日本で初の国際情報オリンピック9月1日から、日本代表選手が抱負を語る

日本で初の国際情報オリンピック9月1日から、日本代表選手が抱負を語る

2018年開催の国際科学オリンピック日本代表選手

 科学技術振興機構(JST)は8月22日、9月1日から茨城県つくば市で開催する第30回国際情報オリンピックの見どころを紹介し選手の抱負を披露する記者説明会を開いた。説明会ではあわせて、今年開催された6つの国際科学オリンピック(数学:ルーマニア大会、化学:チェコ/スロバキア大会、生物学:イラン大会、物理:ポルトガル大会、地理:カナダ大会、地学:タイ大会)に関して、出場した日本代表選手が参加報告を行った。
 国際情報オリンピック(IOI=International Olympiad in Informatics)は、世界の中・高生を対象にした国際科学技術オリンピックの一つ。1989年にブルガリアのプラヴェッツで第1回大会が開催された。30回目の今回、初めて日本で開催される。IOIに加盟する87の国と地域の全てから選手が参加するのも今回が初。日本代表は、北九州工業高等専門学校3年の井上航 選手、N高等学校3年の清水郁実 選手、筑波大学附属駒場高等学校2年の行方光一 選手、灘高等学校3年の細川寛晃 選手の4名だ。
 説明会には清水郁実 選手と行方光一 選手が出席。それぞれ抱負を語った。清水選手は「本気で準備を始めたのは2年くらい前から。毎日10時間くらいかけて長期間努力してきたこともあり、大会では絶対ミスをしたくない。実力を遺憾なく発揮できるように頑張りたい」と話した。また行方選手は「情報オリンピックの存在を知ったのは小学校6年の頃。中学1年で参加し、4回目の挑戦で今回、初めて日本代表の座を勝ち取った。日本は昨年、総合1位という快挙を成し遂げただけに、今回は全員金メダルというプレッシャーを感じているが、そのプレッシャーに負けずに金メダルがとれるよう頑張りたい」と話した。また井上選手と細川選手はビデオメッセージで登場。それぞれ「自分の力が出せるようメダル獲得に向け精一杯頑張る」(井上選手)、「世界中の同世代のプログラマーと直に競い合えることが、とても楽しみ」(細川選)と話した。
 国際科学オリンピックの意義について、第30回国際情報オリンピック日本大会組織委員会の古川一夫 委員長は「情報産業は、自動車産業と並んで日本をけん引する産業に成長した。しかし、AI、IoT、CPSなどの新しいテクノロジーに関して、日本はGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に大きな差をつけられている。日本にも若い優秀な人材は多いのに、逸材を育成できていないからだ。世界に飛び込んでいくベンチャーの資質をもった人たちを育てることと、社会全体が個性をもった人材を尊重し育てていこうとする社会的な後押しも重要だ。アスリート主役のオリンピックだけでなく、サイエンスの分野オリンピックにもぜひ目を向けて欲しい」と話した。
 日本大会開催概要について、第30回国際情報オリンピック日本大会組織委員会の筧捷彦 副委員長は「与えられた課題を解くためのコンピューター上で動くプログラムを提出する。確実に解くだけでなく効率のいいアルゴリズムが求められる。2日間にわたって計10時間で6問の問題を解く600点満点。点数の上位12分の1の選手が金メダル、以下、12分の2までが銀メダル、12分の3までが銅メダルを獲得する仕組み。今回出場する日本代表選手は、予選、本戦、春期トレーニング合宿を通じて勝ち残った上位4名」と話し、トップ中のトップの選手が出場する国際情報オリンピックのあらましについて説明した。
 大会を支援するJSTの大槻肇 理数学習推進部長は「JSTは2004年から国際科学技術コンテスト支援事業を実施。グローバルに活躍できる若手人材の育成に積極的に取り組んでいる。国際科学オリンピックについても、国内大会の実施支援や日本で開催される国際大会の支援、国際大会への日本代表選手の派遣などを行っている」と話す。日本で国際科学オリンピックが開催されるのは、03年の国際数学オリンピック東京大会以降、今回で6回目。今後も、20年に生物学、21年に化学、22年に物理、23年に数学と4つの国際大会が開かれる予定だ。科学技術振興機構では、これから日本で続々と開かれる国際化学オリンピックの意義を考え認知を広めるため、9月17日13時から東京大学本郷キャンパス伊藤謝恩ホールで「池上彰さんと考える日本の科学と君の未来」と題したシンポジウムを開催する。参加費は無料。申込先は専用ウェブサイト(https://kagaku-olympic.jp/)まで。

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