炊飯ロボや透明有機ELディスプレイに長蛇の列、スマート杯で酒量管理も――AWE2019

炊飯ロボや透明有機ELディスプレイに長蛇の列、スマート杯で酒量管理も――AWE2019

独造家電机器人(Haocheng Intelligent Robot)が手掛ける汎用家事ロボット試作品

【上海発】中国最大の家電見本市「Appliance & Electronics World Expo 2019」(AWE 2019)が3月14日〜17日の4日間、中国・上海市の上海新国際博覧センター(SNIEC)で開催された。全部で17棟ある常設展示場のうち、北棟(N1〜N5)・西棟(W1〜W5)の計10棟13万m2を使って900社が出展。およそ35万人が来場した。日系メーカーではパナソニックやソニー、シャープ、日立製作所、リンナイなどが出展した。今回の大きなトレンドはAIやIoTと8K。急速に進む家電とその周辺のスマート化を示す機会になった。膨大な出展の中で、特に目を引いた展示をいくつかピックアップして紹介する。
 白物家電を手掛ける東芝ライフスタイルを買収した美的集団(Midea)はW1棟を丸々借り切って出展。その中で、創立50周年を記念して昨年立ち上げたAI家電のブランド「COLMO」はブースを独立して展開した。庫内の食材を把握してレシピを提案する冷蔵庫や、衣類の状況に即した洗濯を行う洗濯機など、AI技術を取り入れた家電製品を展示。特に人気を集めていたのは「炊飯ロボット」だ。少し大きめの電気炊飯器で、左側の米を入れるユニットと、右側の炊飯ユニットで構成されている。左側に米を入れておくと、炊飯ユニット側に適量の米や水を送り込み、洗米して炊飯まで自動で行う。米の品種や持ち主の好みに沿った炊きあがりになるようAIで自動調整するのが特徴だ。
 パナソニックブースで行列ができていたのが「透明有機ELディスプレイ」。普通に映像を映し出すことができる一方、スイッチを切り替えるとディスプレイの向こう側が透けて見えるというもの。ショーケースなどへの応用が考えられている。そのほかディスプレイ関連では、シャープやソニーを筆頭にサムスンやLGなど、8Kをアピールする展示が溢れていた。中でも目立っていたのが、長虹電器(Changhong)の「両面8Kテレビ」だ。高画質テレビAirtシリーズの一つで今年のCESでも出展され、今回は地元中国での披露となるだけに関心を集めていた。ここでもAIが活躍しており、シーン認識や画質調整のほか、IoT機器のコントロールセンターとしても機能するという。
 多機能家庭用ロボットを販売している独造家電机器人(Haocheng Intelligent Robot)では、試作品の人型汎用家事ロボット「ジョー」を参考出展した。現状では3Dプリンタを駆使して部品を作成した試作段階で、来年の発売を目指し、開発を進めている。二足歩行を実現し60kgまでの荷物を持てるようにする計画だ。また、AIやビッグデータを駆使したインフラプラットフォームを提供する和而泰家居在線網絡科技(C-Life)は、水や医療を中心としたインフラシステムを展示する一方、「スマート杯」も展示。光らせたりゲームで遊んだりできる機能のほか、酒量を記録するという実用的な機能も備えている。この杯で酒を飲んでいる限りは、累積酒量などの記録も可能で、健康管理に役立つ。コップもスマートになる時代、というわけだ。
 ハイアールやソニーなども登壇した基調講演では、中国最大級のECサイト、京東商城(JD.com)を運営する京東集団のYan Xiaobing シニアバイスプレジデントも壇上にあがった。AIやビッグデータ技術の進展を受け製造・流通業の「リバース・カスタマイゼーション」を提唱。できあがった製品を消費者の要望に合わせて調整するのではなく、最初から消費者の要望を軸に製品を開発する手法を紹介した。「ゲーミングノートPCなどでは大きな成果を上げている」と話した。考え方は消費者のニーズに合わせ、商品やサービスを作り上げていく顧客志向そのもので、AIやビッグデータ技術の進展で「より消費者に寄り添った製品開発ができるようになった」と話した。(BCN・道越一郎)

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