クアルコムが最新のオーディオ用チップセットを解説 - 「スマートスピーカー」「ヒアラブル」を後押し

クアルコムが最新のオーディオ用チップセットを解説 - 「スマートスピーカー」「ヒアラブル」を後押し

画像提供:マイナビニュース

クアルコムは20日、最新オーディオ関連IoTソリューションの説明会を開催。スマートスピーカーやワイヤレスヘッドホンなど、同社が展開するオーディオ向けチップセットの特長について説明した。

Voice&Music部門のゼネラルマネージャーを務めるAnthony Murray氏は、オーディオを取り巻く状況としてストリーミングとワイヤレス指向の高まり、そして音声でさまざまな制御を行う「スマートスピーカー」「ヒアラブル機器」の登場があると指摘。そのトレンドを踏まえ、クアルコムでは5つの新しいプラットフォームを定義したと説明した。

5つのプラットフォームとは、プレミアムクラスのBluetoothヘッドホン/スピーカー用SoC「CSRA68100」、エントリークラスのBluetoothヘッドホン/スピーカー用SoC「QCC3xxx」、USB Type-Cヘッドホン/スピーカー用SoC「WHS9420/9410」、ボイスUIに対応したスマートオーディオプラットフォームのこと。ストリーミングやワイヤレス、ヒアラブルといった要素に対し、これらプラットフォームによりオーディオメーカーのニーズに応えることがクアルコムの基本方針というわけだ。

○CSRA68100

従来は書き換え可能なフラッシュメモリを搭載したチップと、ROMを搭載し機能/用途で選択するチップの大きく2タイプに分かれていたが、今後はフラッシュメモリを搭載したチップを多機能かつプログラマブルな設計自由度が高いプレミアム向けに、設計自由度は劣るものの低コストかつ迅速な製品化が可能なROM搭載チップをエントリー向けに展開する。

CSRA68100はプレミアムクラスのフラッシュタイプSoCで、独自アーキテクチャ「XAP」ベースの32bitアプリケーションプロセッサを2基、DSPを2基搭載(前世代はCPU×1/DSP×1)。処理能力は前世代SoC (CSR8675)の4倍となり、音声検知などより広いユースケースに対応できるという。エコーキャンセリングや音声のポストプロセッシングなど複雑な処理にも対応でき、高音質なオーディオ再生も可能にする。「aptX HD」やソニー独自の「LDAC」といったハイレゾ相当のコーデックに対応する場合も、このSoCを利用することになりそうだ。

○QCC3xxx

QCC3xxxシリーズは、エントリークラスのBluetoothヘッドホン/スピーカー用SoCとして展開。8モデルを用意し、うち3モデルはスピーカー、5モデルはヘッドホン向けとされる。CSRA68100ほど自由に機能のカスタマイズはできないが、採用メーカーが開発コストを下げられるよう機能を作り込んでいることが特長。aptXやcVcノイズキャンセレーション、True Wireless Stereoなどの技術もサポートされる。

○WHS9420、WHS9410

ヘッドホンジャックを廃止するスマートフォンの増加を受けて開発された、USB type-C接続のヘッドホン/スピーカー向けSoC。WHS9420はミッドからハイクラス向けとされ、PCMは192kHz/24bitまで対応、DSDの再生も可能という高いオーディオ性能を持つほか、アクティブノイズキャンセリング機能をサポートする。WHS9410はエントリークラスながら、高いオーディオパフォーマンスを実現するという。

○Qualcomm Smart Audio Platform

ネットワーク対応のスマートスピーカー向け開発プラットフォーム。ベースとなるSoCはAPQ8009とAPQ8017 (SnapDragonのアプリケーションプロセッサ)であり、応答性の高い音声起動やビームフォーミングによる複数マイクを用いた音声処理、ノイズキャンセリングなど多様な機能を提供する。提供開始は2017年第3四半期の予定だ。

クアルコムが提唱するマルチルームオーディオ規格「AllPlay」、ハイレゾ相当のBluetooth/A2DPコーデック「aptX HD」がサポートされるほか、新世代DDFAの駆動も可能とのこと。高い演算能力は、DolbyやDTSなどサラウンドフォーマットの信号処理にも対応できることから、サウンドバーやネットワークオーディオ機器にも応用可能と説明した。

○DDFA(CSRA6620)

クラスDアンプを採用したフルデジタル設計のオーディオアンプ。前世代のDDFAはPWMモジュレーターとフィードバックプロセッサーに分かれていたが、音質向上を図りつつシングルチップ化を実現したことにより、ポータブルアンプやヘッドホンなど小型機器への搭載も可能になった。

最大384kHzのPCMだけでなく、DSDネイティブ再生もサポートされ、DSD 128(5.6MHz)まで再生できる。新世代DDFAを先行採用したデノンのヘッドホンアンプ「DA-310USB」では、DDFAによるDSDネイティブ再生はサポートされなかったが、今後はDDFAのみでDSDネイティブ再生を実現するオーディオ機器が登場する見込みだ。

質疑応答では、プレミアムクラスとエントリークラスの機能差に関する質問に対し、低遅延が特長のオーディオコーデック「aptX Low Latency」を例に説明。対応できないチップがあるにしても、映像や音声の同期はSnapdragonシリーズの技術で補完可能であり、クアルコムが提供する製品間の連携で柔軟に対応できるとした。
(海上忍)

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