ASUS『Zenfone3』が搭載した「DSDS」はどこまで使える?

ASUS『Zenfone3』が搭載した「DSDS」はどこまで使える?

@DIME アットダイム

■連載/一条真人の検証日記

 ASUSの「ZenFone」シリーズは、現在、日本でもベストセラーになっているSIMフリースマホだ。10月にその最新モデルの『ZenFone3』シリーズの一部が販売される。『ZenFone3』ではなく、『ZenFone3』シリーズというのは複数の『ZenFone3』端末がラインアップされているからだ。『ZenFone3』が10月7日に発売され、『ZenFone3 Deluxe(以下Deluxe)』も10月下旬に発売される予定。前世代の『ZenFone2』はシリーズ展開はなく単体で発売されたのだが、最新の『ZenFone3』は台湾で5月に開催されたイベント「Computex Taipei」で無印(スタンダードモデルに相当)、Deluxe、Ultraの3機種が発表された。日本国内向けにはとりあえず、その中の2機種がリリースされるようだ。ちなみに『Deluxe』も2種類リリースされるため、台数的には3台がリリースされることになる。

『ZenFone3』がスタンダードモデル、『Deluxe』が高機能モデル、『Ultra』が大画面モデルとなる。聞けば、ユーザーのニーズに合わせて、ラインアップしたということだが、これが戦略的に成功するかどうかは未知数だ。これまでの「ZenFone」シリーズの高性能モデルは「決め打ち」というか、その時に発売される機種を選べば、最大の満足感が得られるという感じで、ある種、アップルのような戦略で上手なビジネスだという印象があった。それもあって、今回のように最初からラインアップを展開するのは、少しインパクトに欠ける気がしないでもない。

 さて、スタンダードモデルの『ZenFone3』はルックスからして『Deluxe』とは異なっている。『Deluxe』がメタリックな外装であるのに対し、『ZenFone3』は「ゴリラガラス3」を採用しており、ちょっと今までにないお洒落なデザインとなっている。


ASUSのスマホの中核モデルとなる『ZenFone3』。

■外観

 ガラス系の外装は、スタイリッシュな印象を与える一方で、強度的に不安を感じさせるが「ゴリラガラス」なので、安心して使えそうだ。角はラウンド形状になっており、手触りは悪くない。しかし、ガラスゆえの滑りやすさが気にならないでもない。ディスプレイサイズは5.2インチと比較的コンパクト。男性ならしっかりグリップできるだろう。

 カラー展開は、サファイアブラックとパールホワイトの2色で、僕が借りてきたのはサファイアブラックだ。「ゴリラガラス」の外装のせいもあり、角度によって印象がかわる。かなりお洒落な印象がある。このディスプレイの解像度は、フルHD(1920×1080ドット)でスタンダードなスマホとしては問題ない。一般のユーザーであれば、何の問題もない印象だ。表示クオリティーについては、発色もよく、十分なクオリティーだ。ボディー下部にあるUSB端子は最新の「USB-C」を採用しており充電も早い。


右サイドに電源とボリュームボタンがある定番レイアウト。


見る角度によって微妙に色が変わるサファイアブラック。


ついにUSB-Cに対応。


角の部分は丸まっている。

■やや不便なデュアルSIMスロット

 SIMスロットはサイドにあり、ピンでスロットを取り出すタイプ。ボディーの背面は、固定なのでバッテリーの交換はできない。このSIMスロットはnanoSIMとmicroSIMの両方に対応しており、さらにmicroSDメモリーにも対応している。だが、microSDのスロットはnanoSIMと共用なので、同時に使うことができない。この機種ではストレージが32GBしかないので、多くのユーザーはデジカメ機能で撮影した写真をmicroSDに保存したくなるだろう。そうなると、結局のところ、microSIM1枚しか使うことができなくなってしまう。


microSIM、nanoSIMが挿せるSIMスロット。


microSIMとmicroSDをセットした状態。

■DSDSとは?

 そして、この機種は「DSDS」に対応している。これはデュアルスロット・デュアルスタンバイという意味で、要は2つのSIMの機能を同時に使うことができるというものだ。ちなみに通信はどちらのSIMの通信を使うかを指定する必要がある。そのため、片方で通信、片方で通話のように使い分けることができる。例えば、ドコモの「かけホーダイ」プランを契約したSIMとMVNOのローコストなデータ通信SIMを挿して、効率よく使い分けることができる。

 また、最近ではMVNOでも楽天モバイルの「5分かけ放題オプション」のように、5分以内の通話ならかけ放題になるプランもあるので、普通のユーザーであれば、必ずしもドコモの「かけホーダイ」を選択する必要はないかもしれない。いずれにしても、前述のスロットの問題で、microSDを使うと2つのSIMが同時に使えないのは残念だ。


データ通信に優先的に使うSIMは選択する必要がある。

■カメラ機能と指紋認証

『ZenFone3』のカメラ機能の最大の特徴は、光学手ブレ補正に対応したことで、より手ブレがない写真が撮影できるようになった点だ。また、指紋認証機能を搭載しているのだが、処理は非常に高速でストレスがない。


指紋センサーは縦長だが実用面では問題なさそう。

 
指紋を登録しているところ。

■パフォーマンス

 この機種のプロセッサは、クアルコムの「SnapDragon625」のオクタコア。Antutuのベンチマークでスコアを計測してみると、62390だった。トップレベルのパフォーマンスというわけではないが、普通に使う分にはストレスなく快適に使える。


ベンチマークの結果。

 この機種は、5.2インチと最近の機種にしてはディスプレイが小さく、ボディーがコンパクトでハンドリングしやすいところがいい。パフォーマンスも実用性は十分でストレスなく使えるし、指紋認証も高速で快適だ。さらにカメラ機能が光学手ブレ補正になったので、手ブレすることなく使える点は評価できる。総じて、とても使いやすいスマホに仕上がっていると言えるだろう。3万9800円(税抜)という価格に相応しいパフォーマンス、クオリティーだ。『ZenFone3』は、気軽に、快適に、そして最新の格安スマホを探している人におすすめの機種だ。

■関連情報
https://www.asus.com/jp/Phone/ZenFone-3-ZE520KL/

文/一条真人

ITジャーナリスト。雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスONE」編集長などを経て現在にいたる。著書50冊以上で、近著は「はじめてのChromeBook」(インプレスR&D)。IchijoMasahto。本名:OSAMU SAKATA。

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