ソニーストア福岡天神、オープンから1年が経過して

ソニーストア福岡天神、オープンから1年が経過して

画像提供:マイナビニュース

●有機EL「BRAVIA」などの先行体験を実施
現在、ソニーストアでは発売前の製品展示が目白押しだ。6月10日に発売予定の有機ELテレビ「BRAVIA A1シリーズ」や、これまでにない体験が可能な「Xperia Touch」など、銀座、名古屋、大阪、札幌、福岡天神のすべてのソニーストア店舗でこれらの製品のタッチ&トライが可能だ。

今回、筆者が訪ねたソニーストア福岡天神は、2016年4月にオープンしてから1年が経過したところ。ストアライブやトークショー、カメラ購入者を対象にした個別セミナーなど福岡天神店独自のイベントを開催し、それがソニーファンの増加につながっている。本稿では、ソニーストア福岡天神の店舗に展示されていた発売前の製品とともに、同店のこの1年の取り組みを紹介しよう。

○発売前に直接体験

ソニーストアはソニー直営の店舗で、ショールームとしての機能だけでなく、販売、サポート機能を有している。ソニーマーケティングの河野弘社長は、「ソニー製品の購入前、購入時、購入後という、購買に関わるすべてのプロセスにおいて関わっていくリアルの店舗がソニーストア」と位置づけている。ソニー製品を熟知した専門スタッフが接客対応する一方、ソニーの開発者などによる店頭イベントなども行っている。

そして、ソニーストアに欠かせない特徴のひとつが、最新のソニー製品をすべてを並べるだけでなく、発売前の製品もいち早く展示し、これらを直接体験できるという点だ。実際にこの時期、ソニーストアにはいくつもの発売前の製品が展示されている。

一つめは、6月10日に発売を予定している有機ELテレビ「BRAVIA A1シリーズ」である。BRAVIA A1は、2007年に世界初となる11型有機ELテレビ「XEL-1」を発売したソニーが、長年蓄積したノウハウを投入した新たな有機ELテレビだ。独自開発の4K高画質プロセッサー「X1 Extreme」を搭載し、高精細、高コントラスト、広色域を実現し、美しい映像を再現する。有機ELテレビならでの漆黒の黒と、約8mmの薄さという有機ELならではの佇まい。視聴している画面から直接音が出る新音響システム「アコースティックサーフェス」もソニーストアで体験可能だ。

そして、Android TVならではの機能も試すことができる。単にテレビ番組を見るだけでなく、ネット動画やアプリの利用、スマホ連動などによって、これまでとは違うテレビの使い方をソニーは提案している。ソニーの調査によると、Android TVを搭載したBRAVIAは、70%がインターネットに接続されており、これによって、視聴時間が月10時間以上伸びているという。また、音声検索の利用率も68%と高く、月平均利用回数は46.2回と、1日1回以上に達しているといった調査結果もある。「BRAVIAでは音声検索が一般化しており、これまでのテレビが受け身であったのに対して、能動的な使い方が増えていることを裏付けている」とBRAVIAならではの視聴の変化を示す。

ソニーストアでは1日数回、A1シリーズに関するミニセミナーを実施している。BRAVIAに精通したスタイリスト (ソニーストアのスタッフ) の説明を聞きながら、発売前の有機ELテレビをじっくり体感できるというわけだ。

BRAVIA A1シリーズは全国5店舗のソニーストア全店で展示されているが、ソニーストア福岡天神では、65型の製品を1階フロアのBRAVIAコーナーに展示しているほか、55型の製品をリビングを想定したシーン展示で体験できるようにしている。さらに、2階のシアタールームにも65型の製品を展示。まさに有機ELテレビならではの没入感を味わえる。実際にシアタールームで体験したことがきっかけで、購入予約をした人もいるという。

●Xperia Touchや防水ウォークマンも
○Xperia Touchや防水ウォークマンも

二つめは、Xperia Touch「G1109」である。Xperia Touchは、壁やテーブル、床などに画面を投写し、それをタッチして様々なアプリを利用できる新たな形のプロジェクターだ。複数人が同時に触れて操作できることから、家族や友人と一緒に楽しむといった新しいコミュニケーションを提案できるという。Xperia Touch は6月24日に発売される予定だが、その前に体験できるのはソニーストアだけだ。

三つめが、ウォークマン「NW-WS620」シリーズだ。内蔵メモリーに保存した楽曲の再生はもちろん、Bluetoothヘッドホンとしてスマホとつなげて使うこともできるスポーツタイプのウォークマンである。約32gの軽量ボディは、IPX5/8相当の防水性能に加え、海水やIP6X相当の防塵にも対応。雨中のランニングやプールでのスイミング、海や砂浜でもお気に入りの音楽を楽しめる。発売は6月10日。ソニーストア販売価格は1万3880円。

もうひとつが、Dolby AtmosおよびDTS:Xに対応した7.1chのマルチチャンネルインテグレートアンプ「STR-DN1080」である。ソニーストア福岡天神では、シアタールームで試聴可能であり、まさに、360度のサラウンド体験ができる。STR-DN1080を開発したソニーの渡辺忠敏氏が直接出向いて、スピーカーのセッティングを行ったという。STR-DN1080の発売は6月17日。ソニーストア販売価格は77,800円となっている。

●ソニーファンを増やすための秘訣
○九州市場の特性に合わせて

今回取材したソニーストア福岡天神は、全国4店舗目のソニーストアとして、2016年4月1日にオープン。当時は、アップルストア福岡天神の目の前への出店という立地が大きな話題を集めた。同店では、福岡を中心とする九州市場の特性を捉えて、開店当初から、音楽と写真(カメラ)にフォーカス。それにあわせて福岡天神店ならではの様々なイベントを開催してきた。

なかでも、店舗内の什器が移動式になっていることを生かし、店内に特設ステージを設置して行われるストアライブは同店ならではのものだ。開店1周年を迎えた2017年4月1日にも、記念ストアライブを開催。ソニー・ミュージック所属のアーティストである住岡梨奈さんがミニライブを行い、地元の音楽ファンを集客。さらに、地元アイドルユニットの10神ACTORのサカタケントさんや、同じビル内にある福岡市立中央児童会館「あいくる」で結成された女子高校生バンドがミニライブを行い、開店1周年を盛り上げた。これ以外にも、ミニライブは随時開催しており、音楽発信の場としても、徐々に定着してきたようだ。さらに、シアタールームを活用した月1回の定期試聴会のほか、クラシックの集い、アニソン視聴会を定期的に開催。ハイレゾならではの音の響きを体験することができる場になっている。

また、写真についても、α PLAZAを、昨年12月から、ショップインショップの形態で開設し、ソニーのすべてのカメラやレンズを展示し、試用できるようにしているほか、メンテナンス技術を持った専門技術者を常駐。プロカメラマンからハイアマチュア、初心者に至るまで、様々な要望に対応できるようにしている。この体制を活用して、全国のソニーストアとしては初となる「αプライベートレッスンチケット(30分)」を、α6000シリーズ購入者にプレゼント。スタイリストと1対1で、カメラの使い方や撮影のポイントなどを無料で教えている。今後、他の機種でも同様のプライベートレッスンを受けられるサービスを検討中だという。

そのほか、α PLAZAでは、この時期に撮影にお勧めのスポットを紹介するマップを掲示。「九州には多くの自然があり、撮影スポットも多い。ソニーストア福岡天神のスタイリストも、自らαを持って撮影に出向いている」(ソニーストア福岡天神の高田和子店長)という。高田店長も休日には写真撮影に出向き、その作品を応募するといったこともあるという。店長やスタイリストが自ら実践する店舗である点も特徴だ。

2階のギャラリーでは、プロカメラマンや写真家による写真展を随時開催。6月は、八ヶ岳でフクロウを保護しながら、写真を撮り続ける写真家の斉藤嶽堂氏による「ふくろう 緑の森に棲む賢者」と題した作品展が行われている。さらに、1周年企画として、今年3月には、九州および山口をテーマにしたαフォトコンテストを開催。約100点の応募のなかから、写真家の中西学氏が選んだ入選作15作品をαPLAZAおよび2階のコミュニティルームに展示している。

また、写真におけるユニークな取り組みのひとつが、ストリートスナップの撮影サービスだ。ソニーストア福岡天神の店舗の前を通りかかった人を、αを使って撮影し、写真をプレゼントするもので、クリスマスや正月、バレンタインディなどに合わせて実施している。最初は、ソニーストアの2階にあがってもらい撮影をしていたが、なかなか集客が難しいということもあり、ソニーストアの1階入口で写真撮影を行うスタイルに変更。それによって、多くの人が参加する人気イベントのひとつになった。高田店長によると、「また、写真撮影サービスをやっているんですね」「次回も来たい」という声が出るほど定着してきたという。

ソニーストアが福岡に出店してからの1年間で、九州地区におけるソニーのプレゼンスは上昇しているという。九州全域の量販店の担当者に向けたセミナーを、ソニーストア福岡天神の店舗を使いながら実施することで、製品に関する知識を高めてもらったり、事前に新製品を体験してもらう場を作ったりすることで、ソニー製品に対する量販店の売り場スタッフの理解が向上。量販店でのソニー製品の販売にも弾みがついているという。

さらに、それぞれのコーナーがコンパクトに1フロアに収まっているのもソニーストア福岡天神の特徴を生かして、スタイリストが複数の製品について説明できる環境を実現。「スタイリストが複数製品の説明を行ったり、組み合わせ提案を行ったりといった動きが出ている」という。地齋、αで撮影した写真を、BRAVIAで見て楽しむといった提案なども増えているという。

一方で、地元企業との連携も強化。現在、福岡に本社を置く家具メーカーの広松木工とのコラボレーション展示を行っており、BRAVIAやオーディオシステムとともに、同社のソファやテーブルなどを展示し、空間としての提案を行っている。また、福岡を拠点として展開しているカメラアクセサリーブランド 「ULYSSES」とソニーストアのコラボレーションとして、地元の伝統工芸である博多織を用いた「パソコンケース」、「アクセサリーポーチ」を商品化。新たに博多織オリジナルアクセサリー第2弾 として、「博多織カメラストラップmemento(メメント)」も発売した。博多織の生地は、博多織織元のなかで最も長い歴史を持つ老舗メーカーの西村織物の協力を得たという。

こうした地元企業とのコラボレーションも進めながら、ソニーストア福岡天神では、今後も、音楽と写真を中心に、九州、中国エリアでのソニーファンづくりに取り組む考えをみせている。
(大河原克行)

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