マイクロソフト、創業以来の「全CO2排出量回収」に向けた2030年までの具体策を発表

マイクロソフト、創業以来の「全CO2排出量回収」に向けた2030年までの具体策を発表

2030年のカーボンネガティブ実現の具体策を発表

 日本マイクロソフトは1月16日にサティア・ナデラCEOが、1975年の創業以来排出してきたCO2を2050年までにすべて回収すると発表した施策で、まずは30年までの「カーボンネガティブ(直接・間接的なCO2排出量を半減して排出量以上を除去する)」の実現に向けた具体策を発表した。1月21日に、ブラッド スミス社長のブログの抄訳として発表した。
 まずは取り組むための七つの規範を表明した。(1)科学的知見と数学的洞察に基づく取り組み、(2)30年までに自社のすべてのCO2排出量を半減して排出量以上を除去する、(3)10億ドルを新設するClimate Innovation Fundに投資してCO2削減・除去テクノロジの開発を加速する、(4)サプライヤーと顧客がカーボンフットプリントを削減できるためのデジタルテクノロジーの開発と展開をする、(5)Environmental Sustainability Reportを毎年公表して進捗状況の透明性を確保する、(6)CO2の削減と除去を推進する公共政策をサポートする、(7)自社の取り組みに従業員を参画させる新たな機会を創生する――の七つ。
 この規範に基づく行動により、20年代の半ばまでに、自社の活動による直接的な排出(スコープ1)と、自社で使用する電力や暖房などによる間接的な排出(スコープ2)をほぼゼロにまで削減するという。
 具体的には、25年までに完全に再生可能エネルギーにシフトし、データセンターやビル、キャンパスにおけるすべての電力をグリーンエネルギーでつくられる電力にするための購買契約を結ぶ。また30年までに、世界のキャンパスで乗られる車両を電気自動車化する。
 さらに、30年までに、サプライチェーン全体やビルの材料、従業員の出張、消費者が商品を使用する際の電力消費などすべての活動から間接的に生じる排出(スコープ3)を半減する。
 スコープ3は広範囲にわたるため、スコープ1やスコープ2よりも排出量は多い。マイクロソフトでは、今年のCO2排出量を1600万トンと予測。このうち、約10万トンがスコープ1で、約400万トンがスコープ2による排出で、残りの約1200万トンがスコープ3の排出とする。
 スコープ3の排出を半減させるために、20年7月に現在の社内炭素料金にスコープ3の全排出を取り入れる改定を実施する。
 現在の炭素料金は1トンあたり15ドルとして、スコープ1とスコープ2の全排出と、スコープ3のうち出張に関する排出を対象にしているという。なお、マイクロソフトの社内炭素料金は、計算はされるが徴収しない「影の経費」(shadow fee)ではなく、各部門の排出量に従って実際に支払われ、その資金がサステナビリティの改善のために使用されるという。
 7月から、マイクロソフトの社内部門はスコープ3の排出に対応する社内炭素料金の支払いを開始する。最初は、他のスコープよりも低いトンあたり料金が設定されるが、長期的には料金を増加させて、スコープ1、スコープ2、スコープ3が同額になることを目指す。
 30年までの具体策を講じることで、排出するCO2よりも多くのCO2を除去し、最終的に50年までに75年の創立以来、直接的、間接的に排出してきたすべてのCO2を除去するという目標達成の道筋を確立するという。

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