PC販売好調もタブレットのシェア拡大 iPadの進化でノートPCとの境界線が揺らぐ

PC販売好調もタブレットのシェア拡大 iPadの進化でノートPCとの境界線が揺らぐ

10月は、ごくわずかな差ながらノートPCよりタブレットの方が多く売れた

 上新電機の2020年3月期第2四半期(4〜9月)決算は、白物やデジタル家電の消費増税前の駆け込み特需と、来年1月に迫ったWindows 7の延長サポート終了を受けて好調に推移するPCの販売増が寄与し増収増益となった。セグメント別にみると、暖房機が前年同期比56.8%増、PCが36.2%増と高い伸びを示した。 エディオンも同様に20年3月期第2四半期は好調で、増収増益となった要因の一つとしてPC本体とPC関連の販売増を挙げた。19年8月期の連結決算を発表したビックカメラもカメラ・オーディオ以外の全て商品カテゴリーで前年実積を上回り、PC本体が17.7%増、PC周辺機器が7.6%増、携帯電話が5.0%増となった。特に「PC本体の引き合いが高かった」と説明する。
 これら主要家電量販の決算をみると、2020年1月14日まで、残り2カ月に迫ったWindows 7の延長サポート終了による特需はスタートしており、増税前の9月に最初のピークを迎えたといえそうだ。
●特需はいったん小休止 10月はノートPCよりタブレットの方が多く売れる
 全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、10万円を切っていたノートPCの税別平均単価は今年2月以降は10万円台に上昇し、増税前の9月が10万7861円、増税後の10月は10万2326円だった。
 販売台数の変化をみるため、ノートPC、タブレット端末、デスクトップPCを合わせたPC全体(Amazon KindleやSurfaceシリーズは含まない)の19年1月の販売台数を1.00とすると、この9月は1.31に跳ね上がり、10月は0.67と下げた。ノートPCに限ると、1月を1.00として2月が0.70、3月が1.17、4〜8月が0.72〜0.93、9月が1.39、10月0.54と推移した。増税前の9月の伸びが大きかっただけに、10月に入るとその反動で勢いが鈍る展開となっている。この小休止を挟み、年末から年明けにかけて買い替えを促すことで、販売店にとっては、新型PCを売り込む最大のチャンスとなる見通しだ。
 一方、タブレット端末は、AppleのiPadとその他のメーカー製品で価格帯が異なる。iPadに限ると、ここ1年は平均単価が4万〜5万円台で推移している。10月の平均単価は4万7643円で、ノートPCに比べると5万円以上も安い。10%の消費税分を含む総額表示では、ノートPCとタブレットの間で、さらに価格差を強く感じるはずだ。
 iPadは、iOS 13に相当するiPadOS 13.1以降からはBluetooth対応のキーボードに加えマウスが利用可能になり、Apple純正のキーボード兼ケース「Smart Keyboard/Smart Keyboard Folio」のほか、安価なサードパーティー製のBluetoothキーボードも多く出回っている。Windows OS、物理キーボードのあるPCというカテゴリーにこだわりがないなら、移行先として検討に値するだろう。
 PC全体に占めるタブレット端末の比率はおおむね3〜4割だが、10月はノートPCの落ち込み、iPadの新製品発売が重なったことから、タブレットの占有率は再び47.0%まで上昇している。iPadのシェアが再び高まるなか、タブレットが本格的な成長軌道に乗ったとはいいきれないが、市場構造に変化の兆しが現われ始めたとみることができそうだ。(BCN・嵯峨野芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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