電子レシートの実証実験、町田市で開始 - 標準規格化の検証を実施

町田市で電子レシートの実証実験を開始 既存の家計簿アプリに利用も

記事まとめ

  • 東京都町田市で2月13日から、レシートを電子化する実証実験を東芝テックが開始
  • 参画する小売店舗の事業者は、ミニストップ、東急ハンズ、三徳、ココカラファインなど
  • 専用アプリだけでなく、既存の家計簿アプリで消費者自身の家計管理に利用可能

電子レシートの実証実験、町田市で開始 - 標準規格化の検証を実施

電子レシートの実証実験、町田市で開始 - 標準規格化の検証を実施

画像提供:マイナビニュース

買い物をするたびに受け取るレシート。財布を圧迫する紙の束の管理に、困った経験のある人も多いかもしれない。

このたび、そんなレシートを電子化する実証実験が、2月13日より東京都・町田市で開始された。本稿では同日に実施された記者会見および実店舗での実演の様子をお届けする。

○町田の多様な店舗で電子レシートを利用可能に

この実証実験は、経産省とNEDOの「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」の一環として、東芝テックが委託事業者として行うもの。町田市内のコンビニエンスストア、ドラッグストア、雑貨店など業種・業態が異なる小売店舗において共通の電子レシートアプリを利用可能とすることで、一般消費者による電子レシート活用を促し、そのデータを取得する。

店舗で購入したものの情報がアプリ内に蓄積されていく

また、電子レシートによる購買履歴は、専用アプリの閲覧のみではなく、既存の家計簿アプリにおいて、消費者自身の家計管理に利用可能。LINEのトークルームからも電子レシートの取得用バーコードの表示を可能にするなど、今現在使われているアプリとの連携が行える。

参画する小売店舗の事業者は、ミニストップ、ウエルシア、ココカラファイン、東急ハンズ、三徳、銀座コージーコーナー。電子レシート情報を利用可能なスマートフォンアプリは、家計管理アプリ「マネーフォワード」と「レシーピ!」、クラウド経費精算サービス「Staple」、買い物補正アプリ「シル+」、コミュニケーションアプリ「LINE」、販促アプリ「ガッチャモール」となっている。
○電子レシートの標準規格化を検証

今回の実証実験では、単に参加する事業者が共通のシステムを導入したことで実現したものではなく、経産省の策定した電子レシート標準規格の検証を実施することが本題となる。

これまで各社が個別に開発し、相互互換性の無かった購買情報を、標準データフォーマットによって電子化することで、利用者を起点とした電子レシートの統合管理を可能にする。また、標準APIを適用することで、アプリ間のデータ連係を行えるようにし、購入先の企業やアプリケーションの垣根を越えた利用を可能にする。このAPIの仕様書などは経産省のWebサイトなどから無償で参照可能な状態にし、社会実装を促していくとのことだ。

また、実証実験におけるデータの収集にあたり、プライバシー保護の観点からKDDI総合研究所開発の「プライバシーポリシーマネージャー(PPM)」を導入。消費者自身が決めたポリシーに応じて、レシート情報のマスク処理機能、提供状況の可視化機能、わかりやすさに配慮した利用規約などが提供される。

参画企業のひとつであり、スーパーマーケットを展開する三徳 成瀬店では、売り場に設置したカメラの映像から個人を特定できないデータのみを抽出して人流解析を行うほか、温度・湿度・照度のデータを取得。IoTデータと電子レシートの連携により、新たなニーズの発掘を見込む。

経済産業省 商務情報政策局 消費・流通政策課 林揚哲 課長

経済産業省 商務情報政策局 消費・流通政策課 林揚哲 課長は、「電子レシートをスマートフォンで管理することにより、利用者の利便性が向上し、また利用者自身が任意で情報提供を行う企業を選べるようにしている。そして、いつ・どこで・何を買ったかというレシートの購買情報は、企業にとって宝の山。新しいリテールテックへの展開に大きな革新が期待できる。日本発のイノベーションを起こしていければ」と語った。

なお、同実証実験は2月13日〜2月28日まで実施され、目標とするのは2000枚相当の電子レシートのデータの取得という。今回の実証実験で得られたデータは2018年3月中にも集計し、その成果は同年夏ごろに公表されるということだ。

また、電子レシートのプラットフォームに関する今後のロードマップについて、東芝テック 技術統括部 技術推進部 上席主幹の三部雅法氏は、「商用展開可能な標準プラットフォームとして公開するのはまだ先になる」としながらも、出来るだけ早い時期に実現したいと意欲を語った。
(杉浦志保)

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