「ポイント還元事業」がキャッシュレスを後押し、対象外の家電量販店にも効果

「ポイント還元事業」がキャッシュレスを後押し、対象外の家電量販店にも効果

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 【なぐもんGO・36】10月1日に消費税率が8%から10%に引き上がった。あわせて始まった国の補助金事業「キャッシュレス・ポイント還元事業」は、10月〜2020年6月まで、対象店舗でキャッシュレス決済を利用した消費者に、5%(フランチャイズは2%)還元する事業だ。増税後の需要平準化とキャッシュレスの普及を目標としており、開始2週間で早くも効果が出ているようだ。
 ポイント還元事業が始まる前から、キャッシュレス決済普及の兆しはあった。スマートフォン決済サービス「PayPay」や「LINE Pay」、「メルペイ」などは9月に一気に会員数を伸ばしている。特にPayPayは8月から9月にかけて500万人ほどユーザー数を伸ばしていた。
 ポイント還元事業の対象店舗になっている中小・小規模店舗の中でも、フランチャイズとして2%還元の対象になっているファミリーマートでは、増税前は20%だったキャッシュレス決済比率が10月に入って25%に増加したという。
 対象店舗でキャッシュレス決済比率が増えるのは想像に難くないが、対象外の店舗にも影響が出ている。「ビックカメラ有楽町店」では、増税前は20〜40代の男性がキャッシュレス決済、とりわけ二次元コードを利用するスマホ決済の利用が多かった。しかし、増税前2〜3か月になると、40〜50代の女性がスマホ決済を使うようになってきたそうだ。
 同店の高田真由店長代理は、「有楽町はIT系の会社が多いオフィス街という土地柄、ITに明るい男性も多く、スマホ決済も男性が使っていた。還元事業がワイドショーで取り上げられたり、各事業者の還元キャンペーンが話題になったりすると、徐々に女性ユーザーも増えてきた」と状況を分析する。
 ユーザー側からすれば、現金よりも慣れていないスマホ決済を使う最大のメリットは還元だ。一方、店舗側としては慣れていないキャッシュレス決済を処理するメリットがあるように思えない。特に、ビックカメラで決済したことがある人ならわかると思うが、同社は現金を自動で数える自動釣銭機を導入しているため、もともと誤打やつり銭のミスがほとんどない。それでも、「キャッシュレスは歓迎する」と高田店長代理は断言する。
 高田店長代理は、「現金はそこにあるだけで見守る必要があるので、常に人を配置する必要があるうえ、レジ締め作業も発生する。キャッシュレス専用レジなら人が居なくても、レジを締めなくても問題ない。慣れた社員が徐々に増え、会計にかかる時間も短い。総合的に見れば楽」と続ける。
 ただ、問題もある。「どうやって使うのか」「還元はあるのか」などの質問が絶えないというのだ。同店では、キャッシュレス相談カウンターを設置しているほか、各フロアに二人以上のキャッシュレス担当者を配置し、詳細な問い合わせにも対応できるようにしている。キャッシュレス決済を提供する側が担うべき役割の大部分を、店舗スタッフが担っている状況だ。
 キャンペーンなどで利用者が一気に増える機会もあるが、そうした際には決済事業者側が今まで以上に使い方の説明や対象店舗の周知に取り組む必要がありそうだ。(BCN・南雲 亮平)

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