初開催の「筑波会議2019」が閉幕、50を超える議論を終え

初開催の「筑波会議2019」が閉幕、50を超える議論を終え

筑波会議の最終日に採択された「筑波宣言 2019」

 茨城県つくば市のつくば国際会議場で10月2日から開かれていた「筑波会議 2019」が4日、およそ50のセッションを終え閉幕した。筑波大学の永田恭介学長が「若手のダボス会議」を目指し提唱、今年初めて開催にこぎ着けた。各国から「Future shapers(=未来をかたちづくる人たち)」と名付けた若手研究者や起業家などおよそ1500人を集め、世界的な課題について討論した。
 今回はテーマを、Society 5.0(仮想空間と現実空間を融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会)とSDGs(地球上の誰一人として取り残さないことを誓って設定された持続可能な開発目標。17のゴールと169のターゲットからなる)に設定。アフリカの感染症問題からアジアの猛暑対策、科学技術外交の最前線、イノベーション人材育成問題、未来社会のデザインなど、さまざまな視点から、世界の第一線に立つFuture shapers達が貴重な意見を交わした。
 セッションの一つ「スポーツから目指す"脱"消費社会」では、オランダ・アムステルダムを本拠地とするプロサッカーチーム、AFCアヤックスのErnst Lighthart 監査役が冒頭に登壇。「アヤックスのゼロ消費社会への努力−−ヨーロッパでのスポーツを通じた環境への取り組みの現状」と題し、本拠地のヨハン・クライフ・アレナの取り組みについて発表した。
 「スタジアム自体を小さな都市のようにスマート化。スタジアムを起点に都市の再開発を行った。太陽光発電、風力発電、水を活用した地域冷暖房、蓄電池による近隣へのエネルギー供給等を通じ、2015年にはカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出・吸収が同量になること)を達成した」などと紹介した。
 また「SCIENCE FOR RESILIENCE -基調災害の現場から見えてくること-」と題するセッションでは、世界銀行の東京・ディザスター・リスクマネージメントハブのJared Mercadante リスクマネージメント・スペシャリストが登壇。防災の観点から国際機関の役割などを紹介した。
 「世界銀行では、極貧の撲滅と繁栄の共有推進を掲げている。自然災害は貧困層に最も大きな影響を与える」として、GFDRR(Global Facility for Disaster Reduction and Recovery=防災グローバル・ファシリティ)の取り組みを説明。「途上国などが貧困の解決や持続的な開発のために災害リスク削減への取り組みを支援している」などと話した。
 最終日の4日、閉会にあたり「壁を越えて社会課題を解決していく、権力に対して真理を語り、若い世代の声を届ける、包括的に人間中心に地球規模の課題を解決していく」などの内容盛りこんだ「筑波宣言 2019」を採択し3日間の会議を終えた。次回開催は未定だが、主催する筑波会議委員会では今後も定期定期な開催を目指している。(BCN・道越一郎)

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