諭吉先生が降ってこないかな - ソニーのG Master超望遠ズーム「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」

諭吉先生が降ってこないかな - ソニーのG Master超望遠ズーム「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」

画像提供:マイナビニュース

●大変いい仕上がりのレンズ
……空から諭吉先生が降ってこないじゃろか……。編集部から突然と渡されたソニーのミラーレスカメラ「α9」と、G Masterレンズ「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS(SEL100400GM)」。テキトーに1ショットしたあと、自然と口から漏れたセリフだが、大変いい仕上がりだ。前回はα9の機能面を中心としたレビューをお届けしたので、今回はSEL100400GMにフォーカスしてみよう。

201mm以上の望遠とはあまり縁のない撮影ライフを送っているが、そこをすっ飛ばして物欲を刺激された。α9に合わせて発表しただけあり、スポーツシーンを中心に狙うレンズではあるものの、最短撮影距離98cmでオールラウンダーっぽさもある。悩ましい存在がフルサイズEマウントのラインナップに追加されたといっていいだろう。

○重心はマウント接続部に寄るため、振り回しやすい

SEL100400GMは「GM」とあるように、G Masterに属するレンズだ。「FE 24-70mm F2.8 GM (SEL2470GM)」や、「FE 70-200mm F2.8 GM OSS(SEL70200GM)」での使用体験から浮かんだイメージをキープしてよく、以下のサンプルからもわかるように、解像感とボケ味のバランスがいいレンズだ。サイズは93.9mm×205mm、重量1,395g。

α7以降のボディではお約束となっているフロントヘヴィだが、重心はマウント接続部に寄っており、SEL2470GMをセットしたときと似ていると感じる人もいるだろう。それもあり、400mmにズームした状態でもホールドはしやすく、かつ振り回しやすい。このあたり、店頭展示機でテストしてみてほしい。

レンズ構成は16群22枚、フローティング機構を採用して全域で最短焦点距離98cm、最大撮影倍率0.35倍を達成している。絞り羽は9枚、フィルター径77mm、レンズ内手ぶれ補正機構搭載といった概要だ。F値は4.5〜5.6で、最小絞りはF32〜40となっており、開放から良好な描写が魅力だ。

フォーカスについては、レンズ内前方にダイレクトドライブSSM、後方にダブルリニアモーターを搭載しており、気持ち悪い速さでフォーカスが合う。α9を前提にしている感はあるのだが、α7R IIやα6500でも十二分に素早く、動体をよく撮影するのであれば、重点的にチェックしてほしい部分だ。なお、2×Teleconverter(SEL20TC)にも対応する。

●ぼけ味をチェック
ここからは、京成バラ園での撮影データを中心に見ていこう。ボケ味については、軽く前述したが、GMレンズらしい描写。接写時の背景の溶け具合は大変いい。前ボケも扱いやすく、動体はあまり撮らない人にもフィットするだろう。

ただ、ぐるぐるボケがわかりやすいため、背景パターンによっては絞るか、画角を変える必要があるだろう。気になったのはその点くらいだ。3つのフォーカスホールドボタンそれぞれに、機能を割り振れるといいなとも感じたが、ファームウェアアップデートで可能なようなら期待したい。以下、京成バラ園でのデータは、すべてα7R IIの「クリエイティブスタイル:Standard」のものだ。

●動体だけでなく、ますます進むであろう高画素化にも対応
テストが短期間であったため(2週間はほしい)、撮影シーンは偏ってしまっているが、フットワークについては、ドラマのスチル撮影時に助かった。複数台のビデオカムの間から役者を狙うシーンではフォーカス速度に助けられているし、重心具合から1日中振り回しっぱなしでも、それほど疲労は蓄積せずと長期戦向けというのも体感できた。もちろん、通常のフォーカス、瞳AFはどの焦点域でも素早いもので、そのあたりの細かい作業をショートカットできるのもあっただろう。

下記データはα9、もしくはα7R IIのものになり、42MP(メガピクセル)画素にも余裕で耐えているのは、先のテストデータからもよくわかるハズだ。次期R付きのモデルが怖い。なお感覚つかみ用の一部データは、flickr上で紹介している。

○動体だけでなく、ますます進むであろう高画素化にも対応

α9と同時期の発表であったため、もっぱら動体用のイメージが優先されてしまうが、移動しながらの風景や小物撮影にも向くレンズだ。最短焦点距離98cmのおかげで、スナップ的にもブラブラと撮影できる。また、α7R IIで撮影している感じでは余力をもっており、今後の高画素化も視野にいれているようだ。この点は、ソニー自体がセンサーカンパニーで、ロードマップを踏まえたレンズ設計を行える強みの現れともいえる。

発売は2017年7月28日を予定しており、希望小売価格は320,000円+税となっている。ボーナスの投入候補になっている人もいそうだが、「FE 12-24mm F4 G(SEL1224G)」や「FE 16-35mm F2.8 GM(SEL1635GM)」もスタンバイと、悩ましい状況下にある(ようやくだが)。動体以外の撮影もよくするのであれば、展示が出そろってから判断してもいいだろう。動体中心であれば、迷わず、先行予約を狙っていい。それくらい快適なレンズだ。
(林佑樹)