楽天ビック、オープン1年で売上高70%増、「楽天市場」より効果あり

楽天ビック、オープン1年で売上高70%増、「楽天市場」より効果あり

楽天ビックの事業会社にしたことで「楽天市場」よりもも売り上げが大幅に伸びた

 ビックカメラと楽天は4月17日、楽天ビックのオープンから1周年の事業戦略発表会を開催。2018年の楽天ビックの流通額は前年比70%増と大幅に伸びた。前年までビックカメラは楽天のネットショッピングモール「楽天市場」に「ビックカメラ楽天市場店」として出店していたが、17年12月に両社が出資して楽天ビックというショッピング会社を設立し、18年4月11日にECサービス楽天ビックをオープン。マーケットプレイスへの単独出店よりも事業効果が高いことを証明した。
●ビックカメラの課題だった若い女性客を獲得
 楽天の執行役員 矢澤俊介マーケットプレイス事業ヴァイスプレジデントは「設置が必要な大型家電のECでの取り扱いは業界の課題だったが、家電の専門知識を持つビックカメラの店員やリアル店舗との連携、大型家電の配送網の強みと、ネットにおける楽天の送客力が合わさって、顧客へのシームレスな家電購入体験の提供につながった」と、両社のシナジー効果の大きさについて語った。
 楽天にとっても家電ECの取り組み自体が、全体を押し上げるエンジンになっている。楽天市場やトラベル、ブックスなどを含む楽天の国内EC流通総額は18年に3兆4000億円(同11.2%憎)で2ケタ成長。中でも「楽天市場」の家電・PCの流通総額は同14.6%増と全体の平均を上回った。楽天ビックに限れば、さらに大きな成果が得られたというわけだ。
 楽天ビックの取り組みは、ビックカメラにとっても課題だった若い女性客の獲得につながった。取締役常務執行役員 秋保徹EC本部長は「ビックカメラは男性客の比率が高く、男女とも30代、40代が多い。(将来的に家族をもったときの)財布のひもをにぎる若い女性をいかに取り込むかが課題だった。楽天ユーザーは20代以下の若い女性が多かったのに驚いた」と楽天との効果を語った。
 店舗における楽天ポイントカード利用者を分析したところ、ビックポイントカードを提示したユーザーは男性の方が半数を上回ったのに対し、楽天ポイントカードを提示したユーザーは女性客が半数以上を占め、その中でも20代以下の女性の比率が高いことが分かった。
 サービスについては、オープン早々に「O2O促進キャンペーン」を展開。家電をECで購入することに迷った顧客が「店で購入」を申請すると倍の楽天ポイントが還元される施策で、「われわれの想像以上のエントリー数があった」(秋保取締役)という。
 楽天の調査でも、8割のユーザーがECでの家電購入を断念した経験があるという結果が出た。O2O促進キャンペーンは、こうした層の不安を払拭する効果があったようだ。
 また6月からビックカメラの店頭でも楽天ポイントを利用可能にしたことで、楽天会員の来店数が増加。8月には東京、神奈川、千葉、埼玉の一部で当日配送を開始したり、11月末には店頭での「在庫取り置きサービス」を開始したりするなど、サービスメニューを充実させていった。
 2年目の取り組みについては、まずは会見当日の19年4月17日から大阪市内全域で当日配送サービスを開始したことをはじめ、顧客の承諾を得た上で楽天とビックカメラで購入履歴を共有しながら、ポイントサービスの特典を付与したり、ビッグデータを活用したオリジナル家電製品を開発したりする。調理家電分野のIoT家電やプログラミング教育用の子ども向けPCなどが案として挙がっている。
 ほかにも物流分野でセンターや在庫を相互で融通しあえるようにするなど、楽天ビックという事業会社を設立したからこそできる、一歩踏み込んだ革新的なサービスを展開していくという。(BCN・細田 立圭志)

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