プロジェクターの据え置きに向く人、ポータブルに向く人の見分け方

プロジェクターの据え置きに向く人、ポータブルに向く人の見分け方

プロジェクターの据え置きに向く人、ポータブルに向く人の見分け方の画像

ハードウエアスタートアップのpopIn(ポップイン)から、LEDシーリングライト一体型プロジェクター「popIn Aladdin(ポップイン アラジン)」シリーズの最新モデル「popIn Aladdin 2」(直販価格:9万9800円)が登場した。

「ポップイン アラジン」シリーズは、日本の家庭のほとんどにあるシーリングライト取り付け金具に直接装着できるシーリングライトに、LEDプロジェクターを内蔵したという画期的なコンセプトだった。しかし、初代モデルは設置する部屋によっては思ったほどの大画面にならないことや、下がり天井(天井の一部が低い場所)などがあるとうまく投写できない場合があるなど、設置場所の制約が決して少なくなかった。

2世代目では、初代よりも単焦点なプロジェクターを内蔵したことで、投写距離が短くても大画面を実現できるようになったことに加えて、画面の上下調整範囲も最大18度から32度までアップ。解像度もハイビジョン(1280×720ピクセル)からフルハイビジョン(1920×1080ピクセル)に向上したという。

新モデルになって、どれだけプロジェクターとしての使い勝手や画面サイズが変化したのだろうか。筆者の自宅で検証してみることにした。

ポップインは「ポップイン アラジン」シリーズのほか、Polarの小型プロジェクター「Polar Z6」にポップイン アラジンのOSを内蔵した「Z6 Polar Meets popIn Aladdin」(実勢価格:5万9800円 ※2020年5月15日生産終了)もラインアップしている。こちらは電源をオンにするだけで、すぐに投写できるポータブルプロジェクター(バッテリーは非搭載)という位置付けだ。

とはいえ同じ使い勝手で使えるということで、この2シリーズはどのような魅力があるのか、プロジェクター初心者にも簡単に扱えるのか、検証してみよう。

 
■約1.8mの投写距離で約100インチの大画面を実現
まずは初代モデルの「ポップイン アラジン」から見ていこう。筆者の自宅は壁が白くてすべすべになっており、スクリーンを設置しなくても十分にそのまま投写できるようになっている。部屋によっては投写したい場所にクローゼットやふすまがかぶるため、リビングだけはそのような状態でラッキーだった。

照明の取り付け金具から壁までの距離ははっきりとは分からないが、約1.8m弱といったところだ。

シーリングライトを取り付けたことのある人であれば、装着自体はとても簡単に行える。ただし一般的なシーリングライトに比べて重い(約4.9kg)ので、取り付け時にバランスを崩して落としてしまったりしないように細心の注意を払う必要がある。

初代と2代目の使い勝手はほとんど同じなので、最大の違いである「画面サイズ」を最初に比べてみよう。

筆者宅で初代モデルを投影したところ、画面サイズは約60インチ程度になってしまった。すぐ横にある液晶テレビが55インチなので、ほとんど同じサイズだ。確かにテレビよりは大きいが、わざわざ導入するほどの魅力が感じられなかったのも確かだった。

一方、「ポップイン アラジン2」に付け替えてから設定を済ませたところ、画面サイズは約98インチにまで広がることが分かった。ほぼ100インチともなると、よほどお金に余裕のある家庭でもない限り、テレビとして部屋に設置することはできない。これがシーリングライト・送料込みで9万9800円で手に入るのなら悪くないかもしれない。

■画面に従うだけで設定も手軽
ここからは「ポップイン アラジン2」の手順を紹介していこう。取り付けてから壁スイッチを使って電源をオンにすると、リモコンのペアリングを要求する画面が表示され、音声が流れ始める。

指示の通りにペアリングを済ませたら、まずはフォーカスを調整していく。リモコンの下部に音量ボタンをフォーカス調整ボタンに切り替えるスイッチがあるので、それを切り替えたら音量ボタンでフォーカスを調整できる。

細かい調整はフォーカスチャートなどを表示して後で行うとして、ある程度進めたら次に画面の上下調整や台形補正(斜めに投影する場合は画面がゆがむため、この調整が必要になる)を行う。

さらにWi-Fiの設定を済ませればすべての設定は完了だ。あとはNetflixやHulu、Amazonプライム・ビデオ、DAZN(ダ・ゾーン)など、利用している動画配信サービスのアカウント設定などを済ませれば、大画面でさまざまなコンテンツを楽しめるようになる。そのほか、YouTubeなどの利用も可能だ。

 
■ネットワーク対応レコーダーさえあればテレビの視聴も可能
「ポップイン アラジン」シリーズは入力端子を備えていないので、接続はワイヤレスのみだ。PlayStation 4やNintendo Switchなどをはじめとするゲーム機の映像を大画面で楽しみたいという人には向かない。

BDレコーダーやプレーヤーなどの接続もできないが、その代わり“ホームネットワーク機能”を搭載する「BDレコーダー」などの機器がホームネットワーク内にあれば、ネットワーク経由でレコーダーのチューナーを利用してテレビ放送をリアルタイム視聴したり、レコーダーに録画した番組を再生したりすることができる。

大画面でゲームを楽しみたいという人だけはどうしても対象外になってしまうものの、ちょうどいい置き場所がないけどプロジェクターを楽しみたいという人には最適のモデルだと感じた。

初代モデルはやはり設置場所によって実現できる画面サイズに難があったが、2代目はかなり大型化したことで、その弱点が解消され、魅力が一気に倍増したという印象を受けた。

■サッと取り出してすぐに楽しめる「Z6 Polar Meets PopIn Aladdin」
「ポップイン アラジン 2」は。設置する部屋のサイズやシーリングライト取り付け金具の場所によって、思うような画面サイズを実現できない場合があるが、ハマりさえすれば最高のパフォーマンスを見せるというのがお分かりいただけたかと思う。

一方で、どんな部屋でも安心して設置できるのが、コンパクトな“ポータブルプロジェクター”だ。ポータブルといっても、バッテリーを内蔵するような超小型タイプではない。カバンに入れて持ち運ぶことで、出張先などでもプレゼンなどに使えるというのがポータブルプロジェクターの魅力の一つとなっている。

本体下部には三脚穴が付いており、三脚に取り付けて投影するといった使い方もできる。家具の上や中に設置するだけでなく、こういった設置ができるのは魅力だろう。

筆者宅でも最初は三脚に取り付けて投写してみた。電話機置き場のスペースに設置した棚の上から投写すると、画面サイズ的にも最高のパフォーマンスを実現できることが分かり、そこに設置してみることにした。

部屋の壁よりもさらに奥まった場所に設置できたため、画面サイズはなんと約110インチを実現。すぐ隣にある液晶テレビが55インチだから、縦横2倍、つまり4倍もの画面サイズを実現したというわけだ。

これを使ってNetflixやAmazonプライム・ビデオなどで映画を視聴すると、約110インチという、そのサイズ感は圧倒的だ。

また、「Z6 Polar Meets popIn Aladdin」の魅力は、有線接続もできる点にある。試しにNintendo Wii UとNintendo Switchを接続してみたが、約110インチの大画面で楽しむ『スーパーマリオ オデッセイ』や『カラオケ JOYSOUND for Wii U』はかなりの迫力だった。

「ポップイン アラジン」シリーズ共通の魅力として、オートフォーカス機能も挙げられる。必要に応じて取り出して使うといった“家庭内ポータブル”スタイルで使ったとしても、電源をオンにして壁に向けるだけでフォーカスを自動調整してくれる。

いつもの場所に設置すれば、台形補正も最初だけでいいので、電源に繋げるだけですぐに使えるというのはうれしい。置き場所にさえ困らなければ、価格が安くて有線接続もできる「Z6 Polar」は、かなり魅力的な選択肢ではないかと感じた。
*  *  *
筆者宅の場合、画面サイズの大きさと有線接続が可能な点、コストパフォーマンスにおいて「Z6 Polar」の方が優勢だった。約3m(Z6 Polarの投写距離は110インチで3.07m)の距離で投写できたため、画面サイズがそれだけ大きくなったというのが勝因だった。

ただし「ポップイン アラジン 2」に比べて「Z6 Polar」は投写距離が長いため、設置場所によっては前者の方が大画面を実現できる場合も考えられる(実際、あと30cmほど短かったら約100インチになり、ほぼ一緒だった)。

どちらもプロジェクター導入のハードルを低くしたなかなかの良品だと思えるが、購入を検討する場合は設置場所と壁面のサイズ、投写距離などをしっかり吟味してベストな選択をしてほしい。

 

>> ポップインアラジン

[関連記事]
自宅で手軽に大画面を楽しめるプロジェクター4選【コスパ最強モノ】?

何このポータブルプロジェクター、 映像にペンで書き込めるぞ!?

これがプロジェクターの新しいカタチ?コードレスで投影する場所も選びません!?

取材・文/安蔵靖志

安蔵靖志|IT・家電ジャーナリスト 一般財団法人家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー、スマートマスター。AllAbout家電ガイド。ITや家電に関する記事執筆のほか、家電の専門家としてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。Facebookはこちら

 

関連記事(外部サイト)