ニッポン放送が手がけるラジオ「Hint」- リスナーのスマホにURLを届ける仕組みとは?

ニッポン放送が手がけるラジオ「Hint」- リスナーのスマホにURLを届ける仕組みとは?

画像提供:マイナビニュース

●「Hint」とは何か
ニッポン放送、Cerevo、グッドスマイルカンパニーが共同開発したラジオ「Hint BLE Radio」(以下、Hint)の完成発表会が20日、ニッポン放送のイマジンスタジオで行われた。クラウドファンディングを通じて開発された製品ながら、9月初旬には一般向けにも発売される。希望小売価格は税別22,000円。

○Hintって何?

Hintは、ニッポン放送のアナウンサーである吉田尚記氏が発起人となり開発がスタートしたラジオ。部屋のどこに置いてもクリアな音が広がるという、無指向性の3WAYスピーカーを搭載。ワイドFMにも対応する。スマホやPCの音楽をワイヤレス再生するBluetoothスピーカー機能も搭載する。またLINE IN入力端子を備えており、音楽再生機器とケーブルでつないで音楽を鳴らすこともできる。

ユニークな機能として、DTMF音(電話のダイヤル音)を利用してスマホに情報を送受信できるトーンコネクトに対応、またBluetooth Low Energyのビーコンを用いたGoogleの規格「Eddystone」をサポートし、スマホ連携が可能になった。これにより、放送中にDTMF音を流し、リスナーのスマホにURLを直接届けることができる。ニッポン放送では将来的に、本機能を活用した放送を検討しているという。

●ラジオがURLを放送する時代に
○ラジオがURLを放送する時代に

Hintは、2016年7月20日にクラウドファンディングをスタート。結果的に1,250人の支援者を集め、支援額は目標の1,300万円を大幅に超える3,000万円に到達した。開発資金に余裕ができたことで、スピーカーの性能も向上できたという。ニッポン放送の吉田尚記氏は「ニッポン放送は電化製品を作る会社ではありません。そのため、今回はプロダクトの開発を通じて初体験がたくさんあり、とても勉強になりました」とコメント。

この苦労話に応じたのは製造を担当したCerevo代表取締役の岩佐琢磨氏で、「中国の工場では金型が壊れてしまい、その作り直しにも大変苦労しました。中国で検品済みの完成品を、鳥取の国内工場でも念を入れて再検品するなど、万全を期しています」と明かした。

岩佐氏によれば、クラウドファンディングのメリットは、開発中であっても支援者の声を適宜活かせるところだという。バッテリー内蔵にしたのも要望を反映した結果だった。そんな岩佐氏のオフィスに入り浸りで開発に没頭していたのは、デザインのみならず音響も担当したデザイナーのメチクロ氏。同氏は「スピーカーの構造としては変則的になったが、声に特化した音づくりを目指した。声の帯域(具体的には400Hz近辺)を大事にして、盛るところ削るところを調整した結果、声の伸びが良くなり相当良い音で鳴るようになった」と自信を見せる。

グッドスマイルカンパニー代表取締役社長の安藝貴範氏は「クラウドファンディング開始当初は支援が集まらず、どうなることかと思いました。吉田さんが鬼気迫る勢いで支援を呼びかけ、後半に一気に集まった。開発しながらスピーカーの設計も良くなっていきましたね」と総括した。

前述の通り、HintではリスナーのスマホにURLを届けることができる。これについて、吉田氏は「ホームページにダイレクトに誘導できる。アーティストの情報、楽曲ダウンロードページ、ECサイトに誘導できるほか、番組中にノベルティも配布できる。ラジオがURLを放送する時代になるのでは」とアピール。アイデア次第で様々な活用ができるとして、今後の展開に期待を寄せた。

発表会の最後には、ニッポン放送に出演の多い人気声優として野島健児さん、田所あずささん、中村繪里子さんがゲストで登場。クラウドファンディングの支援者に限定で販売されるサイン入りのHintの紹介などを行った。

○スピーカー単体としても充分に勝負できる

声にフォーカスしてチューニングされたHintだが、音楽はどう聞こえるのだろう。メチクロ氏は「人の声だけでなく、アコースティックギター、弦楽器、ホーン、シンバルなどもよく鳴る印象です。ダンスミュージックを再生して低音がガンガンと出るようなスピーカーではありませんが、一般的なポップスなら思う存分に楽しめます。音の解像度が高く、スピーカー単体としても充分に勝負できる製品になっています」と説明。

1日中聴いていたいほど、ラジオが好きという中村繪里子さんは「テレビでアニメを見ながらラジオを同時に聞くこともあります。Hintは人の声がクリアに聞こえるので、テレビの音とぶつかりません。どちらの情報もスッと入ってきて、うるさくないので長時間聴き続けられる」と独特の使用法を明かして会場の笑いを誘った。またスピーカーが無指向性のため、窓際に置くと部屋でもベランダでもラジオが楽しめる、と喜んでいた。
(近藤謙太郎)

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