WWDC17で発表されたSiriの進化まとめ - ユーザーのことを、もっとわかってくれるようになる

WWDC17で発表されたSiriの進化まとめ - ユーザーのことを、もっとわかってくれるようになる

画像提供:マイナビニュース

●watchOSとmacOSにおける進化
Appleは6月5日(現地時間)、世界開発者会議「WWDC」の基調講演を行いました。盛りだくさんな発表内容のなかでも随所で存在感があったのが、音声バーチャルアシスタントの「Siri」です。

今秋を予定する各OSのアップデートでは、SiriがそれぞれのOSで重要な役割を果たすようになります。Siriの進化と新たな機能についてまとめました。

○watchOS: Siriを搭載したウォッチフェイスが登場

まずはApple Watchから。watchOS 4ではSiriを搭載したウォッチフェイスが登場。機械学習によって、ユーザーに最適な情報を先読みして表示するようになります。

Siriではありませんが、アクティビティアプリにも機械学習による新機能が搭載されます。現在のwatchOSでは、アクティビティゴールが達成されていない場合「あと少しです!」といった応援の通知が届くのみ。新OSではよりパーソナライズされ、新たに達成するための具体的な提案をタイミングよく通知します。

○macOS: SiriがApple Musicでユーザー好みの音楽を提供

現行のmacOS Sierraから、MacでもSiriを呼び出せるようになりましたが、新OSのmacOS High SierraやiOS 11では、さらに人間の言葉を流暢に話せるよう改善されます。

Siriの声は音声センターで収集された録音データベースがもとになっており、語句のつぎはぎによって返答の文章が作られます。新OSでは話す中身によって、イントネーションや抑揚も人間らしく変化し、表現力豊かになるようです。

Apple Musicを利用していれば、Siriがユーザー好みの音楽を学習し、おすすめの曲を提案してくれる機能も追加。Siriが音楽キュレーターとなり、「週末のパーティーに流すプレイリストを作って」といったリクエストにも応じてくれます。

●iOS 11で大きく変わる
○iOS: 翻訳機能と先読み提案でより賢く

iOS 11では、英語から中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語への翻訳機能に対応(ベータ版)。またmacOSと同じく、曲のリクエストをすると、Apple Musicから好みの音楽を選んで再生できるようにもなります。「この曲のドラマーは誰?」などの雑学にも答えてくれるそうで、SiriとApple Musicが音楽の楽しみ方をより深いものにしてくれます。

しかし音声面の機能拡張は想定の範囲内。AIによるSiriの進化は「先読み提案」がキーとなります。文脈を汲み取り、ユーザーの興味を分析し、どのようにデバイスを使うかを理解し、ユーザーが次に何をしたいか先読みする。それを基調講演では「Siri Intelligence」(Siriの知性)と表現しています。

Siriはホームボタンの長押しや、「Hey, Siri」で呼び出す画面以外のさまざまなシーンで活躍します。たとえばキーボードでは、最近チェックした映画、音楽、場所などの名前を入力候補に提案。Safariでは直前にブラウズした内容に基づいて次の検索候補を予測します。

開発者はSiriKitを使うことで、自作のアプリにSiriを統合できます。iOS 11では、メッセージやワークアウト、To-Doリスト、銀行の口座振替にいたるまで、さまざまなカテゴリをサポート。今後は他社製アプリでも、どんどんSiriとの会話で操作するようになるかもしれません。

●Siriは「知る人ぞ知る機能」から脱出
現在Siriを呼び出すには、ユーザーが声をかけたり、コントロールセンターを開いたりするなど、なんらかのアクションを起こす必要があります。Siriが何ができるかをあらかじめ把握できており、その中から特定の機能を呼び出して使っている人がほとんどではないでしょうか。

そのため、使い方を知らない人にとっては、何かやりたいことがあっても「Siriを使う」という発想すら生まれません。テクノロジーに疎い人たちでも会話で操作できる点がSiriの強みであるにもかかわらず、宝の持ち腐れ状態なのです。

Apple Storeでは定期的にApple製品の使い方をレクチャーするセッションが開催されていますが、取材するたびに参加者が「Siriにこんな機能があるなんて知らなかった」と驚く光景に遭遇します。だからこそ、AIを活用したSiri側からの能動的な先読み提案は、すべての人がSiriの利便性を享受できるようになる最大の進化であり、今回の発表はSiri史上最大のアップデートといえるでしょう。

ただ、あまりに先読み提案の頻度が高いと、「提案通知がうるさい」と敬遠されるリスクもはらんでいます。便利だと手放しで絶賛されるのか、"おせっかいアシスタント"キャラになってしまうのか、今秋のリリースを期待して待ちましょう。
(らいら)

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