共稼ぎ率がさらに上昇、首都圏に広がるベッドタウンの今後は?

共稼ぎ率がさらに上昇、首都圏に広がるベッドタウンの今後は?

自治体別昼夜間人口比率の全国トップ5はすべて東京23区。なかでも千代田区は突出している

 【Visualization〜商圏・人口・消費……地域経済分析システム「RESAS」より】 内閣府 地方創生推進室が作成した地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」から、商圏や人口、消費行動に関わるグラフ/数字を紹介する。
 「RESAS」の「まちづくりマップ」の「通勤通学人口」では、2010年の国勢調査をもとに、通勤や通学による日常的な自治体間移動の状況を、塗り分け地図やドーナツグラフなどのビジュアルで示している。
 例えば、2000年代後半から「萌え・サブカルチャーの街」とも呼ばれるようになった電気街「秋葉原」、古書店が立ち並ぶ「神田神保町」、日本有数のオフィス街「大手町」を含む千代田区の昼間人口は約81.9万人、夜間人口は約4.7万人、その差は約77万人にも及ぶ。夜間人口に対して昼間人口は17.4倍にも達し、全国の自治体の中でトップとなっている。
 昼間人口は、買い物客を除く、通勤、通学者を合わせた数を示す。首都圏の状況をみると、オフィス・店舗が集中する都心部と、広域から集客を図る大型店の誘致に成功した一部の自治体以外は、昼間人口より夜間人口のほうが多い、いわゆるベッドタウンだ。通勤者の業種を「卸業・小売業」に絞っても、傾向は変わらない。
 13年3月に東武東上線、西武池袋線、東急東横線、東京メトロ副都心線、横浜高速鉄道みなとみらい線の5社による相互直通運転、15年3月にはJR東日本の「上野東京ライン」の運行が始まった。乗り換えなしに長い区間を運転する路線が増え、遠方から通勤しやすくなる一方で、首都圏では、職場の近くに住む「職住近接」のニーズが高まっている。
 15年の国勢調査によると、夫婦のいる一般世帯での共稼ぎ率は、5年前の45.4%から2.2ポイント増え、47.6%に達した。同時に、高齢者世帯など、夫婦ともに働いていない世帯の割合も20.2%から21.9%へと微増となった。今後、「職住近接」や「都心回帰」がどこまで進むのか、昼夜間人口比率の変化を注視していくべきだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
■地域経済分析システム「RESAS」
 「RESAS」は、国の統計資料を中心に、民間の調査データも含めた膨大な量のデータを「見える化」して、課題解決を手助けするツール。都道府県/市町村単位で集計でき、全国や他の自治体の数値と簡単に比較できる。
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年7月号から転載

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