モバイル決済は3勢力+αに メルペイなど3社が参画するMoPAは相互連携

モバイル決済は3勢力+αに メルペイなど3社が参画するMoPAは相互連携

三社の相互連携でキャッシュレスの普及促進を加速

 LINE Pay、メルペイ、NTTドコモは、キャッシュレスの普及・促進を目的とした業務提携に関する基本合意書を交わした。あわせて、LINE Payとメルペイが設立したモバイルペイメントの加盟店アライアンス「Mobile Payment Alliance(MoPA)」にドコモが参画し、今後は3社で店舗・事業者に対し、各社が提供するモバイル決済サービス「LINE Pay」「メルペイ」「d払い」の導入を推進する。
●三社の相互連携でキャッシュレスの普及促進を加速
 業務提携に基づき、各社は、自社のアプリによる他2社のMPM方式(ユーザー読み取り支払い型)のQRコード読み取り・決済に対応していく。店舗は、いずれか一つのスマートフォン(スマホ)決済サービスのQRコードを設置するだけで、LINE Pay、メルペイ、d払いの全てに対応するため、より少ない負担で、キャッシュレス決済利用者の増加が期待できる。
 LINE Payとメルペイの営業面の連携はすでに順次開始しており、さらに今後、MoPAでは、アライアンスの趣旨・目的に賛同する他決済サービス事業者の参画を促し、パートナーシップの拡大を目指すとしている。
●ドコモLINEメルカリ・au楽天連合・ソフトバンクの構図に
 当初2社でスタートしたMoPAに、携帯電話料金とまとめて支払う「キャリア決済」や、さまざまな店舗で利用できるdポイントでも支払い可能なd払いを展開するドコモが加わったことで、スマホを利用したモバイル決済サービスは、それぞれ強固なユーザー基盤を抱えるMoPAの3社(ドコモ・LINE・メルカリ)、包括的業務提携を結んでいる楽天・KDDI、ソフトバンクグループのPayPayの3大勢力と、その他の独立系、銀行・クレジットカード系、店舗・流通系に分かれた。
 「7pay」「FamiPay」など、店舗・流通系のモバイル決済サービスは、決済に特化しておらず、店舗のファンを蓋すための会員制アプリの一機能に相当する。7payの不正利用トラブルを受けてもなお、プラスチック製メンバーズカードの置き換えとして、独自のモバイル決済サービスを始める企業・店舗は今後も増え続けると予想され、汎用的に使える決済専用サービスとの使い分けが必要になる。
 ドコモのd払いは、19年秋以降に、送金機能を含む「ウォレット機能」と、d払いアプリ内で加盟店が事前注文や事前決済などのサービスを利用できる「ミニアプリ」を追加する予定。LINEもまた、19年秋に「LINE」アプリ内に、online(リアル)とoffline(ネット)の隔てなくスムーズな体験を可能にする新たなサービスプラットフォーム「LINE Mini app」を追加する予定。さまざまなシーンで、オンラインとオフライン、ユーザーと店舗をつなぐ試みが走っている。
●目指すビジョンは「Life ON LINE」 LINEは生活密着インフラへ
 MoPAに加盟する3社のうち、特に気になるのは、LINEの動きだ。6月27日に開催した事業戦略発表会「LINE CONFERENCE 2019」では、新任の慎ジュンホ代表取締役CWO(Chief WOW Officer)が「LINEはAI企業を目指す」と明言。金融関連の有力企業とパートナーシップを結び、既に提供中の「LINEほけん」や「LINE家計簿」に加え、銀行・証券・クレジットカードといった金融分野に進出しようとしている。
 中でも、日本を含む東アジア4カ国で同時に銀行(LINE Smartphone Bank)を展開する構想は壮大で、国内向けサービスにとどまる他社を飛び越し、今まで資産運用に興味・関心のなかった一般層を広く取り込む可能性がゼロではない。MoPAによる加盟店開拓の連携・読み取り式コードの相互共通化は、LINEが掲げる壮大なビジョン「Life ON LINE」達成のための合理的手段のようにみえる。
 18年11月30日付に施行された犯罪収益移転防止法施行規則に基づき、オンラインで本人確認を完結する「eKYC」に対応したサービスは、スマホだけで本人確認が完了する。こうしたスマホの強みを生かす法改正と、他社との連携・協業、そしてLINEマンガ、音楽配信のLINE MUSICといったさまざまなサービスの強化がLINEの新たなビジョン成否の鍵となりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

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