一眼レフをどう殺す?

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 一眼レフの販売縮小が激しい。2016年3月のレンズ交換型デジタルカメラの販売金額を100とする指数を見ると、この3月、全体では71.5とおよそ3割の減少だが、一眼レフでは販売金額が6割以上も減少した。特に、昨年春以降の雪崩を打ったような下落の状況は「一眼レフの終焉」が近いことを示している。構成比でも同様だ。3年前、レンズ交換型デジタルカメラで販売金額に占める割合は66.7%と7割近かった。しかしこの3月では、急速に伸びているミラーレス一眼に押されて32.7%と半減。センサーサイズ別に見ても、一眼レフはフルサイズ以上・未満とも構成がほぼ半減した。トップシェアメーカーのキヤノンと、追うニコンで9割超のシェアを占める一眼レフ市場だが、両社ともに新しいマウントでミラーレス一眼に舵を切った。この影響もあり、フルサイズのミラーレス一眼の構成比は16.1%と3年前のおよそ6倍の構成比に拡大した。まだ2割には届かないが、存在感は着実に増している。
 市場の主役をミラーレス一眼に明け渡したとはいえ、一眼レフは多くのユーザーと豊富な交換レンズのラインアップを抱えている。依然3割超の売り上げを稼ぎ出すセクターを、これからどうするかは悩ましい問題だ。報道機関などのプロニーズが期待できるフラッグシップモデルと現在開発中の機種を除いて、新たな開発は難しいだろう。レンズも同様で、今後は徐々にフェードアウトさせることになりそうだ。市場にとっては、どうやって一眼レフを穏便に「殺し」ミラーレス一眼をさらに加速させるかが大きなポイントだ。3月現在、レンズ交換型デジタルカメラ市場の販売金額で51.2%と過半を占めているのはフルサイズ未満のセンサーを搭載したミラーレス一眼で税抜き平均単価はおよそ8万円。レンズ交換型デジタルカメラ最大のボリュームゾーンだ。ここのラインアップ増強がレンズ交換型デジタルカメラ市場の維持にとって極めて重要になってくる。
 ミラーレス一眼でも好調のキヤノンは、EF-Mマウントで売れ筋のEOS M100やEOS Kiss Mでボリュームゾーンのニーズを吸収。トップシェアを走り続けている。しかし、フルサイズモデルは別のRFマウントだ。一眼レフのEF、ミラーレスでAPS-CのEF-M、フルサイズミラーレスのRFと3系統が併存しており、今後開発リソースの分散が心配される。一方、フルサイズもAPS-Cも同じマウントでカバーできるソニーは、2月に比較的廉価なα6400を発売してボリュームゾーンのラインアップを増強。ユーザー獲得に抜かりがない。最も問題なのはニコンだ。ミラーレス一眼ではまだ高価格帯のZ6/Z7しかなく、10万円前後のボリュームゾーンの受け皿がない。ラインアップ増強が急務だ。
 市場全体にとっても、一眼レフに完全に置き換えられるミラーレス一眼のラインアップはまだ不十分。増強は不可欠だ。ユーザーの心がカメラから離れつつある今、市場回復に残された時間は少ない。(BCN・道越一郎)

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