格安スマホ"第2章"は安さでなく中身で勝負する時代へ

格安スマホ"第2章"は安さでなく中身で勝負する時代へ

@DIME アットダイム

大手の半分から3分の1以下という、安価な料金で注目を集めてきた格安スマホ。ササービスを提供するMVNOの乱立によって一時加熱した値下げ競争も集束し、安さだけでない様々なアプローチで、他社と差別化しようという新たな動きが顕著になってきている。

たとえば先行期間を経て、10月から本格的にサービスインするLINEモバイル。「コミュニケーションフリー」のコンセプトのもと、LINE、Twitter、FacebookといったSNSへの投稿(テキスト、写真、動画)が、データ通信量にカウントされないプランを提供する。特定のサービスの利用がデータ通信量のカウントされないサービスは、大手キャリアにはない、MVNOならではのもの。ほかにも、複数の事業者が提供している。以下に紹介するのは、その代表的なものだ。

◆特定のサービスがノーカウントになる主なMVNO


LINEはさらに次のステップとして、LINEミュージックが使い放題になるプランも計画中。今後も自社外のサービス×FREEなプランを提供していくという。

このほかノーカウントになるわけではないが、LTE使い放題または大容量プランにサービスをセットにして提供しているケースもある。U-mobileでは自社が提供する音楽配信サービス「スマホでUSEN」をLTE使い放題とセットにした「USEN MUSIC SIM」(月額2980円)を提供。また10月から導入する、通信制限のかからない大容量プラン「U-mobile MAX 25GB」でも、「スマホでUSEN」をセットにしたプラン「U-mobile MAX 25GB エンタメプラス」(月額3980円)を提供予定だ。

FREETELは少し毛色が違うが、LINEモバイルやJ:COM、U-mobileが提供するのは、自社がもともと提供していたサービスを生かすもの。同様に楽天モバイルでも9月下旬から、子会社が提供するIP通話アプリ「Viber」のサービスをセットにした「050データSIM powered by Viber」の提供を開始する。自社の持つリソースを格安スマホと結びつけ、他社にはない強味にする戦略。これにはもちろん、LINEモバイルが「日本のスマホユーザーの拡大」を目標に掲げるように、自社サービスのユーザー拡大が、そもそもの格安スマホ参入の目的という側面もあるだろう。

一方で設備の増強によって通信品質を高めたり、他社にはない付加価値の提供を目指す動きもある。たとえばmineoでは10月から、一般のユーザーとは異なる専用帯域を割り当てることで、高速接続を実現する「プレミアムコース」の有料トライアルを実施する。モニターは11月末まで月額料金にプラス800円で、混雑しない快適なネットワークを利用できる。


ユニークな独自サービスを続々と打ち出すmineo。有料トライアル期間(10/1〜11/30)を経て、結果が良好であれば、12月以降正式サービス化するという。

また、U-mobileが今夏導入した「U-mobile PREMIUM」は、使用設備を従来のものから、定評のあるIIJが提供するものに変更することで、通信品質を向上させたもの。たとえばLTE使い放題プランの場合、従来のプランから料金そのまま月額2480円で、より快適なネットワークが使い放題となる。

U-mobileにMVNEとして設備を提供するIIJは、さらに「HLR/HSS」と呼ばれる加入者管理システムを、ドコモと連携して自社運営する計画を発表。これによってIIJは、これまでのようにドコモのSIMを借りるのではなく、自社で独自のSIMが発行できる日本初の「フルMVNO」になるという。独自SIMが発行できるようになれば、今後メーカーと協力してIoT機器にSIMを組み込むといったことも可能になってくる。


IIJが描く次世代のモバイルビジネスのイメージ。独自SIMが発行できるようになれば、SIMの組み込みやSIMを使った認証サービスの提供など、より幅広いビジネス展開が考えられるという。

サービスの提供は2017年度中を目指すとのこと。スマートフォンのさらなる普及やモバイル向けサービスの拡大、その先の未来も見据えつつ、安さだけではないMVNOの第二章が幕開けようとしている。

文/太田百合子

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