【PC Audio Lab】スーパーツイーターとコンデンサーが奏でる極上の音色の作り方【後編】

【PC Audio Lab】スーパーツイーターとコンデンサーが奏でる極上の音色の作り方【後編】

@DIME アットダイム

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

■Introduction

10cmフルレンジ一発で設計されたバックロードホーンキット、BearHorn『TBW-10000SPD』にスーパーツイーターをちょい足ししたら、音はどう変わるかを実験するため高能率なホーンツイーターPYRAMID『TW47』とDayton Audio『AMT3-4』を使う。コンデンサーの詳細は前編を参照していただきたい。

■コンデンサーはブランドより容量が重要だった!

BearHorn『TBW-10000SPD』のフルレンジ一発の音は、中低域寄りのバランスで、音像定位がシャープでスピーカーの左右外側に音が広がる音場感豊かなスピーカーである。低音の量感があり、高域の解像度も悪くない。ここにPYRAMID『TW47』を載せてみよう。まず、スーパーツイーターに付属していた3.4μFのコンデンサーを使う。クロスは5800Hzとかなり低めでフルレンジの領域と完全に重なる部分が出てくるはずだ。ボーカルの音色が変わった、ドライで音像も広がる。かすれた感じ。バランスも高域にシフト。金管の音像定位はシャープ。音色も華やかになった。

■PYRAMID『TW47』

●Jantzen Audio『Z-Standard Cap』1.5μF(1.3kHz)

アルミ蒸着ポリプロピレンフィルムコンデンサーで、リード線にはPCOCC導体を採用。Jantzen Audioの中ではエントリークラスの製品。クロスが1kHz以上に上がったことでツイーターの低域がカットされて落ち着いた音になった。音像定位はシャープなままで、高域がややクッキリした。音色は明るい。

●PARC Audio『DCP FC001-150』1.5μF(1.3kHz)

アルミ蒸着ポリプロピレンフィルムコンデンサーで音質には定評がある。これはいい! ボーカルのヌケがよくなり、透明感が増す。情報量も増えてアコースティックな楽器の音色がリアルに変貌。

●PARC Audio『DCP FC001-047』0.47μF(4.2kHz)

それでは同じブランドでクロスオーバー周波数を上げるとどうなるのか。一気に4.2kHzまで上げても充分にスーパーツイーターの効果は感じられる。ボーカルの音像に実体感がある。音像定位はシャープでクセがない音。極めて自然、小音量でもセンター定位が明確になった。

●SCR『SOLEN 630VDC』0.47μF(4.2kHz)

Webで評判のコンデンサーがソーレンである。柔らかい音色で空間表現に富んでいるという。聴いてみるとややクールな音色で、音に広がりがある。PARCとの差はそんな感じられない。

●mundorf『M-CAP/630V』0.47μF(4.2kHz)

アルミ蒸着ポリプロピレンで、国内、海外の有名スピーカーにも採用されている。ムンドルフの中では最も安価な製品。確かにS/N感が向上、情報量が増える。ボーカルの透明度が高く、ニュアンスが出る。今まで聴いた中ではベスト!

●mundorf『M-CAP/630V』0.47μF+PARC Audio『DCP FC001-047』0.47μF=0.94μF

コンデンサーは直列、または並列で複数使うこともできる。試しにムンドルフとPARCをパラって、クロスを2.1kHzに持って来た。ボーカルの存在感が高まる。高域の主張が少し強いかもしれない。

●Pioneer『U-CON U』2.3μF(8600Hz)

たまたま部品ケースの中に転がっていたコンデンサー。Pioneerの刻印があるが、U-CONは日本のコンデンサーメーカーなので、OEM製品と思われる。さらにクロスが下がり、ボーカルが力強くなった。音像定位は悪くなった。

コンデンサーの試聴はワニ口クリップを使っておこなった。きちんとした線材を使ってハンダ付けすればもっと高音質になると思われる。

■Dayton Audio『AMT3-4』

引き続きハイルドライバーの『AMT3-4』を使って音質の違いをチェックしてみよう。

●Pioneer『U-CON U』2.3μF(1.7kHz)

かなり低いところから使えるかどうかをチェックするためにU-CONを試した。ボーカルが前にでる。なめらかで、音色は少し明るめ。効果は穏やかだ。

●PARC Audio『DCP FC001-150』1.5μF(2.6kHz)

女性ボーカルがハッキリした。2.3μFよりもツイーターの音が聞こえる。透明感があって音像定位もいい。音のバランスもいい、これはオススメだ!

●PARC Audio『DCP FC001-047』0.47μF(8.4kHz)

クロスが高すぎるせいか効果はほとんど感じられない。高域のニュアンスが微妙に違ってくる。音場感は変わらない。

●mundorf『M-CAP/630V』0.47μF+PARC Audio『DCP FC001-047』0.47μF=0.94μF(4.2kHz)

ボーカルは自然で、高域が伸びる。音場感は変わらない。『AMT3-4』は能率がホーンツイーターほど高くないので、あまり効果が感じられないのかもしれない。

●PARC Audio『DCP FC001-150』1.5μF(2.6kHz)

最後にFOSTX『P1000-BH』にフルレンジユニットFOSTX『FF105WK』を入れたバックロードホーンと組み合わせてみた。こちらで聴くと高域の伸びがグンと違ってくる。ワイドレンジでなめらかでクセがない。

■研究結果

フルレンジ一発のスピーカーにツイーターまたはスーパーツイーターをプラスすると、高域の再生能力が高まり、特に女性ボーカルには効果抜群でリップノイズや息のかすれなどのニュアンスが再現される。うまく使えば音像定位はよりシャープになり、音場感には悪影響を及ぼさない。ツイーターにはソフトドーム、ハードドーム、ホーン(コンプレッションドライバー)、リボン型、ハイルドライバーなどいろいろな形式があり、価格もピンキリだが音色の差は意外に少ない。ただし能率が低いと使い難いので、ハイコスパで高能率のホーンツイーターから試してみることをオススメする。

フルレンジ+ツイーターのメリットを生かして、ネットワークはコンデンサー一発として、音量を揃えるためのアッテネーターは入れない。コンデンサーはブランドよりも容量の方が音に与える影響は大きい。何がいいか悩む人はPARC Audioを選んでおけば間違いない。コンデンサーの容量だが、今回、試聴した感じでは1.5kHz〜4kHzの間にクロスオーバーを持ってくるのがいいようなので、試聴用に1.5μF〜0.47μFの間の安いコンデンサーを複数個用意して容量を決めてから、本番用のPARC Audioを買うという方法がいいと思う。実際に何kHzまでカットされているかはツイーターだけをコンデンサー経由で接続して、テストトーンを再生して聞こえるかどうかで判断できる。

●ツイーターは高能率が使いやすい
●ハイコスパなツイーターも結構使える
●コンデンサーはブランドより容量が重要
●コンデンサーの容量は聴感で決める

文/ゴン川野

オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

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