Fintechでペーパーレス化が進むコンビニ決済の未来

Fintechでペーパーレス化が進むコンビニ決済の未来

@DIME アットダイム

 NEC(日本電気)とSMBC(三井住友銀行)が共同出資で設立したbrees(ブリースコーポレーション)は、スマートフォンを使って「コンビニ支払」ができるサービスを2016年8月31日に発表した。このサービスでは、公共料金や通信販売の代金などをコンビニ収納サービスで支払う際に紙に印刷して郵送されていた払込票を、スマートフォンの画面に表示することでペーパーレス化。払込票の印刷や郵送コストの削減、払込票を受け付けるコンビニの管理コスト軽減などが実現できる。いわゆるFintech(フィンテック)の一つである。


breesで提供されるビジネススキーム。コンビニ支払で代金を受け取りたい「請求事業者」が請求情報をbreesに送信。breesはそれをもとにして「利用者」に電子バーコードを発行。利用者はその電子バーコードをコンビニのレジで読み取ってもらい料金を支払う。支払いデータはコンビニからbress経由で請求事業者に連絡する。

■ペーパーレスに加えて支払い記録とリマインドができるのが魅力

 プレスリリースによれば、コンビニ収納の2015年度の取り扱い金額は約10兆円で、件数は約10億件に昇る。さらに、年3〜4%の伸長がある。1件あたりの総手数料(breesのような収納代行会社が得る手数料などを合計)が200円だとすると、2000億円規模のビジネスになっている。また、breesが提供するサービスでは、上の図にある請求事業者の払込用紙発行コスト削減が主な訴求のポイントになるのは見てのとおり。一方、利用者は、払込用紙の電子化によるメリットに加え、払込状況の管理や、期限のリマインドといった払込用紙管理が楽になるメリットもある。ただし、紙の払込用紙に押してもらえるコンビニの領収印が無くなってしまい、払込の証明が必要になったとき、スマホの画面スクリーンショットを印刷して提出するなどの手間がかかる。支払い完了を示す証跡が電子化されたデータだけであることに不安を覚える人に対しての配慮が必要になるかもしれない。


画面のイメージ。ここに表示されているバーコードをコンビニで読み取ってもらう。


スマホに保存されたバーコードデータに紐づく請求情報(金額や支払いの種類など)が管理できる。紙の払込用紙をバインダーで保管しておくようなイメージ。


支払い期限が近づくと通知してもらえるのもスマホを使ったサービスならでは。

*各画像はhttp://www.brees.co.jp/より引用

■本質は事務効率化ではなく画面に44ケタのバーコードを表示できること

 Fintechは、「膨大な金融機関の事務コストが削減できる」という効果がアピールされている。一方で、今回発表されたコンビニ支払サービスの本質は、「コンビニのレジスキャナで正確に44ケタのバーコードが読み取れるように画面表示すること」にある。したがって、紙に印刷したバーコードを電子化するニーズがあれば、同じように対応できることになる。例えばファミリーマートにある「ファミポート」やローソンにある「Loppi(ロッピー)」だ。いずれも音楽ライブのチケット発券などができるサービスで、これらの端末で申込手続きをすると、バーコードが印刷されたレシートが出力される。そのレシートをレジに持ち込んで、バーコードをスキャンしてもらい料金を支払うと、申し込んだチケットが印刷されて発券されるサービスだ。この利用シーンでは、(1)申込手続きしたバーコードレシート出力を電子化し、各端末から自スマホにデータ転送し、スマホ画面をスキャンしてもらえばよいことになる。

 
ローソンに設置されている端末Loppiとその端末で申込操作後に出力されるレシート。今回紹介した技術であれば、このレシート出力をペーパーレスにできる。ただしコストに見合うかはわからない。


コンビニで押される支払い済の印。紙であればこの印が押されたことで支払いの証跡になるのだが・・・。

 今回発表されたサービスをFintechとして表現した場合、今後に注目したいのは、「tech」の部分であるスマホ画面へのバーコード表示技術である。この技術がペーパーレス化にどのように寄与できるかがカギとなる。

取材・文/久我吉史

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