日本初の量産スポーツEV『トミーカイラZZ』、クラウドA.I.スマホ『Robin』の発売を仕掛けた「+Style」とは

日本初の量産スポーツEV『トミーカイラZZ』、クラウドA.I.スマホ『Robin』の発売を仕掛けた「+Style」とは

@DIME アットダイム

 ソフトバンクの「+Style(プラススタイル)」は、IoT(Internet of Things・モノのインターネット)製品などを作りたい会社と、IoT製品などを買いたいユーザーをつなげるプラットフォームだという。…よくわからない。笑

 まぁ、わかりやすくいえば、今までなかった面白いモノを作るための発信源。他では手に入らない商品が手に入るってワケだ。

■日本初の量産スポーツEVが世界のEV業界地図を描き換える

 クルマ好きなら忘れることができない名車がある。古くはワーゲン・ビートル、カウンタック、最近ではレクサスLFAやGT-R、ブガティ・ヴェイロンなんかが含まれるだろうか。そういうポピュラーな名車の陰に、知る人ぞ知る名車の数々がある。それがトミーカイラの『ZZ』だ。

 同車は1995年にリリースされた。アルミシャーシにツインチューブモノコックというシンプルな構造の車体に、日産製のSR20DE、2Lエンジンを改良し、ミッドシップした。車重は約700kgほどと極めて軽量のため、胸のすくような加速と軽快なハンドリングを実現した。

 由良拓也氏のデザインで個性あふれるライトウェイト・スポーツカーは200台ほど生産された後、しばらく休眠状態にあったという。そんな同車を、京都大学発のベンチャー企業「GLM」が電気自動車として現代に復活させたのだ。

 新生『トミーカイラZZ』の動力源となるプラットフォーム(モーター・バッテリー・車両制御ユニット・シャーシなどで構成する車体)を、GLMが開発し、量産車では日本初となるEVスポーツカーとして販売することとなった。

 EV版の『トミーカイラZZ』は、最大出力305馬力(225kw)のモーターを搭載する。車重も850kgに抑えられており、0-100km/h加速は3.9秒で可能と、時が経ても変わらぬ俊足が自慢だ。

 GLMの代表取締役である小間さん(上写真、向かって右)によると、完成車の販売だけでなく、外装部分(ボディーカウル)を除くプラットフォーム部分そのものも販売するという。モジュール化されているため、EV市場に新規参入を計画する企業がこのプラットフォームをベースとして開発すれば、自動車メーカーでなくてもEV開発を可能にする。

 このプラットフォームをベースにまずは『トミーカイラZZ』をGLMは開発したが、将来的にはモーターを2つにしたり、ホイールベースをストレッチして4人乗りのスポーツカーを作りだすことも可能だという。

 小間さんは「これからのクルマ社会は、フェラーリやポルシェなどを代表とするような高付加価値のモデルへ特化し、それ以外の量販モデルは『買わない』ようになるのではないか」と予測する。

 モノがあふれた現代は、重厚長大の時代から脱却し、少数で魅力的なモノ作りが主体になるという。そんな時代を先取った最先端のクルマ、『トミーカイラZZ』は、なぜか京都の古い町並みへ違和感無く溶け込んでいた。

■クラウドを使った“スマート・スマートフォン”

 iPhoneが火を着けたスマートフォン人気。今ではすっかり定着し、生活に欠かせないガジェットになっている。

 携帯電話回線を通して常にネットへ接続できるスマートフォンは、ローカル(スマホ本体にある記憶メモリ)にデータを必ずしも保存する必要がない。サーバー(クラウド)にあるデータへアクセスすれば、わざわざ重いデータを持ち歩く必要がなくなるのだ。

 そんなモバイルガジェットの利便性を活用するのが、サンフランシスコのベンチャー企業「Nextbit」が生み出したクラウドファースト・スマートフォン『Robin』だ。

 

 このキュートなSIMフリースマートフォンは、クラウドにデータをストレージ(保存)する。しかも、そのデータストレージのタイミングはA.I.(人工知能)が判断してストレージするというのだから、興奮する。

 クラウドとA.I.でつなげるインテリジェンスな機能が、こんなキュートなボディに収まっているとは…素晴らしい。

 共同創業者であり、CEOのトム・モスさんは、元GoogleのAndroid統括部長を務めたという。どうりでずいぶんとエキサイティングなテクノロジーが詰まっているわけだ。

 モスさんが言うには、Robinは“スマート・スマートフォン”だそう。スマートフォンよりもスマート(賢い)な次世代のスマートフォン・テクノロジーが、小さなベンチャー企業から生まれている。それがとてつもなく楽しい。

■仕掛けたのはこの人

 ネット時代のベンチャー企業が生み出す、世界技術革新。その一翼を担う、『トミーカイラZZ』と『Robin』の販売に関わったのが、ソフトバンクの「+Style」である。

 その生みの親は、サービスプラットフォーム戦略・開発本部担当部長の近藤正充さんだ。

 近藤さんはシリコンバレーのオフィスで働き、2015年3月に帰国。その際、「日本のモノづくりにはなぜか、モノが生まれる時にあふれ出るはずのワクワク感が薄い」と感じていたという。

 そこで、ソフトバンクのインターネット・流通・ケータイなどのノウハウを活用し、グループ全体のサポートを受け「+Style」を作りだしたのだ。

 2016年3月30日にオープンした「+Style」は、近藤さんの説明によると3つの機能でモノづくりをサポートしているという。

 まずは「プランニング」機能。こちらは企業が製品のアイデアなどをWeb上にアップして、それに興味を持ったユーザーの意見を反映し、一緒に製品を作り上げていくというもの。

 そして、「クラウドファンディング」機能を利用して資金を集め、「ショッピング」機能で実際に販売する。こちらはただ売るだけではなく、テストマーケティングなどにも利用可能だ。

 アイデアはあるが資金力に弱みを持つ企業と、お金はあるけれどモノに魅力を感じていないユーザーを結びつけ、今までなかった製品を作り出していくのが「+Style」流。文字通り“生活にプラスを与えてくれる”モノ作りが、世界の未来を変えていくはずだ。

文/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)

慶應義塾大学卒業後、アメリカンカルチャー誌編集長、アパレルプレスを歴任。徳間書店にてモノ情報誌の編集を長年手掛けた。スマートフォンを黎明期より追い続けてきたため、最新の携帯電話事情に詳しい。ほかにもデジタル製品、クルマ、ファッション、ファイナンスなどの最新情報にも通じる。

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