜100%で、90%を下回ってしまうと低酸素状態だと診断されます。

酸素飽和度上げるには深呼吸すればよいかというと、そういうわけではありません。

90%を下回ると危険水域に入り、医師の診察や人工呼吸器が必要となる場合もあります。

◆血中酸素濃度センサー(パルスオキシメーター)とは?

パルスオキシメーターのイメージ

酸素飽和度を測る機器として、pulse oximeter(パルスオキシメーター)もあります。

パルスオキシメーターとは、血中酸素濃度センサーといい、指先など体に光を透過させることで、動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を採血することなく、計測できる測定器です。

ヘモグロビンは酸素と結びつくと鮮やかな赤色で、酸素と結びついていないと暗い赤色になります。

指にセンサーを装着して、異なる波長の2種類の光を当てます。吸収されずに指を通り抜けた光を測定して分析する仕組みです。

現在では、小型化が進みフィンガータイプが主流となっています。

身体への負担も少なく測定できる便利さで、病院やクリニックだけではなく、在宅医療や登山やダイバー、マラソン選手など幅広く使用されています。

◆Apple Watchの血中酸素ウェルネスセンサーの仕組み

血中酸素センサーのイメージ

引用:Apple Watch Series 6 ? Apple(日本)

では、Apple Watchの仕組みも見ていきましょう。

Apple Watch Series 6の血中酸素ウェルネスセンサーは、精度を向上させるために、4つの発光素子クラスタと、Apple Watchの背面クリスタル上の4つの受光素子フォトダイオード(光検出器)を使用します。

緑色と赤色のLEDと、赤外線LEDが光を手首の血管部分に照射し、その反射光をフォトダイオードで受光します。

血液から反射された光を確認し、血中酸素ウェルネスアプリケーションに組み込まれた高度なカスタムアルゴリズムが読み取ったデータから血液の色を計算します。

計算すると血中に取り込まれた酸素のレベルを70%から100%の間で表示するように設計されています。

ヘルスケアアプリケーションから手動で血中酸素濃度を計測することができ、睡眠中などでは定期的にバックグラウンドで確認が行われます。

血液中に取り込まれた酸素のレベルがどのように変化するのか、時間経過に伴う傾向を確認することも可能です。

◇血中酸素濃度センサー(パルスオキシメーター)とApple Watch Series 6の違い

パルスオキシメーターと<a href='/topics/keyword/AppleWatch/160530000764/'>AppleWatch</a>の比較表

血中酸素濃度センサー(パルスオキシメーター)とApple Watch Series 6の違いは主にセンサーと測定箇所です。

センサーは透過光を利用して測定する血中酸素濃度センサーに対して、Apple Watchは反射光です。

測定箇所も、一部耳の場合もありますが、主な血中酸素濃度センサーは指先が多く、Apple Watchは装着したままできるため、手首で測定します。

新型コロナウイルス感染症と血中酸素濃度との関係はあるのでしょうか?

◆新型コロナウイルス感染症と血中酸素濃度との関係

厚生労働省重症度分類

引用:新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き2020第4.1版 厚生労働省


・COVID-19で死亡する症例は、呼吸不全が多いために重症度は呼吸器症状(特に息切れ)と酸素化を中心に分類した
・SpO2を測定し酸素化の状態を客観的に判断することが望ましい
・呼吸不全の定義はPaO2≦60mmHgでありSpO2≦90%に相当するが、SpO2は3%の誤差が予測されるのでSpO2≦93%とした
・肺炎の有無を把握するために、院内感染対策を行い、可能な範囲で胸部CTを撮影することが望ましい
・軽症であっても、症状の増悪、新たな症状の出現に注意が必要である
・ここに示す重症度は中国や米国NIHの重症度とは異なっていることに留意すること

新型コロナウイルス感染症と血中酸素濃度との関係として、低酸素血症の症状があげられます。

低酸素血症とは動脈血中の酸素が少なくなる状態で、この状態が自覚なく続くと身体に悪影響となり色々な疾患に陥るため、早期に発見することが重要な鍵となります。

厚生労働省から発表されている新型コロナウイルス感染症 診療の手引きでも、(重症度)医療従事者が評価する基準の基準が設けられています。

しかし最近になって中等症や重症の酸素飽和度でも、自覚なく酸素飽和度が低い「幸せな低酸素症」などの事例も報告されました。

身体は酸素が不足している状態でも、息が苦しいと感じずに、ある日突然重症化する例です。

◇幸せな低酸素症:happy hypoxia(ハッピーハイポキシア)

科学雑誌サイエンス:Scienceが、「幸せな低酸素症」と名付けたことによりメディアが取り上げ、世界中の医療関係者に知られた言葉です。

新型コロナウイルスによる肺炎では、ウイルス感染による酸素飽和度が70〜80%のような重度の低酸素血症の状態になる人が多かったのですが、息が苦しい訴えがないにも関わらず、重症化の発見が遅れることが問題となりました。

◆スマートウォッチの血中濃度計測で、新型コロナウイルスは検知できるのか?

血中濃度ウェルネスのイメージ

引用:Apple Watch Series 6 ? Apple(日本)

◇医療用として決め手にはならない

結論から申し上げると、スマートウォッチで動脈血酸素飽和度(SpO2)は測れたとしても、新型コロナウイルスの検知は医療用として決め手にはなりません。

これはApple Watchだけではなく、血中酸素濃度のセンサーがあるスマートウォッチ全般に言えます。

スマートウォッチを代表するFitbitは公式でも、「病状の診断や治療を意図したものではなく、いかなる医療目的にも使用することはできません。」と明言しています。

Apple WatchやFitbitなどのスマートウォッチは、一般的なウェルネス(健康)やフィットネス(トレーニング)を目的としており、医療での使用や診断などに利用するのは守備範囲外となっています。

自身のコンディションを測るうえで、あくまで目安がわかる範囲です。

Apple Watch Series 6は、万が一新型コロナウイルスに感染した際に、コロナ肺炎の重症度を知る、あくまで目安になる血中酸素飽和度の数値を推定する機能を搭載したことになります。

陽性と診断され、在宅で新型コロナウイルス感染症と戦っている人の目安にはなるかも知れません。

ただし、あくまで目安ですので、医療的なアドバイスや診断に関しては、自分で判断せず必ずかかりつけの医師か、発熱外来、保健所などに電話して受診をする病院などの指示に従ってください。

新型コロナウイルスは検知できるのか?
Apple Watch Series 6の血中酸素ウェルネスセンサーを利用すると、新型コロナウイルス感染症の検知は医療用として決め手には欠けるが、セルフメンテナンスの健康面の目安になる
引用:Fitbitアプリで健康の指標について 知っておくべきことは何ですか?

血中酸素濃度センサー(パルスオキシメーター)は必要な人に
このように血中酸素濃度センサー(パルスオキシメーター)を使うと、重症度を測ることができます。

ただし、ご家庭で購入する時には、まずは血中酸素濃度センサー(パルスオキシメーター)の測定値を判断してもらえる医療専門家への相談をしてください。

肺炎で苦しんでいる人や病気を患っている人など必要としている人もいるため、不必要な買い占めはご遠慮ください。

もし、血中酸素濃度センサー(パルスオキシメーター)までは必要ないけど、定期的な数値を測りたい人は、Apple Watch Series 6をおすすめします。

目安が測れる代替品として、生活を豊かにしてくれて、且(か)つ健康管理をしてくれるガジェットとしてはおすすめです。

◆Apple Watchなどのスマートウォッチならノジマへ

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※記載の内容は2021年1月28日時点の情報です。

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